夏休みに読みたい!おすすめの1冊【マーケティング・営業編】
夏休みやお盆の期間は、普段なかなかできないインプットに適したタイミングでもあります。
そこでferretでは、夏休み期間中に情報収集をしておきたいマーケター・営業担当者のために「おすすめの一冊」を各分野の専門家に選んでいただきました。
ferretでこれまで実施したインタビュー記事も紹介します。ぜひあわせてご覧ください。
目次
良い「マーケティング戦略」とは何か?を理解する
ストーリーとしての競争戦略
・著者:楠木 建
(東洋経済新報社|2010年5月刊行)
・推薦者:ブランディングテクノロジー株式会社 黒澤 友貴 氏
戦略を考えて組織を動かせている状態とは? 良い戦略と悪い戦略を分けるものは何なのか?戦略を考えることの面白さ、奥深さを教えてくれる書籍です。
マーケターの役割は、持続的利益を生み出すストーリーをつくることだと捉えることができると、仕事が変わると思っています。
では、良い戦略ストーリーとは、どのような構成要素で成り立っているのでしょうか?
本書には、4つの要素を考えることで良い戦略ストーリーを考えることができると書かれています。
❶ 一見非合理な打ち手(クリティカル・コア)を考える・実行する
❷ SP+OCでストーリーの構成要素をつくる
❸ 人間の本性を捉えたコンセプトに集約する
❹ 顧客が支払いたいと考える金額(WTP:Willing to pay)を増やす
※SP:Strategic Positioning:他社と違ったことをすること
※OP:Organizational Capabilitiy:他社と違ったものをもつこと
自分自身も、少しだけ忙しさから離れて「ストーリーとしての競争戦略」を読みながら、根底の良い戦略を考え直す時間にしたいと思っています。
▼あわせて読みたい、黒澤氏へのインタビュー記事
下期の目標達成のために! BtoBリード獲得を増やす戦略と戦術
BtoBのリード獲得数を増やすには、現状を分析した上で、課題に合った施策に取り組むことが重要です。課題の分析方法やリード獲得の打ち手についてブランディングテクノロジー株式会社執行役員CMO黒澤友貴氏に伺いました。
BtoBマーケティングで必要な「幅広い視点」を持つ
世界史を大きく動かした植物
・著者:稲垣 栄洋
(PHP研究所|2018年6月刊行)
・推薦者:株式会社WACUL 垣内 勇威 氏
世界史を「植物」の視点から解説する面白い本です。
自分が信じている視点は絶対ではなく、違う視点から見れば、歴史すら全く変わって見えることがよくわかります。
BtoBマーケティングでは、自分の立場から見れば「正解」だと思っていることが、他部門から見れば「不正解」であることが多々あります。ジャンルは違えど、幅広い視点を持つための思考練習としておすすめの本です。
また、世界史と植物に詳しくなれば、BtoB営業での雑談にも有効活用できます。中長期での営業活動は、人間と人間との信頼関係が不可欠です。そのためには一般教養や、自分自身の主張・考えが求められます。
夏休みくらい、BtoBマーケティングそのものから離れて、視野を広げることに時間を使うとよいのではないでしょうか?
▼あわせて読みたい、垣内氏へのインタビュー記事
BtoBマーケティングの思い込みを一刀両断!本当に必要な戦略とは
BtoBマーケティング施策の成功事例はよく目にするものの、いざ自社で同じように実行してもうまくいかないことは多いのではないでしょうか。自社に本当に必要な戦略とはなにか?株式会社WACUL・代表の垣内 勇威氏に、そのヒントを伺います。
言葉のもつ力を知り、人の本質に触れる
言語の本質
・著者:今井 むつみ・秋田 喜美
(中央公論新社 |2023年5月刊行)
・推薦者:株式会社セレブリックス 今井 晶也 氏
久しぶりに良書と呼べる、ページをめくる楽しさに溢れた書籍と巡り合えました。
この本を夏休みの推薦図書に挙げる理由は3点あります。
❶ 生成AIなど、言葉の在り方を見直すよきタイミングである
❷ 難しいテーマを、凄まじく容易にまとめてありストレスのない読書体験である
❸ コミュニケ―ション職に関わる以上、言葉の可能性を信じ続けてほしい
生成AIが急速に普及するなかで、言語と身体の関係性、記号設置、子どもの言語習得についての学びを得ることは、言葉を超えて人間らしさの本質に触れるよい機会になるかもしれません。
私たち営業、マーケターは詰まるところ「言葉」を使って、人を動かす仕事だと考えます。よって今こそ読みたい一冊として推薦します。
▼あわせて読みたい、今井氏へのインタビュー記事
「リードが商談につながらない」問題を解決する、マーケ×営業コンテンツの作り方
BtoBマーケティングにおいて、マーケティング部門と営業部門の連携は欠かせません。しかし、「マーケと営業の溝」という永遠の課題に悩む担当者も多いのではないでしょうか。この記事では、そうした悩みを解決するヒントを、セールスモデルの研究、開発を行う今井晶也氏に伺いました。
古典から、データ活用への理解を深める
情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記
・著者:堀 栄三
(文藝春秋|1996年5月刊行)
・推薦者:株式会社グロースX 松本 健太郎 氏
ビジネスの現場において、データは売上や利益を伸ばすために使います。一方で、必ずしもそうなっていない現場や、活用が上手くいっていない組織があることを考えると、データ活用とは「言うは易く行うは難し」なのだと実感します。
なぜ教科書の通りに進まないのか。組織の問題か、人の問題か、分析内容の問題か、手法の問題か。その答えを求めるにあたり、1冊の書籍を推薦します。
結局のところ、データ自体が意思を持って有機的に動き出し、勝手に答えを生み出してくれることはありません。データをどう使うか、それは分析者のノウハウ、スキルだけでなく「意思」に大きく依存します。
「データ分析」の理解を深めるなら、機械学習やディープラーニングを学ぶより、こうした古典に目を通した方が良いと考えます。
