Google」や「Yahoo!JAPAN」で何らかの言葉を検索すると、検索結果画面の上部および下部に広告が表示されます。これを「検索広告リスティング広告)」と呼び、一般の企業がGoogle、あるいはYahoo!JAPANのいずれかに出稿してネットユーザーに対して宣伝を行っているというものです。

最近では大企業のみならず、例えば美容室、菓子店、電気店など地域に根ざしたローカルビジネスを営んでいる人も、この「検索広告」を活用する事例が増えてきました。
そこで今回の記事では、「検索広告リスティング広告)」をこれから初めて出稿しようという人に向けて、出稿先として「Google広告」と「Yahoo!広告」どちらを選択すれば良いのか、考え方のポイントを解説します。

「Google(グーグル)」「Yahoo!(ヤフー)」それぞれの利用者層の違いについて理解しよう

まず、インターネットで何かを検索する際に「Google」を使って調べているのはどんな人か、「Yahoo!」を使って調べている人はどんな人か、それぞれの利用者層の違いを理解しましょう。

このポイントを理解していることで、「自社のビジネスに適した広告出稿先はどちらか?」と判断する一助になります。

Googleを使っている人

  • 20〜30代の男性割合が高い

●Yahoo!を使っている人

  • 50代以上の男性割合が高い
  • 40代女性も、Google利用よりYahoo!利用が多い傾向にある
  • 20代男女は、極端に利用割合が低い

つまり、「Googleは若年層によく見られている」「Yahoo!は高年齢層によく見られている」という傾向が見て取れます。

よって、「自社の広告を若年層に届けたい場合はGoogleに出稿する」「自社の広告を高年齢層に届けたい場合はYahoo!に出稿する」のが適していると言えるでしょう。

参考:ネット検索で Google を使う人、Yahoo! を使う人の特徴を分析してみた|マナミナ

広告が表示される場所の違いについて理解しよう

次に、「Google広告」に出稿した場合と、「Yahoo!広告」に出稿した場合それぞれに、一体どんな場所に自社の広告が表示され、つまり、どんなサイトの利用者に見てもらえるのかを理解しましょう。

Google広告

  • Google検索結果画面
  • Google検索パートナーのサイト内

ここで言う、「Google検索パートナー」とは、Google以外の提携サイトのことで、その数は数百件にも上ると言われています。

一例としては、以下のような検索ポータルサイトが挙げられます。

  • 価格.com
  • livedoor
  • BIGLOBE
  • OCN
  • goo

例えば「価格.com」内の検索窓で何かを検索した後、その検索結果画面に広告が表示されます。これも「Google広告」で出稿されているものです。

[図1]グーグル検索パートナーに表示された、検索広告の一例

image1.png

出典:価格.com

●Yahoo!広告

Yahoo! JAPAN(「知恵袋」や「天気」「ニュース」などYahoo! JAPAN内の各コンテンツを含む)

  • 提携パートナーサイト

「Yahoo!広告」にも「Google広告」と同じように、広告を表示させる提携パートナーサイトがあります。

  • Ameba
  • 朝日新聞デジタル
  • Bing
  • excite
  • Fresheye
  • MyCloud
  • MY J:COM
  • Sleipnir Start
  • So-net
  • Vector
    (※2020年7月現在)

