カナダのバンクーバーにある総合マーケティング会社MY LOUD SPEAKER MARKETINGの野村です。

国内外でコンテンツマーケティングがバズワードになり、デジタルマーケティングのいち戦略として定着しつつあります。
こちらの記事で紹介されている通り、日本では記事をベースとしたコンテンツSEOコンテンツマーケティングのようになっていますが、海外ではもっと大きな枠組でコンテンツマーケティングを活用しています。

本記事では、海外のオンライン/オフライン両方のコンテンツマーケティング事例(マーケティングキャンペーン含む)をご紹介します。
コンテンツマーケティングのアイデアの参考になれば幸いです。

事例紹介に移る前に、海外のコンテンツマーケティングにおける今までの流れを簡単に説明します。
Marketing Landの記事によると以下の4つの流れに集約されます。

コンテンツマーケティングに取り組むなら|ferret One

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オウンドメディア運用~リード活用までBtoBビジネスに必要なWebマーケティング機能がこれ1つに。プログラミング不要!簡単操作のCMSで運用しやすい続けやすい。

海外のコンテンツマーケティング4つの流行り

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http://marketingland.com/4th-wave-content-marketing-marketing-apps-84108

[補足説明]
縦軸: Content Sophistication: コンテンツの洗練度合い
横軸: 時系列
Web Pages: デジタルマーケティングの基礎
Rich Content: ビデオ、インフォグラフィック、レスポンシブ、HTML5
Personalization: 訪問者のデータによって動的に作られるコンテンツ(マーケティングオートメーションツールを活用)
Marketing Apps: ユーザ参加型のコンテンツ
Appは(3)と比べて、より正確な訪問者データを獲得できる
Appは(2)と比べて、訪問者に最適なコンテンツを提供できる(関連性が高く、適切なコンテンツボリュームで)
※グラフの右上に行くに従って、コンテンツのノイズが消えていく

1.テキストベースのコンテンツ(1. Web Pages)

SEO目的でのコンテンツ制作。
Googleロボットに評価されやすいようにテキストフォーマットが主体です。

2. リッチコンテンツ(2. Rich Content)

テキストのみのコンテンツではなくビデオ、インフォグラフィック、E-book、ホワイトペーパーなどビジュアルコンテンツ
テキストよりも直感的に理解しやすく、ソーシャルメディアシェア/拡散を主な目的にしたコンテンツです。

CMIの調査によるInfographics: 67%, Illustaration: 76%と前年の調査から比較すると7%あがっていることから、リッチコンテンツの使用率はいまだ伸び続けています。
日本で言うと漫画コンテンツもここに当たります。

3. パーソナライズされたコンテンツ(3. Personalization)

マーケティングオートメーションツールを使ったパーソナライズされたコンテンツ
購入意欲が高いユーザと購入意欲が低いユーザに見せるコンテンツを分ける、ユーザのリアクションに応じてコンテンツを変えるなど。(E-newsletterはいつも閲覧しているが、それ以外のアクションを起こしていないユーザには、その行動のきっかけになるコンテンツを提供するなど)

4. インタラクティブなコンテンツ/Appを使ったコンテンツ(4. Marketing Apps)

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http://marketingland.com/4th-wave-content-marketing-marketing-apps-84108

[補足説明]
縦軸: ビジネスモデル (オープン/フリーミアム/有料、フォーム入力が必要なコンテンツ)
横軸: ユーザとのつながり度合い(消極的/積極的)

Free: フリーコンテンツ

Website, Blog, Social Mediaは繋がり度が低く、Lookbook(商品、サービスに関連するクリエイティブなビジュアルコンテンツ), Galleries, Calculator(サービス導入による削減できるコスト費用対効果の計算機など), Quiz, Guided Tours

Freemium: 基本フリーで、一部機能が有料なコンテンツ

Interactive White Papers(フォーム入力の際に回答した答えによって、内容が変わるwhite paperから単にQuizを組み込んだユーザ参加型のWhite Paperまで定義は様々), Interactive eBooks, Assessment Tools, Games, Workbooks, Utilities, Configurations

