リニューアルにより配信面とプラットフォームを強化するLINE Ads Platform

続いて、池端氏はLINE Ads Platform(LAP)(LINEのタイムラインやLINE NEWS、LINEマンガなど各種サービスへと広告配信が可能な運用型広告配信プラットフォーム)のリニューアルについても、2018年の動向を振り返りながら今後の展開について言及しました。

2018年にLINEは配信プラットフォームを自社開発の配信プロダクトへと切り替えました。
配信プラットフォームの切り替えとリニューアルの意図について、池端氏は、LINE内にある様々なデータをより価値のあるかたちで保有し活用していくためであると語り、新たな掲載や新規のプロダクトの開発をよりスピーディーに進めていくためのリデザインであると説明しています。

そして自社開発のプラットフォームに切り替えたことにより、2018年11月に「LINE Dynamic Ads」の提供が可能となったことを紹介しました。
「LINE Dynamic Ads」は特定業種を対象とした新メニューのが提供開始され、それぞれのユーザーが興味のある製品をタイムライン上にカルーセル形式で掲載できるようになりました。

「LINE Dynamic Ads」の展開により、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)が大幅に改善したことを明らかにし、全体で見た時にその実績はそれぞれWebサイトのコンバージョンと比較してCTRは730%、CVRは450%という高い数値が出たことを明らかにし、LINE Dynamic Adsを今後も拡大展開していくと発言しました。

ユーザー・小売・メーカーをつなぐLINE Sales Promotion

LINE Sales Promotionは以前より提供されている店頭販促・認知拡大などを目的としたソリューションです。これについて池端氏は、2019年はよりいっそうオフラインへの拡大を進めると発表しました。

2018年はサービスラインナップを拡充し、準備を進めてきたと語った池端氏。
商品トライアル施策の「LINE サンプリング」、その場で抽選に参加できる「LINEインスタントウィン」、いわゆる”集めて応募キャンペーン”をオンライン上で可能にした「LINEマイレージ」、大規模な認知拡大キャンペーン施策が可能なオープン型キャンペーンの第一弾企画として「LINEクリスマス福袋」を実施したことを紹介しました。

LINEの中に店頭販促や認知拡大のためのソリューションをもつことにより、LINEユーザーに体験やコンテンツとして商品に触れてもらう仕組みを2018年は整えてきたと池端氏は語りました。

大規模拡散を特長とする「LINEオープンキャンペーン」の提供を開始、シーズン企画の第一弾として「クリスマス福袋」キャンペーンを実施

2019年にLINEが展開する「データプラットフォーム構想」について

「LINEは多くの新しいプロダクトを提供してまいりました。これまでの単なるメッセージングアプリ・メッセージ機能というイメージから総合マーケティングプラットフォームへと少しずつ変わっていこうとしています。認知から獲得、その先のエンゲージメント構築まで続いていく多種多様な課題やニーズをLINEひとつで解決できる、フルファネルマーケティングプラットフォームを目指しております。これまでに提供してきたプロダクトはどうしても単発に存在しているような状況でしたが、これを我々は1つにつなげようとしています。」

上記のように語った池端氏は、以下のステップに沿ってそれぞれのプロダクトを強化していくと発表しました。

・LINE Ads Platformの強化により広告配信規模を拡大し認知獲得を推進する。
・獲得した認知をLINE Sales Promotionのオフライン体験施策により強化する。
・LINE Accont Connectによりユーザーと企業の1on1の関係を構築する。

そして、新たに提供が開始されている取り組みについて紹介しました。

認知拡大:LINE Ads Platform 配信面の強化

まず、現在は天気予報やニュースなどのコンテンツが表示されているトーク面上部の「スマートチャネル」領域について、今後は広告枠を拡大し、2019年夏頃には7900万人のユーザーに対しスマートチャネル面を活用した広告配信を展開していく予定であると発言しました。

そしてアドネットワーク事業をローンチし、セルフサーブ機能(個人ユーザーであっても広告を運用することができる機能)を展開していくことを明らかにしています。

体験:LINE Sales Promotionのオフラインへの拡大

さらに、2019年に入り「LINEチェックイン」をリリースし、第一弾の企画をローソンにて実施したことを紹介しました。

この企画では、店舗内のLINE Beacon(ビーコン:Bluetoothを利用して位置を特定する技術や端末のこと)の信号をキャッチし、来店したユーザーにLINEインスタントウィンを通じてインセンティブを与えるキャンペーンを実施しました。

当日、イベント会場内にもLINE Beaconが設置され、参加者がLINEチェックインを体感できるイベントスペースが開設されていました。

LINE Sales Promotionのオフラインへの拡大については、「LINEが実現した店頭販促のデジタル化と、次の展開」というセッションにて株式会社ローソンの事例を用いて詳細に語られていました。
後日、記事化いたします。

エンゲージメント構築:LINE公式アカウントのリデザイン

池端氏はLINE公式アカウントのリデザインによりアカウント開設や運用がより容易かつ柔軟に可能になったことに再度言及し、さらに今後は簡単で精緻なターゲティング配信が可能になるという展望を示しています。

メッセージスキームが強化されたことにより、ユーザーの趣味嗜好やニーズに合わせた適切なメッセージやコミュニケーションが配信できるようになるだけでなく、ダッシュボードでデータが見える化されることにより、詳細かつ複合的な分析が可能になることを明らかにしました。

分析をもとにターゲティングやコンテンツの見直しを重ね、PDCAサイクルを回しやすくなる仕組みを提供していくと語りました。

LINE公式アカウントのリデザインにより、企業がユーザーを知るためのデータが集まりやすくなり、さらに個々のユーザーに合わせたコミュニケーションがとれるようになっていくと改めて強調しています。

オンライン / オフライン / 決済データをかけあわせたフルファネルマーケティングを実現するデータプラットフォーム構想

最後に、LINE全体の今後の展望として「データプラットフォーム構想」が発表されました。

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広告などのビジネスソリューションだけでなく、LINE Payなどのファミリーサービスからも取得している様々なデータを集約し、さらに外部サービスから取得可能なデータを連携させて、ユーザーのデータをよりいっそう活用していくための取り組みを行っていくとのことです。

「データプラットフォーム構想」については、当日の最終セッションにてLINE株式会社代表取締役CEO出澤氏によるセッションにてより詳細に言及しています。
後日記事化いたします。