第1部:オウンドメディアの作り方とは

A___0053.jpg
第1部では、ferret編集長の飯高が「オウンドメディアの作り方」について、約1時間の講演を行いました。

なぜ今「コンテンツマーケティング」がブームなのか

飯高:
なぜ今「コンテンツマーケティング」がブームなのか。
それは、潜在層に向けたアプローチにマーケティングがシフトしてきているからです。

リスティング広告などの顕在層に向けたアプローチは今飽和状態にあります。
その次の段階であるアドネットワークやリマーケティング広告も同じように飽和状態になってきています。
また、少子高齢化により売上が伸びてこないという問題も起きています。

そのため、例えば30代の女性をターゲットとしたオウンドメディアでも、20代のうちからメディアに接触させ、30代になったときにそこからのコンバージョンを狙う、というように「潜在的なユーザーを育てる」ことがポイントとなっています。

顕在層向けのアプローチは今後も獲得効率が良いことは間違いないので引き続き行う必要はありますが、これまであまり注目されなかった潜在層向けの施策も必須事項になったということです。

コンテンツマーケティングを実施することで、企業自身がユーザーの成長を促せるようになりました。
Web集客のメインとなるSEOについても、「コンテンツマーケティングをしっかりやることでキーワードも取れるようになる」と飯高氏は語ります。

多くの企業がオウンドメディアを失敗している

飯高:
現在、オウンドメディアを立ち上げ「失敗」しているという企業が多々あります。
なぜ「失敗」してしまうかというと、部分最適をしているからです。

リスティング・SEO・イベント・メルマガ・記事広告・オウンドメディアなど、各チャネルで部分最適はしているものの、横断的なつながりに欠けています。

オウンドメディアは、そこからすぐコンバージョンすることはあまりありません。
記事を読んでいてすぐ購入に至るわけではなく、まず比較検討をすることから始まり、調べた上で購入する、というのが通常の流れです。

「オウンドメディアを立ち上げたのに一向に成果が出ない」と感じている担当者は少なくないのではないでしょうか。
オウンドメディアに対し、リスティング広告のような直接コンバージョンを期待すること自体が間違いで「間接的なコンバージョンへの貢献度」が評価ポイントとなります。
正しい評価ポイントを理解しなければ、ほとんどのオウンドメディアが「失敗」と見なされてしまうでしょう。

オウンドメディアを成功させるための重要な7つのポイント

飯高:
マーケティングやオウンドメディアなどには、ウルトラCはありません。
重要なことを、当たり前にやり続けることが大事です。
特に意識してほしいのが以下の7つです。

・「誰の何をどのように」を明確にする
・目指すべきゴールとフェーズ
・ペルソナ設計
・カスタマージャーニーマップの作成
・コンテンツ設計
・コンテンツのアウトライン作り
・編集レギュレーションの設定

この7つを徹底してやり続けることで、どのタイミングで効果が出たのか、反対になぜ効果がないのかを見つけやすくなったり、ライターによって記事のレベルに大きな差が出てしまうことを防げたりします。

良いコンテンツを作るために意識するべきこと

飯高:
「良いコンテンツ」を作るために最低限意識してほしいことは以下の5つです。

1.訴求ポイントを探る
2.フックを得たら内容を掘り下げる
3.訴求する際には、具体例と根拠をあげる
4.知らない、お得な、新情報の3つを意識する
5.SUCCEs(シンプル、意外、具体的、信頼できる、情熱に訴えかける、ストーリー性)のあるコンテンツに仕上げる(※引用:アイデアのちから

この5つのポイントを意識するだけで、ユーザーにとっていいコンテンツに仕上げやすくなります。

コンテンツを発信する際のしくみ

飯高:
オウンドメディアで情報を発信するだけでは、認知度は高まらず多くの人の呼んでもらうことはできません。
新しいコンテンツを出したときにまず最初に拡散のトリガーとなるのが、社内でのシェアです。

社内の一人一人がSNSでシェアすることで、社外の人の目に触れやすくなります。
そして、社外の人がツイートしてくれたら、公式アカウントでリツイートやいいねをして、公式アカウントの認知度もあげていく、というのが大きな流れになります。
一番最初のエンジンとなるのは、まず社内でのアクションなんです。
そのために、社内の個人アカウントを育てていくことも重要なポイントとなります。

拡散が生まれるのはフォロワーを多数抱える著名人がSNSでシェアするのがきっかけになるというイメージが強いかもしれません。
なので自分自身のアカウントのフォロワー数が少ないと、「自分1人がツイートしたところで何も変わらないだろう」と考える方も少なくないでしょう。

しかし、コンテンツを1人でも多くの人に届けるためには、社内のメンバーによる拡散が不可欠です。
自分のツイートを1人でもシェアしてくれれば、そこからさらにインプレッションを獲得できます。
「たいして効果が無い」とあきらめず、地道にSNS発信を行いましょう。

まとめ

今回の講演では、一貫して「ユーザーと向き合い続けること」が重要だと語られました。
ユーザー目線を考えていても、実際は考えている「つもり」で終わってしまっているケースも少なくありません。
ユーザーが何を考え、どのような課題を持っているのかを、ペルソナやカスタマージャーニーマップの設計を通じて明確にしておく必要があるでしょう。