2018年押さえておきたい4つのキーワード

それでは次に、2017年からの流れを受け、今年注目していきたい4つのトレンドを取り上げます。
  

6秒動画広告

モバイルシフトが加速する中、モバイル環境との親和性の高さから注目を集めているのが、6秒動画広告です。

2016年にYouTubeが6秒でスキップ不可の「バンパー広告」をローンチして以来、利用する企業が増えていますが、Facebook等の他メディアも6秒フォーマットを導入する動きを見せています。従来の15秒や30秒とは異なり、6秒という短い尺の中で視聴者の注意を引き、メッセージを訴求することが必要であり、2017年は最適なクリエイティブの模索が続いていましたが、取り組む企業や事例が増えたことで、経験値が蓄積されてきました。

2018年はこのトレンドがさらに加速し、訴求力の高いクリエイティブ、通常広告との効果的な組み合わせ、有効な配信タイミング等のノウハウがたまり、より進化した6秒広告施策が展開されていくことが予想されます。

以下は、Googleからの依頼で、広告代理店等のクリエイターが制作した6秒クリエイティブの一部です。

  

スポンサードコンテンツ/インフルエンサーマーケティング

上述したブランドセーフティという課題のほかに、アドブロックの普及により広告がユーザーに届きにくい環境になっているという状況がある中、広告主の注目を集めているのがスポンサードコンテンツです。オンラインメディア等における広告タイアップコンテンツや、インフルエンサーを起用したコンテンツがこれにあたります。

リーチしたいターゲット層を多く抱える、信頼できるメディアやインフルエンサーとコラボし、良質なスポンサードコンテンツを制作することでファン獲得を目指そうというものです。

アメリカのTubular Labs(チューブラーラボ)社によると、Facebook上で配信されたスポンサード動画コンテンツは、2016年から2017年にかけて258%の伸びを見せたそうです。日本でも、レシピ動画アプリへの企業提供やインフルエンサーを起用した動画企画が増加しており、このトレンドは2018年も続いていくと予想されます。

数年前には「広告企画」「Sponsored」「PR」等、広告コンテンツであることを明記していないケースが散見され、ステルスマーケティングとして業界内で大きな問題となりましたが、業界全体のモラル向上や正しい知識の習得が、スポンサードコンテンツ市場の盛り上がりのカギとなるはずです。

  

  

パーソナライズド動画

パーソナライズド動画とは、視聴者の情報や状況に応じて動画の内容を自動的にカスタマイズし、メール等で配信する新しいマーケティング手法です。

数年前から国内でも複数のサービスが立ち上がっていますが、各種データを活用したOne to Oneマーケティングに注目が集まっている今、パーソナライズド動画を活用する企業のさらなる増加が期待されます。

日本国内ではこれまで、保険会社が顧客に対して各自の契約内容を説明するパーソナライズド動画をメールで配信するケースが事例として多く取り上げられてきましたが、パーソナライズド動画を有効活用できる業界やシーンはそれだけに留まりません。

● パーソナライズド動画の活用シーンの一例

・EC運営会社が、顧客の名前を呼びかけながら、期間限定のキャンペーン情報を伝えるパーソナライズド動画をメルマガ内に配置
・旅行業者が顧客の購入履歴を元に、次の旅行先を提案するパーソナライズド動画をDMとして配信
・BtoB企業が、リードが興味を示している商材について詳しく紹介するパーソナライズド動画をメールで配信
・採用活動において求職者の名前を入れたパーソナライズド動画を生成し、マイページで配信

  
さらに昨年は、パーソナライズド動画をFacebook動画広告として配信する事例も登場しており、2018年はパーソナライズド動画がいよいよ本格的に普及する可能性があります。
  

ライブコマース

ライブ動画配信のトレンドはECの領域にも広がっており、2017年はライブコマース関連の新サービスが続々と登場した1年でした。

● ライブコマースを提供している主なサービス

メルカリチャンネル https://www.mercari.com/jp/mercari-channel/
Live Shop! https://liveshop.jp/
BASE LIVE https://thebase.in/baselive
Laffy https://laffy.live/
Yahoo!ショッピング https://commerceapp.yahoo.co.jp/shoppingappli/

ライブコマースとは、従来のテレビショッピングのオンライン版のようなもので、ECアプリや専用プラットフォーム等においてライブ配信という形で商品を紹介し、そのまま商品購入へと誘導できる新しい販促手法です。

コミュニケーションが一方通行になるテレビショッピングと異なり、ライブコマースでは視聴者がコメントできる等、双方向のコミュニケーションが可能で、よりエンゲージメントを深められるというメリットがあります。さらに、ライブ配信を見て商品を欲しいと思ったら、スマートフォンやPC上でそのまま購入できるため、高いCV率を期待できます。

もともとECと動画は非常に相性が良く、商品ページに動画を掲載するECサイトが近年増えていますが、2018年はライブコマースという新しいスタイルにも注目が集まりそうです。