あらゆるモノがインターネットに接続されることを指す「IoT」。
様々な分野で注目を浴びており、ほとんどの方が「IoT」という単語を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

次々と新しいIoT関連の製品が発売されるなか、ニュースやプレスリリース情報に含まれる用語も多岐に渡ります。
スマートファクトリーやビックデータ、AIなど英語やカタカナの単語が並んでいることで、意味がわからないまま読み進めてしまっている方もいるかもしれません。

今回はIoT関連のニュースでキーとなる用語をまとめて解説します。
1つ1つの単語を調べていると手間がかかってしまい、ニュースをチェックするのも億劫になってしまいます。
ぜひこの機会に用語をまとめて覚えて、IoT関連の最新情報を素早く読み解けるようになりましょう。

IoTとは?

IoTとは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、あらゆるモノがインターネットに接続可能になることを指します。

従来、インターネットに接続できる端末はパソコンに限られていました。
ですが、現在ではApple Watchのような時計や、ネットで数値管理ができる万歩計などの様々なモノがネットに繋がっています。

このようなIoTの進展は、個人の生活だけでなく製造業や働き方といった産業の分野にも変化をもたらすとして注目されています。

参考:
2015年の重要キーワード「IoT」とは?オススメ記事5選

IoTにまつわる11のキーワード

IoT関連のニュースには新しい技術や概念が登場するため、単語がわからず混乱してしまう人もいるかもしれません。
カタカナや英語も多く、抵抗感を抱く方もいるでしょう。

そんな方のために、IoTにまつわるキーワード11個をわかりやすく説明します。
どれも基本的な単語なので、この機会に覚えておきましょう。

1.ウェアラブルデバイス

ウェアラブルデバイスとは和訳すると「Wearable(身につけられる)」+「Device(機器)」となり、文字通り身体に装着して利用する機器を指します。
時計型やメガネなど、様々な機器があり、中には衣服として着るものもあります。

こういった従来ネットとは無縁だった道具も、ネットに接続されることで新しい価値を生み出しています。

参考:
ここまで進化していた!最新のIoT事情がわかるウェアラブルデバイス10選

2.ドローン

ドローンとは、人間による操縦がなくても自律的な飛行が可能な機器を指します。
マルチコプターとも呼ばれており、小型のヘリコプターのような見た目をしているものが多いです。

人間自身が操縦するヘリコプターや遠隔操作で動かすラジコンとは異なるので注意してください。
ドローンが稼働することで、人間の介在しない配達が可能となります。天候や位置情報を他の端末から取得することで、自動配達が可能になる日もくるかもしれません。

参考:
ネットショップの未来を変える?AmazonPrimeAirで話題となったドローンの定義や課題点を解説

3.スマートシティ

総務省ではスマートシティについて以下のように説明しています。

都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、生活の利便性や快適性を向上させるとともに、人々が安心・安全に暮らせる街

このようにスマートシティとは、IoT技術をはじめとしたIT技術により、生活の利便性を高めた街を指します。

参考:
平成29年度予算 データ利活用型スマートシティ推進事業に係る提案の公募

4.スマートファクトリー

スマートファクトリーとは、工場内の機械や端末をIoT技術を用いてつなぐことで、機械の稼働状況を把握し、効率的な稼働を実現している工場を指します。

スマートファクトリーの考え方はドイツ第四の産業革命と言われているインダストリー4.0から始まり、日本国内にも広がりつつあります。

参考:
インターネットが産業を変える!ドイツ発の産業革命インダストリー4.0とは
富士電機 スマートファクトリーとは何か?AIやIoT技術導入によるメリットを事例と共に解説

5.コネクテッドカー

コネクテッドカーとは、ネットにつなぐ機能を持った自動車のことです。
ネットに繋がれることで車両の状態や周囲の道路状況などの情報をデータセンターに蓄積・分析することで都市部の渋滞回避などの新たな価値を生み出すことが期待されています。

参考:
平成27年度情報通信白書|総務省

6.AI

AI(Artificial Intelligence)とは日本語では「人工知能」といい、人間が行っている知的作業を再現したソフトウェアやシステムを指します。

あらゆるものがネットに繋がれることで、取得する情報量が増え、AIにも膨大な情報を読み込ませられるようになります。
AIにとっては自分の判断のもととなる情報が増えるので、より精度の高い学習ができるでしょう。学習が進めば、AIの行えることは増えていきます。

