企業ブログWebサイトを日々運営していく上で、「アクセス解析」は必ず導入すべきツールです。

アクセス解析とは、サイトの訪問者数や各ページの閲覧数、どんな属性の人がどのようなデバイスからサイトを見に来ているかなどを明らかにするものです。サイトの良いところ、悪いところを数値によって明らかにし、人の身体に例えれば「健康診断」に当たるものだとも言えます。

アクセス解析を入れていない場合、自社サイトの強みや、早急に改善すべき点が客観的に分からず、Web施策において次の打ち手も明確になりません。

そこで本記事では、企業のWeb担当者やマーケ担当者で、自社サイトにアクセス解析を入れるために基本的な知識を身につけたい人に向けて、「アクセス解析って何?」「何のために入れるの?」「何ができるの?」「メリットは?」といったことを解説していきます。

アクセス解析とは?

言わば自社サイトの「健康診断ツール」

アクセス解析とは、Webサイトブログと連携させることで

  • 自分のサイトの訪問者数
  • どのページがよく見られているか
  • どんな検索ワードで自社サイトに来たのか
  • Web上のどんな経路で自社サイトに辿り着いたのか
  • 見ている人の年代、性別、居住地域
  • どんなデバイスから見ているか(PC、スマホ、タブレットなど)

といったことを日々、数値によって明らかにするものです。数値を定期的にチェックすることで、自社サイトの「良いところ、伸ばしていくべき点」「悪いところ、改善すべき点」を明確にできます。

サイトを人の身体に例えて言えば、「アクセス解析=サイトの健康診断」とも言えるでしょう。

私たちは日々、生活する中で定期的に健康診断に行って、外からは見えない自分の身体の中の健康状態を数値でチェックしてもらいます。その結果次第で「良い点」「悪い点」が分かり、食生活や運動習慣の改善指標とします。

同様に、サイトもただWeb上に公開しているだけで放置していては、「良い点」「悪い点」が客観的に分かりません。日々運用して、Web施策に役立てようとするならば、数値によるチェックを定期的に行い、改善のための客観的な指標を獲得する必要があるのです。

コンバージョン(CV)向上につながるもの

Web施策のためにサイトを運用しているならば、「コンバージョン(CV)」という大目的があるはずです。「コンバージョン」とは直訳すると「転化、転換」といった意味です。特にWebマーケティングの世界では、以下を指します。

「コンバージョン(CV)」=ユーザーが単なるサイト閲覧者から、「購買行動」「問い合わせ」「メルマガ登録」「ホワイトペーパーダウンロード」といったアクションに移ること

アクセス解析を導入し、日々の指標を獲得しつつサイトを改善したら、その先には「購買を増やす」「問い合わせ数を増やす」「メルマガ購読者数を増やす」「ホワイトペーパーダウンロード数を増やす」といった大目的に行き着くはずです。

「アクセス解析を導入するそもそもの大目的=コンバージョン(CV)向上」だと理解しましょう。

アクセス解析で何がわかる?

ここからは、アクセス解析を導入することで、具体的にどんな数値を明らかにできるのかを解説していきます。

属性

ユーザーの性別、年代、居住地域などを明らかにできます。

例えば、「20代女性」をターゲットとしているサイトなら、実際にアクセスした人の属性を明らかにすることで、「自社サイトで発信している情報は、ターゲットにきちんと届いているか?」といったことを客観的に判断することができます。

流入元

ユーザーがどんな経路で自社サイトに訪問したかを明らかにできます。例えば「Twitter経由」「Facebook経由」「メルマガ経由」といったことです。

デバイス

ユーザーがどんなデバイスで自社サイトを見ているかを明らかにできます。「PC」「スマホ」「タブレット」といったデバイスの種別です。

スマホから見ているユーザーが多いことが明らかになれば、スマホで見やすいデザインに整えてよりユーザーフレンドリーにするなど、サイト改善のための客観的な判断材料にできます。

最初にランディングしたページ

ユーザーが最初に着地したページを明らかにできます。また、キャンペーンなどのランディングページを用意している場合、ランディングページが狙い通りによく見られているかも明らかにできます。

ユーザーは、必ずしもトップページから入ってくるわけではありません。サイト内で検索に強いページがあれば、まずそこに着地することもありえます。

よく見られているページ

ユーザーによく見られているページも明らかにできます。

閲覧数の多いページが明らかになれば、そのページで発信している情報、構成、デザインなどをヒントに、ユーザーフレンドリーなページをもっと増やしていくなど、サイト全体のコンテンツ改善に役立ちます。

