こんにちは、株式会社ヘノブファクトリーの谷脇しのぶです。

自社サイトの運営を任されているWeb担当者や、広報の一環として自社のサイトを任されている担当者は、日々そのサイトの目的に応じて、さまざまな対策を講じていることでしょう。

もしかすると、上司や営業などの他部署からの依頼で毎日のようにコンテンツを書いたり、バナーを作ったりする作業がだんだんとルーティン化している方も多いのではないでしょうか。

また、そうした作業をすることがWeb担当者の仕事だと思ってしまっている方もいるかもしれません。

「Webで効果を上げる」という言葉をよく耳にしますが、Webで効果を出すということはそもそも、どういうことなのでしょうか。

今回のシリーズでは、Web担当者の役割とサイト運営における手詰まり感をなくすための視点について、そしてこれからすぐに取り入れられる方法を分かりやすく5回に渡ってお伝えしていきます。

そもそもWeb担当者の役割とは?

Webサイト運用を任されている人の役割とは、一体どんなことを指すのでしょうか。

毎日、コンテンツを書くだけ、バナーを作って入れるだけといった作業しか思い浮かばず、とにかく日々同じような作業を繰り返しているなんていうことになっていませんか? 

「上司から言われているから」「社内で決まったことだから」と疑いもなく目の前の作業をこなしている場合、果たして、それだけがWeb担当者の役割といえるのでしょうか?

こうした作業を日々繰り返しているのであれば、Webサイト運営が行き詰まってしまったり、効果が思うように上がらなかったりするのも当然です。

本来のWeb担当者の役割とは、その状況から他にも何ができるのかを考えて、どう動くかを判断する役割ではないでしょうか。

そうした目線で考えてみると、現状のサイトを改善するためのさまざまな施策が浮かんでくるはずです。

施策というとマーケターのする仕事というイメージがある人も多いかもしれません。しかし社内のWeb担当者として任されている人の場合、マーケティング視点を意識することで、Webサイトの効果を上げられる可能性が非常に高くなります。

では、ここからはマーケティング視点で施策を出す流れについて具体的にお伝えしていきます。

作業をする前に考えたいこと

Webサイト運営をする際、今の自分たちが行っている作業が結果的にどんなことに繋がっているのかを考えてみましょう。

その際に必ず行いたいことは、自社のビジネスフローの見つめ直しです。

自社のビジネスフローを理解して、そのなかのWebサイトでの役割や求めている効果がどういったものなのかを考えることで、今後のサイト運営でやるべきこと・考えていくべきことが自ずと見えてきます。

そうすると、誰かに指示を出される前に自主的にこうすればいいのでは、こうしてみようといった施策案が思い付くはずです。

これが、Webマーケティングの第一歩です。

例えば、今まではきちんとした理由がわからないまま、とにかくPV(ベージビュー)数を上げるために作業していたという人は、そもそもの自社のビジネスフローがどうなっているのかを知ることによって、なぜPV数を意識しなければいけないのかが明確になるはずです。

もしくは、実はPV数よりも、お問い合わせ数を増やすために自社サイトを設けたということが判明する場合もあるかもしれません。

そもそもの背景や自社全体のビジネスフローを理解することで、サイトを運用するにあたりWeb担当者は何をすればビジネスの成果を上げるところに繋げられるのかという視点で見ることができます。

今、サイト運用で手詰まり感があり困っている人は、これからは、今まで行っていた作業に取り掛かる前に、一旦、自社のビジネスフローの見つめ直しや、現在のWebサイトのあり方を客観的に見直すことが大切です。

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自分で作ったものが効果的なものかどうかを調べてみよう

これまでに述べた方法でサイトを見ていき、まずは思い付く限りの施策を挙げていきましょう。
今までルーティン化していた作業と比較すると、具体的で目的が見えた施策になっているはずです。

こうした考え方で次の作業を考えていくと、「作業」で終わることがなくなります。

つまり、自分が作ったものがどれくらい効果的だったかを調べることがマーケティング業務の一環として新たに業務として加わるのです。

*《自社のビジネスフローを理解する→成果につながる施策案を出す→実施→その効果がどうだったか検証する》*という流れが生まれたことがイメージできるのではないでしょうか。

さて、自分で作ったコンテンツバナーなどが効果的なものかどうかを調べるにはどのような方法があるでしょうか。

もっとも手早く的確なのが、「Google アナリティクス」を用いた方法です。

Google アナリティクス」は高性能なアクセス解析機能を持ちながら無料で利用でき、多くのWebサイトで幅広く採用されています。

Google アカウントを取得して、トラッキングコードを設置するだけで、すぐに活用することができるため、まだという人はぜひ設定してみてください。

そして、KPIと呼ばれる目標値に対する状況を示す数値についても知っておく必要があります。

注目すべきKPIの項目は以下です。

  • 直帰率 (低いほどサイトに興味を持っている)
  • トップページ直帰率 (ファーストインプレッションでギャップがないか)
  • PV数 (全体のページが何ページくらい見られているか)
  • 一人当たりのPV数 (一人が平均何ページくらい見ているか)
  • UU数 (何人がサイトに訪問しているか〈個別〉)
  • セッション数 (何人が訪問しているか〈累計〉)
  • 平均セッション時間 (どれだけの時間サイトを見ていたか)
  • 新規セッション率 (新たなユーザーが訪問した率)
  • CV数 (問い合わせや購入などサイトの目的が達成された件数)
  • CVR (訪問者の人数における成果が出た割合)
  • 単価 (平均でいくら使っているか)
  • eコマース (サイト経由でどの商品で売り上げが獲得できたか)

挙げるとたくさん出て来ますが、基本は上記の12のKPIの数値をチェックしていきます。

施策を取り入れて2週間ほど経過したタイミングで、これらの数値をチェックすることで、入れた施策が良かったのか、効果が出ていなかったのかが分かるようになります。

効果が出ているかどうかを振り返ることができると、次は問題のある箇所をどうすれば良いのか、さらなる改善のための施策提案へと繋げることができるようになります。

Web担当者の行き詰まりを打破して、深い視点で施策を考えられるようになろう

自社のWeb担当者がサイト運用で行き詰まりを感じていたり、惰性で作業をしていたりする場合は、“目の前の作業をこなすことだけ”が仕事になってしまっていることが多くあります。

今一度、自社のビジネスフローを理解し、サイトでどんな成果が出ると良いのかを見直し、その成果に繋げるための施策を出すという本来のWeb担当者としての役割に気付くことで、今までには思い浮かばなかった施策案や発想がたくさん出てくるはずです。

まずは、それらの施策をサイトに取り入れ、その効果を見ていくという一連の流れを作っていきましょう。

次回は、サイト運用に必須な視点をより深く紹介し、検証や施策の優先順位の組み立てについて具体的にお伝えしていきます。お楽しみに!

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