広告は自社のサービスを認知してもらうための有効な手段として、長い間利用されています。さまざまなメディアを利用することで、幅広い客層にリーチできることも広告の利点といえるでしょう。企業向けに事業をおこなうBtoBビジネスにおいても、広告の存在は大きいものです。

企業向けともなると、高単価なだけに認知が拡大することに加えて、興味を持ってもらうこと。成約までの一押しをするために、訴求力の高い広告を打つ必要性も出てきます。しかし多くの広告手法から最適な1つを選ぶのは難しいでしょう。

そのため本記事ではBtoBビジネスにおける広告について解説していきます。大まかな予算や各広告の特徴やメリットについても見ていくので、参考にしてみてください。

BtoB広告で意識するべきこと

広告について1つ1つ見ていく前に、広告を選択する際に意識すべき点をいくつか紹介していきます。どのような点を意識することで自社に合った広告を打つことができるのか。どのような考え方で広告で向き合えばいいのかを紹介します。

どの客層にリーチするのか

まず広告で重要なのは、どの客層にアプローチするのかです。広告の内容がすぐに成約することを訴求するものなのに、実際に広告を見る層がサービスについてまったく知らない状態では、結果に結びつく可能性が低くなります。

そこで顧客層を顕在層・準顕在層・潜在層の3つに分けて考えましょう。課題が明確化されて具体的に解決策をイメージしている顕在層。課題はわかるが解決策がわからない準顕在層。課題が漠然としていて、解決策もわかっていない潜在層。それぞれに合わせた広告を打ち出すことで、より的確な対策を撮ることが可能になります。

予算に合わせて選択

当然ですが、広告出稿には費用がかかります。規模が大きくなれば多くの人にリーチできますが、それだけ費用も大きくなってくるのが現実。多くの人にリーチしても、客層が適していなければ無駄な出費に終わることもあります。

まずは予算をもとに無理のない範囲から広告を打ち出していきましょう。

どの広告方式を利用するのか

予算が決まったら、次はどの方式で広告を打ち出していくのかを決めていきます。どの方式を採用していくかで、異なる客層にアプローチが可能です。的確に狙っている層に広告が見られれば、効率的な広告運用ができます。

例えば、自社の業績を上げるための方法がわからない層に向けて、サービスを利用することで解決できることが訴求できれば、より成約に結びつきやすくなるでしょう。具体的にターゲットを意識し、その層にリーチできる広告方式を選択してください。

参考:BtoBの広告 出稿する際のポイントは?ターゲット設定や媒体の選び方を解説

リスティング広告

インターネット広告で主流ともいえるリスティング広告から紹介していきます。検索エンジンを活用した広告なので、ニーズに沿った広告が打てれば大きな効果が得られるでしょう。ではさっそく見ていきましょう。

キーワードでターゲットを絞る

リスティング広告とは、検索結果の上位に表示される広告です。優先的に表示されるので、検索ニーズをリサーチして出稿することで、意図した客層に届けることができる広告になっています。検索ニーズをベースにして広告が打てるので、先ほど紹介した3つの客層のいずれにもリーチが可能です。

幅広い用途が考えられるので、問い合わせや資料請求から成約まで対応しています。BtoB広告CTRは平均が3%といわれているので、理想はそれ以上の5%ほどといえるでしょう。それ以上のCTRを獲得しているケースもあるので、キーワードとタイトルなどさまざまな要素でクリックを促す必要があります。

クリック数に応じて費用が変動

リスティング広告はキーワードベースで表示が可能となっていますが、クリック数で広告費が決定します。1つの問い合わせに対して15,000円を目安とする場合が多く、目的と予算感に応じて調整しましょう。

参考:BtoB向けマーケティングの王道、リスティング広告の事例とCPA目安

競合が多いと広告費は大きな金額となるため、キーワードによっても必要な予算は変わっていきます。また成約率を示すCVRは問い合わせ獲得やホワイトペーパーダウンロードなど成果地点によって大きく変わります。指名ワードの場合は、ニーズが明確になっているので、的確なアプローチを目指してください。

参考:CVRの計算方法を理解して正しい目標設定を!CVRの基礎も解説!

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告リスティング広告と違って、Webサイト内に表示される広告です。Googleアドセンスにて表示される広告がわかりやすいでしょう。画像なども利用できるので、よりイメージが伝わりやすい広告となっています。

メディア内の広告欄から訴求

ディスプレイ広告は画像や動画を利用できることから、潜在層に向けてのアプローチを得意としている広告です。テキストよりも直感的にイメージしやすいという点がメリットとして挙げられます。

またリターゲティングなどの機能を活用すれば、1度広告が表示されて成約に至らなかった場合でも、ユーザーに再度広告を表示可能です。より認知を拡大するという目的に合った広告と言えます。