そのためIoT端末の中には、AIを利用してデータを分析し、分析をもとにして行動するツールも登場しています。

参考:
人工知能のやさしい説明「What's AI」

7.機械学習

機械学習とは、AIにおける研究課題の1つで、人間の学習能力と同じ機能をコンピューターでも実現しようという手法を指します。
IoTが社会に定着していくことで取得する情報量が増えると、機械学習は飛躍的に進みます。

例えば、どこか旅行先に出かけるとなった時「以前行った時は寒かったから、今の時期はもっと寒いかもしれない。服をもう2枚多く持って行こう」というように人間は数多くの経験や情報から学び、次の行動へとつなげます。

このように経験や情報をもとにモデル化し、新しい環境に当てはめるという行為を人間は自然に行っています。もし機械がこのような自主学習を行えるようになれば、データの分析だけでなく、次の施策の構築までができるようになるでしょう。

参考:
そういうことだったのか!と思わずうなずく「機械学習」超入門

8.VR

VR(Virtual Reality)とは「仮想現実」と訳され、バーチャル空間を感覚的に体験できる技術を指します。

VRと聞くとゴーグルのイメージを持っている方もいるかもしれません。
ゴーグルが用いられるのは、320°の視界や映像に連動した音声を体感することで、よりバーチャル空間に没入している感覚を実現できるからです。
ただし、必ずしもゴーグルが用いられるわけではないことを認識しておきましょう。

VR技術を利用すれば、遠くの端末からの情報をもとにまるでそこにいるかのような感覚を味わうことができます。
例えば、医療用のカメラからネットへ情報を発信し、遠方のVR端末に映像を写し出せば、遠隔医療にも応用できるでしょう。

参考:
今だからこそ知っておきたい!VR・AR・MRの違いは?
“3D遠隔診療”の時代が来た|日経デジタルヘルス

9.AR

AR(Augmented Reality )とは、「拡張現実」と訳され、カメラなどを通して現実世界にバーチャルな物体が登場したように見せる技術を指します。

バーチャルな空間に自身が入り込んだような感覚を体験するVRとは意味合いが異なるので、注意してください。
カメラやセンサーといった端末から情報を取得し、コンピューター内の3Dデータと重ね合せることで、ARはさらにリアリティを増します。

参考:
AR・VR技術でIoTデータと仮想空間を合成

10.GPS

GPSという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
GPSとは「Global Positioning System(全地球的測位システム)」の略称で、衛生からの観測データをもとにした位置情報を知るための仕組みを指します。

地球の周りを回っている衛星から発信される電波を利用して、位置情報は計算されます。
IoT分野においてはモノや人がどこにいるかを把握するための基本的な技術と言えるでしょう。

参考:
GPSとは?※このWebページは2023年6月現在公開されていないためURL削除しました

11.ビッグデータ

ビッグデータは「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」や「典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータ」といった複数の定義が存在します。

定義は語る対象によって異なり、データ量がいくつを超えたらビックデータと言えるのかも定まってません。

ただ共通しているのは、大量のデータであり、複数のセンサーなどから取得した多様なデータあることです。また、TwitterなどのSNSの投稿内容やGPSといったリアルタイムで取得することも特徴でしょう。

IoTはこういったビックデータの取得を可能にします。
例えば、時計型のウェラブルデバイスが身につけている人の健康状態に関わる情報を常にネット上で保管していると想定しましょう。
その場合、デバイスを身につけている人すべての血圧や体温といった情報がリアルタイムで取得されることとなります。
そのような大量の情報はビックデータとして、活用できるでしょう。

参考:
ビッグデータとは何か|平成27年度情報通信白書総務省

まとめ

データ分析技術の発展や、より高度な情報通信が可能になったことにより、IoT市場は全体的に成長しています。

2014年には3500億円規模だった市場も、2017年には9300億円となりました。
2022年には3兆5000億円にも拡大するという見込みもあり、今後も注目すべき分野と言えるでしょう。

市場の成長に合わせ、新しいIoT商品の発売や研究結果の発表を目にする機会も多くなっています。ビジネスパーソンとして最新の情報を得るためにも、IoTへの理解を深めて最新の情報を読み解けるようになりましょう。

参考:
野村総研、2022年度までの国内ICT市場予測を発表