Paid/Gated: 有料またはフォーム入力が必要なコンテンツ

Webinar, eBooks, White Paperはユーザとの繋がり度合いが低く、Contest, Sweepstakes(ランダムに当選者を決まるコンテスト), Native Apps(3rd Party App、safariやchromeのようなwebブラウザではないもの)は繋がりが強い。

ユーザ参加型のコンテンツ
これまでの3つのコンテンツタイプはメディア/企業側が一方的に提供するものでしたが、クイズ、コンテストなどのゲーム、カリキュレーター(会計ソフトを導入するとどれだけ人件費を削減できるかなど)などのツールなどを使ってユーザも参加できるコンテンツです。

これまでのコンテンツタイプと比べ、ユーザにサービス/コンテンツを理解しやすいメリットがあります。
Marketing Landの記事ではAppを使ったマーケティングのみに言及していますが、私はApp以外にもOfflineのイベントもこの中に含まれると考えています。

Web上のコンテンツ量と接触する機会が増えていくごとにOfflineでの体験の重要度が増していくと感じています。

チャネル別、海外のコンテンツマーケティング事例10選

ここからオンラインとオフライン両方の事例をチャネル別にご紹介していきますが、特定のチャネルだけでなく、マルチチャネルによって成功した事例も含まれております。

Mobile App - Online

Moblie Appはウェブコンテンツと違い、エンゲージメントを築きやすいと言えます。
なぜなら、ウェブコンテンツの場合、ユーザは自分が知りたい情報のみ手に入れば離脱してしまう傾向が高く、サイトに定着しづらいというデメリットがあります。

対して、Moblie Appの場合、ダウンロードさえしてもらえればブラウザを介さず接触が図れ、エンゲージメントを築くことで定期的にMoblie Appにアクセスする固定ファンをつかむことができます。

Memriseの事例

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http://www.wired.co.uk/news/archive/2013-11/20/catacademy

Mobile Appの事例として、語学学習サービスのスタートアップMemriseがリリースした猫の写真を使って語学学習ができる有料アプリ「Cat Academy」をご紹介します。

猫の写真を織り交ぜることで楽しみながら語学が学べるとして、テストリリースでは、6週間で8000回のダウンロード、1日目のリテンションレート: 71%、1週間目のリテンションレート: 55%、1ヶ月目のリテンションレート: 30%を達成。

競争の激しい語学学習アプリの中で、結果を出した背景には、アプリターゲットユーザーを語学学習アプリを積極的に”使わない”ユーザーに定め、学ぶのではなく空き時間でも遊び感覚のように気軽に使えるアプリとしての位置付けがあります。

また、猫である理由も可愛さが記憶力/感情に良い影響を与えるという日本の調査データをもとに、設計されています。
リリース後の好調な伸びからもThe Wall Street Journal, Forbes, BBC, Techcrunchなど主要メディアにも取り上げられました。

現在はスペイン語のみですが、随時他の言語でも開発予定となっています。

Cat Academy: http://www.catacademy.com/
Memrise: https://www.memrise.com/
事例ページ: http://techcrunch.com/2013/11/20/catacademy/

E-mail/Newsletter Campaign - Online

E-mailは能動的にこちらからユーザにアプローチできる貴重なマーケティングツールです。
CMIの2015年のBtoBBtoCの調査によると81%のBtoBのマーケター、83%のBtoCマーケターがE-mailマーケティングを使用し、60%のBtoB、67%(1番)のBtoCのマーケターが効果的と応えるポピュラーなツールでもあります。

charity: waterの事例

以下では、ニューヨークにある団体charity: waterのの事例をご紹介します。
年に1度大規模なファンドレイジングのイベントを行い、その集客+ファンドレイジングの目的(金額目標は$1.7 million)を達成するために以下のような工夫をこらしたE-Newsletterのキャンペーンを行いました。

