プレゼンテーション:IDEO General manager Tom Kelley氏

こちらのセッションでは、アメリカのデザインコンサルティング会社IDEOのジェネラルマネージャーを務めるTom Kelley氏による「Creative confidence(創造力に対する自信)」を身につけるためのコツについてのプレゼンテーションが行われました。

経歴

IDEO General manager Tom Kelley氏

IDEO General manager Tom Kelley氏

兄のデイヴィッド・ケリーとともに、デザインコンサルティング会社IDEOを設立。わずか15人のデザイナー集団から従業員600人の会社へと成長させる。ベストセラーとなった『発想する会社!』『イノベーションの達人!』など著書多数。
イノベーション文化を築き、組織の潜在的な創造力を引き出す方法について「TED」をはじめ世界30カ国以上で講演する。UCバークレーのハース・ビジネススクールと東京大学の「iスクール」でエグゼクティブ・フェローを務める。

Creative Confidence(創造力に対する自信)

「Creative Confidence(創造力に対する自信)」から始まるスタートアップについて話したいと思います。
Creative Confidenceは2つのパートから成り立っています。

1.natural human ability (潜在的能力)
フレッシュなアイディアを思いつく力は誰もが持っている能力です。幼稚園児がその証拠です。幼少期の頃はだれでもクリエイティビティの塊。どんどんアイディアが湧いて溢れます。

2.Crourage to act (行動する勇気)
手を上げて、あなたのアイディアを表現する勇気のことです。たとえばこのような経験があるんじゃないでしょうか。
上司や上役がいる会議で、あなたは何かアイディアを思いついたとします。でも、からかわれるんじゃないかとか、キャリアに傷がつくのではないかとか、そういう心配をして結果アウトプットしない。こういうことは、世界中のどの会議室でも起きていることです。

Adobeの5カ国の合計5000人からとった世界的な調査により、日本は世界一クリエイティブな国であるということがわかっています。
まさにここ東京が世界一クリエイティブな街なのです。でも日本人は自分自身を信じていません。能力はある。問題は勇気のなさです。

Creative Confidenceを育てるには?

Creative Confidenceを育てるには?
あなた自身のCreative Confidenceを育むには、2つの方法があります。
1つは、*「いつも現状を疑う」*ことです。
創造は現在ではなく、未来のためになされるものです。なので先を考えて創造しなければなりません。そのためには、周りの世界をよく観察することです。
とくに人間の行動は注意深く観察しましょう。それによって発見があり、人々が何を求めているかヒントを得られます。

2つ目は、*「プロトタイプと学習のサイクルを加速させること」*です。大事なのは他の人よりもはやくこのサイクルをまわすことです。実際の顧客からフィードバックをもらい、彼らの意見を注意深く聞いて下さい。その意見をもとにできるだけ速く、できれば一日の中でも何回も、サイクルをまわすことが大切です。失敗から学び、それを次のステップに活かす。その繰り返しです。

スタートアップを考えている皆さんは、この2つを念頭においてください。
そうすれば自分だけの創造的自信を形成し、育み、そして強化することができるでしょう。