ロングスクロールのメリット

さまざまなアプリやホームページで採用されているロングスクロールや無限スクロールですが、なぜこれだけ多くのアプリやサイトが採用しているのでしょうか。
ロングスクロールを採用するメリットとは、果たして何なんでしょうか。
ここでは、ロングスクロールを取り入れることによって得られるメリットを確認していきましょう。

1. ナビゲーションがシンプルになる

余計な画面遷移をしないということは、ページ遷移を行うためのナビゲーションメニューがシンプルになったり、場合によっては不要になったりします。
あるページから次のページに遷移するためのボタンがないので、その分ナビゲーション部分がすっきりするのです。

2. コンテンツ全体のダウンロード時間を短くすることができる

ボタンやリンクをクリックしてページ遷移を行う場合、次のページ全体を読み込む必要がありました。
無限スクロールの場合は、コンテンツ部分だけをダウンロードすればいいのと、次のコンテンツを読み込んでいる間もユーザーは今すでに表示されているコンテンツに目を通しておけばいいので、ストレスが軽減されます。

3. 小さなデバイスでも大量の情報を提供することができる

これまで、モバイルスクリーンでは表示できる情報量に限界があると思われていました。
しかし、こうした限界を取っ払って思い切って無限スクロールを採用した結果、パソコンで閲覧するのと同じく大量の情報を提供できるようになりました。

ロングスクロールが殺した2つの遺失物

一方で、ロングスクロールや無限スクロールが流行していくにつれて、だんだんと失われていく2つのデザイントレンドがあります。

1. アバブザフォールドデザイン

ひとつは、*「アバブザフォールド」のデザインです。
「アバブザフォールド」とは、直訳すると
「折り目より上の部分」で、ホームページをスクロールしなくても見えるファーストビューの部分」*を指します。

以前は、ファーストビューこそが大切で、ファーストビューにこそ情報を詰め込むべきだ、という考え方もありました。
第一印象がそのホームページアプリの印象を決めると信じられていたからです。

しかし、ロングスクロールの考え方からすると、ファーストビューで満足してもらっては困ります。
むしろ、スクロールしたい、もっと次を読みたい、と思わせるようなデザインこそ、優等生だとみなされるのです。

参考:
あなたはいくつ知っていますか?2016年に最も話題になったWebデザイントレンド17選

2. ページネーション

そしてもうひとつ、ロングスクロールの普及によって失われたものがあります。
それがページネーションです。

コンテンツを次々に読み込む手段としてロングスクロールが採用されれば、必然的にページをクリックして移動するページネーションは消えていくことになります。
確かに、ページネーションによっていまどのあたりにいるのかが分かり、もっと先々までジャンプすることも可能です。

しかし、ページ数が多くなれば多くなるほどページ遷移数が増え、同時にクリック数も増えてしまいます。

デメリットだけでなくメリットも多いページネーションですが、ロングスクロールの流行によって淘汰されようとしているのです。