参考:【新規施策の広げ方・考え方】ディスプレイ広告・ソーシャル広告で見込み顧客を集客

掲載媒体とクリック率で費用が変わる

ディスプレイ広告に関してもクリック回数で広告費が決定し、予算に応じて表示が可能です。クリック単価リスティング広告よりも低いため、予算が少ない場合でも使いやすいでしょう。ただ顕在層にアプローチするのが難しい傾向にあるので、成約に結び付けたいのであれば、他の広告も検討してみてください。

 広告パフォーマンスは、掲載面によって大きく変わりますが概ねCTR0.01%~0.5%になります。出稿する媒体の平均CTRを確認した上で、それ以上のパフォーマンスになるようPDCAを回していきましょう。

マス広告

マス広告は、テレビやラジオなどを利用した広告のことです。昔から利用している人が多いだけに、より幅広い層に届けることができるのがメリットとなります。BtoB広告における利用の仕方についてみていきましょう。

テレビなどを利用し多人数にリーチ

テレビや新聞を利用することで、より幅広い層に一気にリーチできます。インターネットが普及したとはいっても、検索の習慣がついていないユーザーにアプローチする際にも有効になるでしょう。また潜在層にもアプローチできるので、使い方次第では有意義なものになります。

より多くの人の目に触れることになりますが、戦略を見誤ると大きな費用がすべて消えてしまうという結果にも。的確にターゲットを絞り、効果的な広告を打ちましょう。

掲載メディアによって費用が変化

マス広告は、掲載するメディアによって広告費が変わっていきます。テレビだと15秒のCMを流すとして1枠40万円など、インターネット広告に比べても潤沢な予算が必要となるでしょう。

より潜在層へのアプローチを進める手法として有効ですので、予算との兼ね合いを考えつつ取り入れていきましょう。

参考:広告の種類と費用まとめ 4マス広告(TV/ラジオ/新聞/雑誌)

アフィリエイト広告

成果に応じて広告費が発生するアフィリエイト広告は、費用対効果に優れた手法です。他の広告と違って広告ASPを経由して経由してもらう形式です。影響力のあるメディアに取り上げてもらうなど、より認知を広げるのにも役立つので、候補に入れておきましょう。

さまざまなメディアを介して成約へ

成果報酬型広告となるので、報酬として支払う分が広告となります。さまざまなサイトで紹介されるため、通常リーチできない層からのコンバージョンも見込めます。より実力のあるアフィリエイターの協力が得られれば、魅力的なサービス紹介も可能です。

代理店にお願いする

アフィリエイト広告を利用するとして、通常のASPだけではなくBtoB専門のASPも存在します。サービスが目的とするターゲットに適した上位サイトから、紹介するサイトを選定して広告を掲載してもらえるのです。

予算としては、ASPの用意するプランによって変わります。より自社での準備が万全であれば、費用を抑えつつ運用可能です。予算を見つつ選択していきましょう。

参考:クラウドメンバーズ

SNS広告

友人や好きなアーティストなどの情報を受信する場であるSNSは高いエンゲージメントが期待できることから、広告を出稿する場所としては力を持っています。特にシェアする機能が強いことからも、よりユーモアにあふれた広告が打てれば、効率的な訴求が可能です。ぜひ使いこなして成約に結び付けましょう。

利用ユーザーの属性に合わせてリーチ

SNSと一口にいっても、利用者層がそれぞれ異なります。Facebookの利用者とTwitterでは利用者の性質も、抱えている悩みも違うものとなるでしょう。そのため自社のサービスに合わせて、広告の打ち出し方を模索していく必要があります。

Facebookであればビジネスパーソンが利用している率が高いことから、より顕在層や準顕在層に向けた広告を。Twitterでは潜在層に向けて打つなどの戦略が重要です。

参考:SNS広告とは?BtoB企業にとっての5つのメリットとケーススタディ

クリック単価で広告費が決まる

費用としては1クリックあたりに金額が設定されている場合が多いです。クリック単価10~40円ほどが一般的です。目標のCTRCVRに関しても、まずはインターネットにおける平均以上を狙っていくのがよいでしょう。より的確に顧客層に届けられるようになれば、徐々にCVRなどの目標も引き上げていけるでしょう。

参考:SNS広告を出すのにかかる費用は?5大SNSを徹底比較!

予算と目的に合った広告を選択しよう

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広告を打つうえで重要となるのが、どの層にどのような目的で広告を打つのかです。ただサービスの良さを謳ったところで、それがユーザーの悩みを解決するものでなければ意味はありません。まずはターゲットを明確にして、それに合った広告方式を選択してもらえれば幸いです。

また予算の問題も重要です。ターゲットに適した広告方式を選択したといっても、結果が出るまでに掲載費が尽きてしまえば、広告は失敗に終わってしまいます。予算感に応じてディスプレイ広告から始めたり、リスティング広告やSNS広告で少額から始めるなども有効です。

予算が許す限り、複数の方法を利用して模索するのもよいでしょう。規模感に合った広告戦略で、より効率的な運用を目指してください。