よって、これらの広告表示提携先も含めて理解し、自社のビジネスに親和性の高い方を選ぶと良いでしょう。

参考:
広告掲載サイト|Yahoo!Japan広告

【Google広告】実際に広告ってどこに出るの?確認方法と除外方法をご紹介|カルテッドコミュニケーションズ

出稿時に設定できる「ターゲティング設定」の違いについて理解しよう

「ターゲティング設定」とは、広告出稿時に自社の広告をどんな人に届けたいかを細かく設定することです。

たとえば、「年代」「性別」などを絞ってその条件に合致する人にだけ広告を見せる、という意味です。

Google検索広告の特徴

①年齢を細かく指定できる: 「18~24 歳」、「25~34 歳」、「35~44 歳」、「45~54 歳」、「55~64 歳」、「65 歳以上」、「不明」

②性別を指定できる: 「女性」、「男性」、「不明」

③世帯収入を指定できる: 「上位 10%」、「11~20%」、「21~30%」、「31~40%」、「41~50%」、「下位 50%」、「不明」

●Yahoo!検索広告の特徴

①特定の地域に限定して広告を配信、または配信から除外することができる。

②指定した曜日や時間帯で利用している検索利用者に広告を表示できる。

③PCで見ている人、スマホで見ている人、タブレット端末で見ている人のうち、例えば「スマホで見ている人だけ」に広告を出すなど、利用者側が見ている環境を指定できる

④過去に自社サイトに来たことがあり、かつ検索サイトで商品やサービスを検索している利用者に対し、広告を表示して自社サイトへの再訪問を促せる

Googleでは「年代」「性別」「世帯収入」を指定することができます。

こういった「ターゲティング設定」を細かく利用することで、たとえば、女性専用のスポーツジムを経営している場合には、男性に広告が表示されないように設定できる、といったことが可能になります。

参考:
検索広告のターゲティングはどんな種類がありますか?|Yahoo!JAPAN広告

ユーザー属性ターゲティングについて|Google広告ヘルプ

広告出稿時に追加表示できる「表示オプション」の違いについて理解しよう

「表示オプション」とは、検索広告の構成要素(キャッチ、説明文、リンクURLなど)以外の付加情報を、広告の下部に追加して表示できる機能です。

例えば電話発信リンクなどを追加することができますが、Google広告とYahoo!広告で少し違いがあります。

[図2]Yahoo!検索広告「表示オプション」のイメージ
image2.jpg

出典:広告表示オプションとは|Yahoo!JAPAN広告

Google検索広告の検索オプション

①住所表示

②電話番号表示・通話発信ボタン

Webサイトへのリンク

④関連カテゴリ・キーワードの強調(例:電器店なら「サービス: 技術サポート、PC 廃棄、PC リサイクル、PC 修理」)

⑤スマホアプリのダウンロードリンク

⑥問い合わせフォーム追加

●Yahoo!検索広告の表示オプション

Webサイトへのリンク(最大6件まで)

②電話番号表示・通話発信ボタン

③関連カテゴリ・キーワードの強調(例:洋菓子店なら「マドレーヌ、マカロン、フルーツゼリー」)

Google広告の方が、検索広告に付加して表示・誘導できるオプションの種類が豊富です。

参考:
広告表示オプションを選択する|Google広告ヘルプ

広告表示オプションとは|Yahoo!JAPAN広告

Google(グーグル)広告のメリット・デメリット

これまで述べてきたポイントをまとめると、以下のように総括できます。

メリット

  • 若年層に広告を届けやすい
  • 提携パートナーサイトが豊富で、より多くの人に広告を見てもらいやすい
  • 広告アプリダウンロードリンク、地図リンクなどを付加できて、スマホから見ている人に次のアクションを促しやすくなる
  • 出稿時に「年代」「性別」「世帯年収」を絞って出すことも可能である

デメリット

  • 高年齢層に広告を届けにくい

Yahoo!(ヤフー)広告のメリット・デメリット

一方、「Yahoo!広告」のメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。

メリット

  • 高年齢層に広告を届けやすい
  • 過去に自社サイトに来たことがある人が、自社に関連する商品・サービスを探している際に広告を見せて、再検討を促すこともできる
  • 広告出稿者に対するサポートが手厚い

広告出稿初心者に対してもサポートが手厚い」という点については、詳しくはこちらの記事で触れていますので参考にしてください。

▼Web広告初心者にも手厚いサポートが特色「Yahoo!広告」の使い方
https://ferret-plus.com/23670

デメリット

  • 若年層に広告を届けにくい

よって、「若年層」「スマホユーザー」にアプローチしたい、あるいは「年代・性別・収入を区切って」アプローチしたい人はGoogle広告への出稿がおすすめだと言えます。

一方、「高年齢層にアプローチしたい人」「広告出稿時に手厚いサポートがあったほうがいい人」は、Yahoo!広告への出稿がおすすめだと言えるでしょう。

自社ビジネスと親和性の高い出稿先を選ぼう

「検索広告リスティング広告)」をGoogleに出稿する場合、そして、Yahoo!に出稿する場合を比較してみると、それぞれに利用ユーザー層の違いや、広告出稿時にどんな細かい設定ができるのか、違いがあることが分かりました。

今回の記事で述べたようなポイントを理解して、自社のビジネスにとってより親和性の高い出稿先を選ぶ一助にしていただければ幸いです。ぜひ、「検索広告リスティング広告)」を活用して、自社ビジネスの成長に繋げていってください。

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