「ビジネスのDX」「営業・マーケティング活動活動の自動化・効率化」に注目が集まる昨今。自社でもそういった変革をアシストするITツールを導入してみようと検討している人も多いのではないでしょうか。「営業・マーケティング活動の自動化」の第一歩にまず欠かせないのが「MA(マーケティングオートメーション)ツール」です。

しかし、導入コスト・月々の運用コストのハードルが高く、なかなか導入に踏み切れずにいる人も少なくないはず。そこで今回の記事では、「MAツール」をこれから導入しようと検討している人に向けて、導入コスト・運用コストが比較的安いMAツールを厳選し、それぞれの製品でどんな課題を解決できるかを紹介します。

「MAツール」とは?

「MA(マーケティングオートメーション)ツール」とは、見込み客の獲得や育成などを自動化でき、マーケティングの効率化を実現するものです。

自社のWebサイトを訪れてくれたそれぞれのユーザーのアクションに合わせて、興味がありそうな商品の最新情報メールを送るなど、しばらくアクセスしていない人に合わせたメールを送るといったオンラインでの営業活動ができれば理想的です。

しかし、それらのプロセスをすべて手動で行うのは煩雑で手間も時間も掛かりすぎます。そんな課題を解決してくれるのが、「MAツール」です。

自社のWebサイトのうち、特定のランディングページに訪問してくれたり、資料請求をしてくれたり、問い合わせを送ってきてくれたりなど、自社に対して何らかの具体的なアクションを起こしてくれた「見込み顧客(リード)」に対してオンラインでのさまざまなフォローアップを自動で行い、「熱い見込み顧客(ホットリード)」へと効率的に育成し、最終的に「顧客」となるようにサポートしてくれる、というものです。

「MAツール」を今、導入すべき理由

長期化するコロナ禍で、対面による営業活動の展開が難しくなっており、「業務の自動化」「非対面化」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を課題に抱えている企業も多いでしょう。

また、特に中小企業などでは、マーケティング部門における在籍人数が少なく、「1人マーケター」でマーケ部門を回している企業も少なくないはずです。

「MAツール」を導入し、うまくワークするようになれば「1人のマーケターで何万人規模もの見込み顧客を育成する」「見込み顧客と対面で合う前に、自社のWebサイトを起点に商談の好機を炙り出す」「合わずに売る」といったことを実現させる可能性を秘めています。

マーケティング活動の自動化をすることで、手作業とは比べ物にならないレベルの業務効率化を図ることもできます。

しかし、「MAツールはそもそも高い」というイメージや理由から、導入のネックになっている会社も多いのではないでしょうか。

そこで次項からは、「比較的安価に利用できるMAツール」に焦点を絞って、各製品ごとの特色を紹介していきます。

比較的安価に導入・運用できるMAツール6選

1.完全無料のフリープランあり「Bow Now(バウナウ)」

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出典:Bow Now

・無料プラン/月5,000円プラン/月20,000円プラン/月30,000円プラン
・BtoB向け

「Bow Now(バウナウ)」は、完全無料の「フリープラン」から使い始めることができます。MAツール導入初心者でも使いやすい、シンプルさにこだわった設計が特色。営業部門にも、マーケティング部門にもフィットします。

自社Webサイトにアクセスしてくれたユーザーを自動的にステータスごとに分類。アプローチするべき「今、ホットなリスト」を視覚的に表示させてくれる、というのが基本機能です。営業・マーケティング活動において最も優先させるべき「リストへのアプローチ業務」をサポートし、効率的な商談創出を可能にします。

「MAツールをまず使ってみたい」「低コストで始めたい」「効果を持って上司を説得したい」「最低限のできることからやってみたい」という方にオススメの製品です。まずは機能を絞り込んだ「フリープラン」から使い始めて、必要な機能を必要なだけ課金していく料金体系。最低限のコストでマーケティング活動を開始できます。

参考:Bow Now

2.上場企業シェア国内No.1、月額3万円台から利用できる「List Finder(リストファインダー)」

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出典:List Finder

・初期費用:10万円
・月額費用:39,800円〜
・BtoB向け

上場企業シェアNo.1の国産MAツールであり、月額3万円台〜と、始めやすい価格設定の製品です。

・見込み顧客情報を集約・整理する仕組み
・見込み顧客へ情報発信し、購買意欲を高める仕組み
・購買意欲が高い見込み顧客を発見し、アプローチを継続する仕組み

上記のような機能を一通り揃えており、MAツール導入で営業・マーケ活動を自動化・効率化したいと考えている会社に向けて、安心して導入できる機能が備わっていると言えます。

