事例5・ソーシャルグッドな取り組みにインパクトを

ferette_h&m.jpg出典:citiesnext.com

海外の事例ではありますが、大手ファストファッションブランド「H&M」のポップアップストアを紹介したいと思います。

アパレルブランドのポップアップショップ自体に目新しさはないですが、注目すべきは出店先とコレクション内容。ポップアップショップと言えば、多くの人が訪れやすい場所が選ばれることが多いなかで(しかも実店舗が数多くあるブランドにも関わらず)、このショップはオランダ郊外の海岸に突如現れました。それも、海岸というロケーションにマッチする木造の木箱。そこに夏のコレクションがディスプレイされています。このショップはH&Mと特定非営利活動法人WaterAidとのコラボレーションで実現したものです。安全な水の支援を行うWaterAidのコンセプトと、H&Mが推進している、サスティナブル(持続可能)な取組みを、斬新なアプローチ方法で世の中に訴える機会となりました。同社の最新コレクションでも、オーガニックコットンやリサイクルポリエステルなど、サスティナブル素材を使用した商品を積極的に展開しています。日本国内でもSDGsへの注目が高まりつつある今、そのソーシャルグッドな取組自体をニュースとして発信する企業は増えてきましたが、消費者へのインパクトを与えることは容易ではない中で、こうしたポップアップでのコミュニケーションがヒントになるかもしれません。

ポップアップストアの可能性は?

ポップアップストアがただ商品を売るだけの場所でなくなったいま、むしろブランド体験の場であり、ブランドの姿勢を表現する場にもなっているように感じます。今回取り挙げた事例を見ても、ポップアップストアとして出店したこと自体が、ニュースとして話題化し、SNS上でのバズを生めるかということも重要なポイントになっているでしょう。

私たちが日々関わるクライアントの中でも、ポップアップストアやイベント実施の際に、インフルエンサーを起用する機会は多く、彼、彼女たちが、写真を撮って投稿して拡散してもらえるような“映える”スポットやコンテンツを作り込み、“必死で”SNSでの露出機会を確保しようとする一方で、消費者はそのようなポップアップストアのパターンに慣れてきてしまっているのも事実としてあるのではないでしょうか。

来る2020年にはいよいよ5G時代がはじまります。デジタル上での情報の取り方、接触方法、発信方法、購買行動の大きな変化が想像されるなかで、令和時代の消費者がリアルな場に求める『新奇性』を正しく見極められるのかどうかが重要になりそうです。今後も新たなポップアップストアの事例やアイデアを追いかけていきたいと思います。

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ポップアップストアを出店するなら?今注目を浴びるポップアップスペース5選

ポップアップストアを出店するなら?今注目を浴びるポップアップスペース5選

ポップアップストアを出店するにあたって悩ましいのが出店スペース。期間限定の店舗とあって、短期間でいかに話題を作り集客できるかが重要なので、立地や会場のスペックは慎重に検討する必要があります。そこで今回は、今注目を浴びているポップアップスペースを5つご紹介すると共に、ポップアップスペースを簡単に探すことができるサイトをまとめました。意外な空きスペースも見つけられるでしょう。