離脱されているページ

ユーザーが自社サイトから離れて、他サイトに移ってしまうページを明らかにできます。

離脱の多いページは「ユーザーフレンドリーではない」「分かりにくい」「ユーザーが求める情報が足りていない」といった検討対象とすべきです。

コンバージョン(CV)

メルマガ申し込み」「購入」「問い合わせ」「資料ダウンロード」など、自社ビジネスの成功にとって重要なユーザーアクション数を追跡することができます。

基本的な頻出用語を知ろう

ここからは、アクセス解析ツールを利用する中で頻出する用語について解説します。

ページビュー(PV)

ページが表示された回数を指し、同じ人が「(ブラウザで)再読み込み」しても再度カウントされます。ユーザーが他のページに移動してから、また戻って来た場合も、新たなページビューとしてカウントされます。

セッション数

サイトを訪問したすべてのユーザーが行った個々の操作数を表します。

例えば「Googleアナリティクス」では、ユーザーがサイトで30分以上操作を行わなかった場合、それ以降の操作は新しいセッションと見なされます。サイトを離れたユーザーが30分以内に同じサイトに戻ってきた場合は、同じセッションとして扱われます。

ユニークユーザー(UU)数

サイトへ訪問した人数から、重複するユーザーを除いた人数を指します。

参照元

サイトへ訪問した流入元のことです。例えば「SNS経由」「他サイト(ドメイン)経由」「検索エンジン経由」といったことを表します。

検索ワード

ユーザーがどんな検索ワードでサイトに訪問したかを表します。

アクセス解析ツールを使ってみよう

Googleアナリティクス

代表的なアクセス解析ツールに「Googleアナリティクス」があり、無料で利用できます。

利用を開始するためには

  1. Googleアカウントを作成する
  2. Googleアナリティクスの利用開始設定をする
  3. Googleアナリティクスでトラッキングコードを取得し、自分のサイトに埋め込んでデータ連携させる

という3ステップがまず必要です。

3のトラッキングコードを埋め込む作業はHTMLを記述する必要があります。しかし、「WordPress」や「ペライチ」のようなCMSツールを利用している場合、専用のプラグインや、簡易設定ツールが用意されている場合もありますので、詳しくはご自身の利用しているCMSツールを確認してみましょう。

image1.png

3ステップを完了させた後は、Googleアナリティクス画面にログインすると上図のようなレポートが表示されるようになります。

左カラムの「集客>概要」をクリックすることで、指定した期間内に自分のサイトにどれだけアクセス数があったか、ユーザーはどこから来ているのか、といった概要が表示されます。

Googleアナリティクス
https://marketingplatform.google.com/about/analytics/

Googleサーチコンソール

Googleアナリティクスの設定が完了していれば、「Googleサーチコンソール」も無料ですぐに使えます。

Googleサーチコンソール
https://search.google.com/search-console

前述した*「Googleアナリティクス」は、主にサイトの訪問者について解析するものです。一方、Googleサーチコンソール」は「検索キーワードの状況、クリック率」「Googleからの警告確認」「モバイルユーザーモビリティ」などを追跡・報告してくれるものvです。

Googleサーチコンソール」は主に、Google検索エンジンと自社サイトの関係性が健全・良好な状態を維持できているかどうかといった、Googleアナリティクスではわからないことを教えてくれるものだと理解しておきましょう。

アクセス解析を導入したら、次の打ち手にどんどん活用しよう

アクセス解析を導入する最大のメリットは、数字という客観的指標を用いて、自社サイトが抱える課題を日々、発見できることにあります。

サイトの課題を発見したら、ユーザー視点に立って仮説を立て、サイトをどんどん改善していくことが可能です。つまり、アクセス解析を根拠に自社サイトの「PDCAサイクル」を回していくことができるようになります。

例えば、自社サイト内でキャンペーンのためにランディングページを設置したとします。

  1. アクセス解析で成果を見る
  2. 流入数」は低くなかったが、「直帰率」が高かった
  3. 「直帰率が高い=ユーザーにすぐ逃げられている」ということは、ユーザーニーズに合致していない可能性がある
  4. ニーズを改めて考察し、サイトの構成・デザインを見直す

上記1〜4で示したように、アクセス解析を起点・根拠として、具体的な「次の打ち手」をどんどん投入していける、ということになるのです。

「使いながら慣れていく」ことも大切

アクセス解析は決して、「設置できたから安心」というところで満足していてはいけません。「アクセス解析をもとにPDCAを回すためのもの」と理解して運用していくことが重要です。

また、「なんだか難しそう」「使いこなせそうにない」と敬遠するより、まずは導入してみて「使いながら慣れていく」「日々、少しずつ理解を深めていく」という視点も大切です。

まだアクセス解析を導入していない方は、ぜひトライして自社サイトの発展に役立てていってください。

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