最も重要な導入初期は、専任のコンサルタントが伴走。その後も活用勉強会や個別相談会など、成果につながる具体的なサポートが無料で受けられます。

参考:List Finder

3.無料プランあり「HubSpot Marketing Hub」

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出典:HubSpot

・無料プランあり
・有料プラン:月額6000円〜
・BtoB/BtoC向け

新規リードの獲得や、新規リードへのEメール送信、成果の測定を無料で始めることができます。無料プランでは、「ランディングページの作成」「問い合わせフォームの設置」「ウェブチャットの設置」「メール配信」「レポートダッシュボード」などを利用できます。

自社サイトへ訪問者を惹きつけ、訪問客の行動を追跡。パーソナライズ化されたフォローアップにより、顧客へと育てるための機能を搭載しています。

保有リード数が多い場合や、「チャットボットの設置」など見込み顧客を惹きつけるためのより高度な機能を利用したい場合には、月額6,000円〜の有料プランを利用すると良いでしょう。

サポート体制は、電話やメール、トレーニング資料、ユーザーコミュニティなどが用意されています。

基本的に海外製ツールであり、日本語にも対応していますが、頻出するカタカナ語や英語表現に抵抗の無い方にオススメのツールだと言えます。

参考:HubSpot

4.最安プランは月額6000円「Kairos3」

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出典:Kairos3

・初期費用10,000円
・月額6,000円(最安プラン)、ほか月額12,000円〜120,000円のプランあり
・最短利用期間 6ヶ月
・BtoB/BtoC向け

初期費用(初月のみ)10,000円、月額6,000円とスモールスタートが可能な「Kairos3」。保有リード数・月間PV数・月間メール送信数によって適用される料金プランが変わってきます。保有リード数が少ない会社であれば、最低限のプランから導入を始めることができます。

・名刺情報や問い合わせフォームを使った顧客情報の集約
・メール配信による、見込み顧客へのアプローチ
セミナー・イベントの開催
・電話・メール・訪問などの商談関連業務の効率化

といった課題解決に対応できます。

少人数体制のマーケ部門であっても、効果的にマーケ・営業施策を強化していきたい会社にオススメです。

「Kairos3」のベンダーである「カイロスマーケティング株式会社」では、定期的にMAツール活用術などのウェビナーも開催。ツール導入後の、プラスアルファのサポート体制も提供されています。

参考:Kairos3

5.データベース+フォーム設置のみなら月額15,000円「Synagy!」

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出典:Synagy!

・初期費用:118,000円
・月額費用:15,000円〜(データベース+フォームのみ)
・BtoB/BtoC

「Synagy!」は「顧客データベース」+「問い合わせフォーム」の設置を基本パッケージとしたCRM基盤です。まずは顧客情報を一元化、見える化して、リードの現状把握・管理だけならこの基本パッケージだけでも対応できます。

顧客基盤を活用してさらに、メールでのアプローチ施策、LINEでのアプローチ施策、広告でのアプローチ施策など、オプション料金を支払うことで機能を拡張できます。

まずは小さく始めて、リードの蓄積状況に合わせて段階的に施策をステップアップさせていきたい企業におすすめです。

参考:Synagy!

6.ECサイト向け カゴ落ち特化型MAツール「CART RECOVERY(カートリカバリー)」

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出典:CART RECOVERY

・初期費用:5万円
・月額費用:39,000円
・ECサイト向け(BtoC向け)

ECサイト向けの、「カゴ落ち特化型MAツール」です。「カゴ落ち」とは、ECサイトなどでユーザーが商品をカートに入れたにもかかわらず、購入に至らずサイトから離脱すること。カゴ落ちユーザーは、他のページで離脱したユーザーよりも購入意欲が高く、いかにしてサイトに呼び戻すかが重要になります。

そこでこのツールを導入することで、「カゴ落ちメール」と「カゴ落ちリマーケティング広告」を打てるようになり、強力なリカバリー(呼び戻し)効果を実現させる、というものです。リアルタイムでカゴ落ち情報を取得し、自動で各ユーザーに合ったメールを配信。

また、ユーザーがカゴ落ちした商品を、バナー広告でパーソナライズ配信。購入(CV)に最も近いカゴ落ちユーザーに絞って配信するため、費用対効果の高い広告運用が可能になります。

自社のリード保有数など、ツール選びの前にまずは現状把握をしておこう

比較的安価なMAツールと言っても、「BtoB向け」「BtoC」向け、あるいは両方に対応できるものがあることが分かります。また、その料金プランは「リード保有数」で変わってくるケースが多いものです。BtoC、例えばECサイトの場合だと、BtoBビジネスに比べてリード保有数が膨大になることも想定されます。

MAツールを価格面から選ぶ場合には、自社のリード保有数のボリュームが一体何件ぐらいなのか、事前に確認しておくようにしましょう。

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