▼あわせて読みたい、松本氏へのインタビュー記事
データ分析が下手な人は、なにが足りないのか?成功と失敗をわける視点
データはあるものの「どう分析すればいいかわからない」「解決に結びつけられない」というマーケターは多いのではないでしょうか。そうした悩みを解決するべく、データサイエンティストの松本健太郎氏が発売した書籍「データ分析力を育てる教室」からそのヒントを紐解きます。
営業スキルを、コピーライティングに活かす
成約率98%の秘訣
・著者:和田 裕美
(かんき出版|2015年5月刊行)
・推薦者:株式会社グローアップマーケティング 谷本 理恵子 氏
なぜ「コピーライティング」のおすすめ本に「営業」の本を勧めるのか不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、営業のクロージングスキルは、文章で売るセールスコピーライティングにも、そのまま使えます。
中でもこの本は、コピーライティングの世界で「反論処理」と呼ばれている「買わない理由をすべて潰す」部分、営業の世界では「切り返しトーク」と言われているパートだけに特化して、実況中継風に解説している実用的な本。
「お金がない、時間がない、自信がない」などと一度は断られた後でも、ちょっとした一言で状況をガラリと変える方法がたくさん収録されています。しかも、ダメな例とその理由まで書かれているので、どう修正すればいいのかもわかりやすく、今すぐ使える一冊としておすすめです。
▼あわせて読みたい、谷本氏へのインタビュー記事
セールスライターに聞く!AIにはできない、売れるコピーの作り方
売れるセールスコピーを書くには、徹底したヒアリングによる顧客の理解が必須です。セールスライティングの制作の裏側や、生成系AIが活用できる場面について株式会社グローアップマーケティング代表取締役 谷本 理恵子氏に伺いました。
EC顧客を数値で理解し、施策に活かす
売上を倍増させる「顧客勘定」マーケティング
・著者:前田 徹哉
(日経BP|2021年10月刊行)
・推薦者:株式会社ヤプリ 伴 大二郎 氏
ECを担当する上でデータに基づいたマーケティングは必須です。しかしそのデータの見方や使い方が間違っていると、ビジネスとして有効な成果が出せません。
本書は、EC担当者がCPAやCVR、メール開封率に追われるのではなく、ビジネスとして最も重要な「顧客」を数値で理解しPDCAを進めていくノウハウが詰まっています。
本書のタイトルにもある「顧客勘定」とは「商品を何個売って売上を積み上げる」という「商品勘定」の考え方ではなく「どの顧客が何個買って売上を積み上げる」という考え方で、顧客の「獲得」「育成」「維持」を数値で理解し、新規獲得からF2転換率、リピートサイクル、LTVの向上における施策の考え方まで幅広く学べます、
また、分析の手法論もエクセルでできるシンプルなものから統計やAIを活用したものまで幅広く紹介されており、自社の現状レベルに合わせてスタート活用できるのも魅力的です。
▼あわせて読みたい、伴氏へのインタビュー記事
今注目の「リテールメディア」とは?Cookie規制を追い風に進む、小売データ活用
リテールメディアとは、ECサイトやアプリ、店舗など小売が保有するメディアです。リテールメディアの概要や広告主として出稿する際の考え方などについて、株式会社ヤプリの伴大二郎氏に伺いました。
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【特集】あの本の著者にインタビュー
話題の本の著者へインタビュー。悩みを解決するヒントや、新たな視点を提供します
- BtoB
- BtoBとは、Business to Businessの略で、企業間での取引のことをいいます。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- ページ
- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- CVR
- CVRとはコンバージョンレートの略で、ウェブサイトに訪れた人のうち、最終成果に至った人の割合のことです。たとえば、今まで見込み客であったユーザーが購買客に転換するなど、ユーザーがホームページ運営者側にとって歓迎すべき状態に転換する割合を把握し、ビジネスの精度向上に役立てます。
- 開封率
- 開封率とは、ユーザーに対して一斉配信したメルマガを、どの程度の割合のユーザーが開封しているのかを表した指標です。主にメールマーケティングシステムに標準で搭載されている機能で、開封率を知ることで、過去のメールの開封率と比較し、メールのタイトルや配信する時間帯の改善点を見つける事が出来ます。
- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
- タイトル
- ホームページのソースに設定するタイトル(title)とは、ユーザーと検索エンジンにホームページの内容を伝えるためのものです。これを検索エンジンが認識し検索結果ページで表示されたり、ユーザーがお気に入りに保存したときに名称として使われたりするため、非常に重要なものだと考えられています。「タイトルタグ」ともいわれます。
- サイクル
- サイクルとは、スタートしてゴール、そしてまたスタートと、グルグルと循環して機能する状態のことを言います。まわりまわって巡っていく、といった循環機構をさすことが多いです。水の循環サイクルというように、実は繰り返しになってしまう使われ方もすることもしばし。また、自転車に関する事柄として、サイクルスポーツなどという使われ方をされることもあります。
- LTV
- LTVとは、Life Time Value の略で、ある顧客1人または1社が、企業にもたらす価値の総額のことを言います。
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