この記事は、2014年10月17日の記事を再編集したものです。

ロングテールというWebマーケティング手法をご存知でしょうか。大手インターネット通販サービスのAmazonもロングテールを用いて今の成功を手にしたことで、その手法が注目されるようになりました。

今回は、Webマーケティングにおける基礎戦略ともいえるロングテールを解説します。

ロングテールとは

ロングテール(the long tail)とは、主にネットにおける販売においての現象で、売れ筋のメイン商品の売上よりも、あまり売れないニッチな商品群の売上合計が上回る現象のことです。

アメリカのWired誌編集長のクリス・アンダーソンが提唱したもので、「売れ筋商品」と「それ以外の商品」を軸に並べたとき、その売上の少ないほうの商品郡(テール)が、低く長く図示され恐竜のしっぽに、売れ筋商品が恐竜の頭に見えることから、ロングテール(長いしっぽ)と称されました。

ロングテールは2割の優良顧客だけを見ていた時代の終焉を意味していた

今まで、実店舗などの販売は、全体の2割ほどを占める売れ筋商品に注力する手法がとられていました。これはパレートの法則(別名 80:20の法則)と呼ばれる、「売上の8割は2割の優良顧客が生み出している」という考え方の元、2割の優良顧客を優遇するマーケティングが取られていました。

これは、人的リソースを全員に満遍なく割こうとすると、その分コミュニケーションコストが比例して上がっていくためです。万人に割いたとしても、売上のほとんど(8割)は2割の優良顧客がもたらすため、それであれば2割に集中しようという考えが元になっています。

参考:
パレートの法則とは〜売上の8割を生み出す2割の重要顧客を見つけよう

ロングテールはコミュニケーションコストが0に近づくことで実現した

しかし、ロングテールは反対で、ほとんど動かないようないわゆる「死に筋商品」がその総合計としては、人気商品の売上に迫る、ということで注目されました。

インターネットでの販売の場合、仕組みを作ってしまえばコミュニケーションコストは限りなく0に近づきます。例えば、Amazonは商品の登録作業などは人の手が入っているでしょうが、売れるまで人がずっと付いている必要はありません。このためコストがほとんど掛からなくなったのです。月に1冊しか売れないような「死に筋商品」でも様々な種類を持っていれば、結果的に人気商品の売上を逆転してしまう。これがロングテールの考え方です。

ロングテールのメリット

ロングテールのメリットには3点挙げられます。
①売り上げが安定すること
一つの商品に依存しているわけではなく、そこそこの人気の多くの商品によって支えられているために売り上げが安定します。
流行やブームといったものに左右されずに必ず売り上げを出し続けられる、ということが強みです。
②コストパフォーマンスがいいこと
導入に際し、在庫の仕入れ以外の初期費用がほとんどかかりません。サイトを作るコストのみで始めることができます。
さらに、ウェブを通して運営を行うために人的コストもほとんどかかりません。
もちろん、サイトの更新は売れ続けるために必要ですが、逆に言えばそのコストのみで長い間安定した売り上げを挙げ続けられます。
長期的に見てコストパフォーマンスがいいこともロングテール戦略の強みです。
③不良在庫という概念がなくなる
全ての商品がウェブ上で商品として提示されており、売り上げをあげる可能性を内包しているために不良在庫という概念はなくなります。

ロングテールの成功事例 Amazon

ロングテール戦略が注目されるきっかけとなったのが、米国大手通販サービスAmazonの成功です。彼らは圧倒的な種類の商品をホームページに掲載しました。そして、それら1つ1つは少数しか売れないものの、その総売上として莫大な売上を生み出したのです。

その秘密は、検索エンジンからのアクセスが圧倒的だったことにあります。

大手検索エンジンGoogleで、「site:ドメイン」と検索しますと、Googleに登録され検索対象となっている(インデックスされている)ページがわかります。

site:ドメイン名
例)site:ferret-plus.com

これが検索エンジンからホームページの入り口ということになります。当然、その入口は多ければ多いほどアクセスを呼び込める可能性が高まります。

これは、売り場面積という制約がほとんどないホームページならではの戦略として、大いに注目され、その後のWebマーケティングに大きな影響を与えました。

ロングテールの成功事例 Netflix

そもそも、ロングテールの提唱者のクリス・アンダーソンにロングテールという名前を使うように薦めたのはNetflixの創業者のリード・ヘイスティングスだったそう。

Netflixの強みは、そもそも在庫がないということ。
データを取り扱っているので商品を収納しておく倉庫がそもそも必要でなく、場所的な制約は一切ありません。

そのため、Netflixはマイナーな映画やテレビ番組まで取り扱うことができ、それによって集客力を高めました。

Netflixの仕組みでは、ランキングが5万位の商品でも売り上げをあげることが可能なのだそうです。