動画広告を運用するといっても、メディアごとに出稿するための料金や単価などが異なります。そこでこの記事では、メディアごとの動画広告単価や料金体系を解説します。「動画広告についての理解を深めて、自社で運営できるようになりたい」と考えているマーケ担当者は参考にしてください。

目次

  1. 動画広告はTVCMに代わる?低単価で最大限のプロモーション効果あり
  2. 動画広告の単価・料金体系
  3. 【メディア別】動画広告の単価と費用相場
  4. 動画広告配信を成功に導く3つのポイント
  5. 動画広告はターゲットを見極め、最適なメディア選びを

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動画広告はTVCMに代わる?低単価でプロモーション効果あり

最近では「テレビはあまり見ないけれど、ネット上の動画は見る」という方も少なくありません。

総務省による令和2年度の調査では、平日のインターネット利用時間がテレビのリアルタイム視聴時間を調査開始以来初めて上回りました。
グラフ_メディアの平均利用時間の推移.png

出典:総務省 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

項目別のインターネット利用時間では、休日は「動画投稿・共有サービスを見るが58分で最長となっています。平日でも動画視聴の時間が長く、「メールを読む・書く」に次いで2位という状況です。

グラフ_ネットの利用項目.png

出典:総務省 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

このようにオンラインの動画視聴時間が長くなってきている中で、テレビCMに代わる広告手法として動画広告が注目を集めています。

一般的に、テレビCMと比べると、オンラインの動画広告単価でプロモーションを行うことが可能です。ただし、オンライン動画広告の効果を高めるためには、費用の相場や運用のポイントを把握しておく必要があります。

動画広告の単価・料金体系

一口に動画広告といっても、YouTubeや各種SNSなど様々なメディアがあります。メディアによって動画広告単価は異なるものの、基本的な料金体系は同様です。

以下では、動画広告の主な料金体系である「CPV」と「CPM」、「CPC」について紹介します。

CPV|再生1回あたりの課金

CPVは「Cost Per View」の略称で、動画広告が1回再生されるごとに課金される方式です。
CPVには、さらに入札型と予約型の2種類があります。

入札型とは、動画の再生回数に対して支払う広告費をオークション形式で決める仕組みです。同じ配信枠をターゲットにしている広告の中で、入札額が最も高いものが表示され、再生回数に応じた料金が発生します。入札型のCPVでは単価の上限が決まっていないため、入札価格の調整などの運用をこまめに行う必要があります。

一方、予約型は再生回数に応じて一定の料金を払う方法です。単価が予め決まっているため細かな運用が不要で、動画広告が初めての方に向いています。

予約型の課金単価は1再生あたり3円〜20円程度ですただし、何秒視聴された時点で1回再生された扱いになるかは、メディアによって異なります。

CPM|表示回数1,000回で課金

CPMとは「Cost Per Mille」の略語で、動画広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。動画広告が再生された回数ではなく、表示された回数に応じて広告費が発生します。

CPMの単価はメディアや動画広告のジャンルによって様々です。競合広告主の多いジャンルでは、CPMの単価が300円〜700円以上となる場合もあります。

CPC|1クリックあたりの単価

CPCとは「Cost Per Click」の略語で、動画広告に設定されたリンクがクリックされるごとに課金される方式です。動画広告の再生回数ではなく、クリック数に応じて広告費が発生します。

