ブラウザとアプリの違いは?ECにおけるアプリの価値

パソコン用、スマートフォン用のホームページ以外に、自社のECアプリを導入する企業が増えています。SNSアプリによる集客で既存顧客の購買体験をより便利にすることが求められている中、購入までシームレスにつなぐことが重要となるようです。

セール特価のアプリとテレビショッピングと連動したアプリの2つを導入しているディノス・セシールの石川氏は、ECアプリはブラウザと比べてホーム画面からワンタッチで商品を購入できる点が優秀だと話します。

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「僕個人の意見ですが、ただブラウジングするだけのECアプリには価値がないと思っています。セールアプリは在庫をさばくチームがあるので、そこをロイヤリティの高いお客様に対して訴求するツールとして運用しています。テレビショッピングアプリは、テレビを見てブラウザで検索するよりは、ワンタッチで購入してもらう方が良いので作りました。テレビショッピングは、お客様の意欲が高い時に購入してもらった方が良いのでワンタッチで購入できた方がいいんです。」(石川 氏)

アプリはメルマガよりも手軽

また、ECアプリメルマガよりも手軽にユーザーへ情報を届けられるツールとしても価値があります。メルマガの場合、ユーザーへメールを送るためにはホームページにアクセスしてもらい、メールアドレスを入力してもらう必要があります。しかし、アプリはQRコードを提示しておくだけで、ユーザーが手軽にダウンロードできるのです。

実際にECアプリを導入しているニューバランスの牧嶋氏は、アプリダウンロードの手軽さについて以下のように話しています。

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アプリのダウンロードはメルマガと比べて圧倒的に手軽です。メルマガで会員を集めるのは大変ですから。例えば、アプリならイベントでQRコードを表示するだけでダウンロードしてもらえますよね。ユーザーの手間が圧倒的に少ないんです。(ニューバランスでは)最近アプリ経由の売り上げが向上しています。Googleで検索してからECサイトにアクセスするよりも、ワンタップで立ち上げられるアプリはお客様にとって1番身近な入り口になっているのです。」(牧嶋 氏)

さらに牧嶋氏は、アプリにはロイヤリティの高いユーザーが集まりやすいと話します。ユーザーは、ニューバランスのロイヤリティプログラムをアプリでチェックするため、ニューバランスが好きな人がアクティブにアプリを利用するのです。

ECアプリでスマートフォンの接点が増える

ECアプリの導入は、ユーザーがECサイトにアクセスする機会を増やしてくれます。以前はECとユーザーの接点はメルマガが中心でした。しかし、アプリの導入により、プッシュ通知を利用して直接メッセージが送付できるようになりました。メールに依存していた顧客との接点がアプリのプッシュ通知によって増えているのです。

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アプリによってモバイルの中のタッチポイントが増えたと感じています。今まではメールだけに依存していましたが、アプリにはプッシュ通知の機能があります。プッシュ通知を使って、色々なコンテンツを違う切り口でユーザーへ発信できます。」(国分 氏)