ブランディング|Branding

ブランディングとはいささか抽象的な概念ではありますが、アプリのアイデンティティを支える重要な考え方でもあります。
例えばAirbnbやFacebookアプリのように、フォント、色、画像の配置などを通して独自のブランドアイデンティティを確立しているアプリはたくさんあります。
それでは、ガイドラインではブランディングについてどのようなことに触れているのでしょうか。

1. 明瞭ながら控えめなブランディングをしましょう|Incorporate refined, unobtrusive branding.

ユーザーがアプリを使うのは、楽しんだり、情報を探したり、何かを成し遂げたりするためであって、広告を見るためではありません。
素晴らしいUXを実現するために、アプリのデザインを通してブランドを控えめに織り交ぜましょう。
アプリのアイコンで使われている色をUI全体で使うのは、アプリのコンテクストを伝えるための手段の一つです。

控えめにブランドアイデンティティを織り交ぜるというのは、「コンプレクション・リダクション」(CR)の考え方とも一致します。
例えば、画像投稿SNSであるInstagramは、それまで紺色のブランドカラーをヘッダーUIのバックグラウンドに採用していましたが、今はメニューやアイコンは簡素化され、モノトーンに紫・ピンク・黄色のカラフルなグラデーションをアクセントに加えたシンプルなデザインになっています。

参考:
デザインはもっとシンプルに!無駄な要素を削ぎ落としたUIデザイン「コンプレクション・リダクション」とは?

2. ブランディングをイケてるアプリデザインの目的にしてはいけません|Don’t let branding get in the way of great app design.

特に、アプリをまるでiOS標準のアプリであるかのように仕立て上げてください。
直感的で、ナビゲーションしやすく、使いやすく、コンテンツに集中できるようにしてください。
他のプラットフォームでも同じアプリが利用できるのだとしても、一貫したブランディングにこだわりすぎてデザインが華美になるのを避けてください。

ブランディングの名の下に、余計な装飾が施されているアプリはたくさんあります。
他のプラットフォームとは主にAndroidを指すと考えられますが、iOSアプリではiOSのガイドラインに沿ってシンプルにデザインすることが求められます。

3. ブランディングよりもコンテンツに従いましょう|Defer to content over branding.

スクリーン上方にブランドアイテムだけが表示されている固定バーが表示されているということは、コンテンツを閲覧するためのスペースが少なくなるということを意味します。
代わりに、カスタムカラースキームやフォントを使ったり、背景を少しカスタマイズしたりして、ブランディングするためにうっとうしいと思われるようなことを回避する方法を考えてみましょう。

アプリ内でブランドを誇示するのはやめて、コンテンツを重視するよう提言しています。
確かに、ブランドカラーばかりを誇張して使いづらいアプリより、控えめにブランドをアピールしつつも機能的に使いやすいアプリのほうが長く使いたくなりますよね。

4. アプリ内でロゴを表示したいという欲求を抑えましょう|Resist the temptation to display your logo throughout your app.

アプリ内でロゴを表示するのは、必要なとき以外は控えましょう。
これは特にナビゲーションバー内では大切なことです。
タイトルを出したほうが役立つでしょう。

ロゴを押し付けがましく表示することは、前項の「ブランディングよりもコンテンツに従う」ということにも反しますね。
ロゴマークはアプリアイコンで表示すればよく、アプリを立ち上げたあとはできるだけ控えめにするのが望ましいと言えます。

5. Appleの商標ガイドラインに従いましょう|Adhere to Apple’s trademark guideline.

Appleの商標をアプリ名やアプリの画面で使ってはいけません。
詳しくはAppleの商標一覧やApple商標使用ガイドラインをご覧ください。

最後は、Appleの名称やアイコンなどを勝手に使用してはいけないということでした。
他のブランドを侵害しないように、正しくブランディングを行いましょう。