商品販売や資料請求などを目的として、リンクページへ誘導したい場合はCPCの動画広告が適しています。

CPCで1クリックあたりにかかる広告費は、競合広告主とのオークションで決まる仕組みです。

【メディア別】動画広告の単価と費用相場

動画広告を出稿できるメディアごとに単価や出稿料金の目安が異なります。以下では、メディア別の動画広告単価と出稿料金の目安をご紹介します。

利用者の多いメディアをまとめたので、動画広告を運用する際の参考にしてください。

メディア 動画広告単価の目安
YouTube ・インストリーム広告:3円~20円
・TrueViewディスカバリー広告:3円~20円
・アウトストリーム広告:0.1円~0.5円
・バンパー広告:0.3円~0.6円
Facebook  ・CPV:100円~150円
・CPM:0.5円~2円(1回表示あたり)
Instagram  ・CPV:4円~7円
・CPM:0.5円~1円(1回表示あたり)
・CPC:40円~100円
アプリインストール:100円~150円
Twitter ・プロモツイート:40円~80円
・プロモアカウント:40円~100円
・プロモトレンド:400万円~1,000万円以上
TikTok(運用型広告 ・CPV:5円~60円
・CPM:100円~1,000円(1,000回表示あたり)
・CPC:30円~100円
Yahoo!ディスプレイ広告 ・CPM:1,000円以上(1,000回表示あたり)
・CPC:数円~数十円

YouTube(ユーチューブ)

世界中で10億人以上が利用している、世界最大の動画共有サービスのYouTubeでは、以下のような動画広告のスタイルがあります。

● インストリーム広告

動画の視聴前後や途中で表示される(CPVまたはCPM)

● TrueViewディスカバリー広告

検索結果や関連動画に表示される広告(CPC)

● アウトストリーム広告

YouTube以外のサイトで配信されるモバイル専用の広告(CPV

● バンパー広告

再生時間が6秒以下でスキップできない広告(CPM)

自社商品やサービスと照らし合わせ、動画広告のパフォーマンスを最大限に発揮できる広告スタイルを選ぶことが可能です。

YouTubeの料金体系にはCPV課金とCPM課金があります。単価の目安は3円〜20円です。掲載期間も自分で決めることができるため、予算に応じて動画広告の配信方法を設定しましょう。

Facebook(フェイスブック)

大手ソーシャルメディアであるFacebookでも動画広告を出稿できます。
Facebookでは動画広告を能動的に視聴するユーザーが多く、ブランドの認知や商品やサービスのコンバージョンに繋がりやすいことが特徴です。

動画広告のスタイルはFacebookの記事内に埋め込まれるニュースフィード広告や、スマホアプリ専用の動画広告など複数の種類があります。

Facebookの料金体系はCPV課金またはCPM課金の2種類です。

広告費100円から始められるという手軽さから、動画広告の運用が初めての方にも向いています。

Instagram(インスタグラム)

動画や画像など、視覚的なコンテンツが中心のInstagramでも動画広告の出稿が可能です。

インフィード広告やストーリー広告などで、ブランドの認知度を高めたり、商品やサービスの利用を促したりできます。

Instagramの料金体系は以下の4種類です。

・CPV課金
・CPM課金
・CPC課金
・アプリインストール課金

アプリインストール課金では、動画広告を通じてアプリがインストールされた回数に応じて広告費がかかります。

Instagramでは、Facebookと同様に広告費100円から動画広告の出稿が可能です。広告の掲載時は1日あたりの予算や掲載期間も指定できます。

Twitter(ツイッター)

Twitterでは、タイムライン上で自動的に再生される動画広告を出稿することが可能です。

ユーザーのツイート履歴をもとにターゲット層を選定できるため、コンバージョン率を高めやすくなっています。

料金体系はCPV課金で、再生数のカウントは以下の3つから選択します。

・動画の50%以上が画面に表示されて2秒以上経過
・動画全体が100%表示されて3秒以上経過
・動画の50%以上が画面に表示された状態で6秒以上経過

(いずれの場合もユーザーが動画の拡大表示orミュート解除のクリック操作を行なった場合もカウント)

掲載期間や広告出稿にかける料金が自由なので、予算に合わせて動画広告を設定できます。

TikTok(ティックトック)

TikTokで配信できる広告は以下の4種類です。

● 起動画面広告

起動画面広告アプリ起動時に表示され多数のリーチが狙えるものの、1日1枠のみで費用も500万円程度と高く設定されています。

● インフィード広告

TikTokのおすすめ投稿に配信できる広告です。1日単位の契約で、広告費用はプランによって異なります。最も安いBrand Premiumプランでは42万円から、最も高いTopViewプランでは625万円からの広告費用が必要です。

● ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグチャレンジとは、企業が作成した公式動画をもとに、ユーザーが真似をした動画をハッシュタグ付きで投稿することを促す広告です。契約期間は2か月で、プランによって料金が異なります。最も安いスタンダードチャレンジでも1,500万円の広告費用が必要です。

● 運用型広告

他の3種類と異なり、運用型広告は比較的*安い広告費で出稿できます。*また、ターゲット設定も柔軟に行うことが可能です。

運用型広告の課金方式はCPV、CPM、CPCの3種類から選べます。動画広告を出す目的に応じて、適切な課金方式を選択しましょう。

Yahoo!ディスプレイ広告

Yahoo!ディスプレイ広告では、Yahoo!のニュースフィードに動画広告が表示されます。

YouTubeなどの場合は視聴したい動画の前に広告が流れますが、Yahoo!ディスプレイ広告ではWebサイトで情報収集している最中のユーザーに対して、マッチした内容の動画広告を表示できます。

料金体系はCPCまたはCPMの2種類です。

● CPC

1クリックあたり数円~数十円広告費がかかります。

● CPM

入札価格の下限は動画再生1,000回に対して1,000円です。
10秒以上再生されなければ、課金は発生しないため、動画をしっかり視聴しているユーザーのみを対象にできることがCPMのメリットとなっています。

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動画広告配信を成功に導く3つのポイント

動画広告で認知度向上やコンバージョン獲得などの成果を得るためには、次の3つのポイントに注意が必要です。

メディアごとの特徴を捉える

動画広告を配信するメディアによって、ユーザー層や動画の仕様などが異なります。

例えば、SNSをビジネス目的で利用しているユーザーにアプローチしたい場合は、Facebookの動画広告がおすすめです。年齢層が低いユーザーをターゲットにする場合は、InstagramやTikTokの方が適しています。

メディアごとの特徴を捉えた上で、自社の目的に合う動画広告を出稿しましょう。

動画広告を運用する体制を整える

動画広告を配信するためには、広告に使用する動画の作成や、広告アカウントへの入稿など様々な作業が必要です。これらの作業をスムーズに進めるためには、スキルを持った人材の確保や動画制作ソフトの導入などが求められます。

動画作成や広告運用のノウハウを持つスタッフが社内に居ない場合は、外注業者への依頼なども検討し、動画広告の運用体制を整えましょう。

作って終わりではなく、配信後は分析を行う

動画広告の運用を成功させるためには、配信後に得られた成果を分析することが重要です。動画の表示回数や再生回数、リンクのクリック率などを分析し、改善点を見つけましょう。

分析した内容をもとに動画の内容やターゲティング設定などを見直すと、さらに高い成果に繋がる可能性があります。

動画広告はターゲットを見極め、最適なメディア選びを

動画広告には様々な種類があり、広告単価やリーチできるユーザー層などは様々です。自社のターゲットに合わせて最適なメディアを選ぶことで、動画広告の費用対効果を高められます。

まずは少額から動画広告を出稿し、得られた成果を分析しながら運用規模を拡大していきましょう。

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YouTubeの動画広告はまだまだ参入が少ないものの、すでにプロモーション効果のある動画を配信している企業は大きな利益を得ています。また、YouTube動画を活用した広告を配信を検討する企業も増えていますが、まだまだわからないことだらけでしょう。そこで、YouTubeの動画広告を配信する仕組みや料金、広告にかかる費用目安をご紹介します。記事の最後には、成果を上げるために押さえておく3つのポイントをご紹介します。「YouTubeを活用して自社商品やサービスをたくさんの人に認知してもらいたい」と考えている企業やウェブ担当者は、参考にしてください。

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2019年5月21日、マーケティングの統計情報などを公開しているサイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」は、2019年4月度の「動画&動画広告 月次定点調査」をリリースしました。 この調査から、動画コンテンツの年代別利用状況をまとめました。 調査は、株式会社ジャストシステムによる、セルフ型ネットリサーチサービス「Fastask」のアンケートにて実施されたものです。