キャンペーンを始める前に定期的にニュースレターを送る許可をとる。そうすることで、繰り返しE-mailを送ることによるユーザ離れを防止(もともとこの組織は繰り返しE-mailを送り続けることでユーザが急に離れることを恐れ、何年も手付けずでした。)

MarketingSherpa.com.png
http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/1.htm

キャンペーン開始と一緒にビデオクリップを送付。ソーシャルメディアでも告知

MarketingSherpa.com2.png
http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/2.htm

週1回のE-Newsletterの送付。
寄付やファンドレイジングよりもビデオ、現地の人のストーリーを紹介、共有することに重点を置く。
イベントへの参加を促進しつつ、どういう人に寄付金が行くかを見える化。ゴールと効果指標は寄付金額ではなくビデオの閲覧数。

MarketingSherpa.com3.png
http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/3.htm

寄付をしてくれた人にファンドレイジングの進捗/ファンドレイジングのアイデア(誕生日の時に寄付を募るなど)/を常に更新。寄付をしてくれたら終わりではなく、その後も常に関わり続けてもらえるように週1回E-Newsletterを送付。

MarketingSherpa.com4.png
http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/5.htm

結果、前年比21%のメール開封率アップ、58%(前年50%)のファンドレイザーが参加し、目標額を$300,000超える$2 millionを達成。

charity: water: https://donate.charitywater.org/
事例ページ: http://www.marketingsherpa.com/article/case-study/charity-water-donations-email-marketing#

余談ですが、日本と海外のマーケティングの大きな違いの一つはNPOのメジャー度合いです。
NPOと一口で言ってもジャンルは様々ですが、こちらではNPO専門のマーケティングエージェンシーがあるくらい競争が盛んな分野です。

Social Media - Online

CMIの調査によると、93%のBtoBのマーケターがコンテンツを広げる手段としてソーシャルメディアを使っており、他のチャネルと比べて使用率はトップとなります。
その中からコンテンツマーケティングにおけるソーシャルメディア活用についてユニークな取組を2つご紹介します。(キャンペーン的な意味合いが強い事例となります。)

Air Asiaの事例

1つの目は、2012年にAir Asiaがオーストラリアのシドニーからクアラルンプールへのフライトをスタートした際に行ったFacebookキャンペーンです。
もし友達だけで機内を占領できるとしたら誰を選ぶか、近い友達を302人選ぶコンテスト形式のキャンペーン

コンテストで優勝したユーザー1名は実際に選んだ302人の友達と一緒にフライトできます。
機能面では、選ばれた友達はタグ付けをされる(キャンペーン時点でFacebook上のタグ付けの上限が50人だったため、結果50人となった)、またコンテストの進捗をリアルタイムで管理/コンテストの勝者を選ぶことができる機能やユーザーからのフィードバックを小まめに対応することで結果、2日で4,000Likes/entries 獲得、Facebookのファン数30%増加、リーチ数2,291,483人を達成しました。

事例ページ: http://www.noblestudios.com/work/air-asia/

Vancouver Island Universityの事例

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http://www.myloudspeaker.ca/project/ilearnhere

2つ目はVancouver Island UniversityのInstagram事例です。
バンクーバーアイランド(自然が豊かな田舎町です)にあるVancouver Island Universityのキャンペーン。Vancouver Island Universityは職業訓練校/カレッジというイメージが強く、それを変えるためにキャンペーンを行ないました。

少ない予算かつ当時Instagramの広告メニューが一切なかった中で、今回のキャンペーンのイメージに近い写真を投稿しているInstagramユーザ数名にアプローチ。#ilearnhereのハッシュタグとともにインスタグラム上で近隣の生徒それぞれのストーリー、学校内、学校近辺の写真をアップしてもらうことで、認知度アップとイメージアップを図りました。

結果、それまでVancouver Island UniversityはInstagramアカウントすらもっていなかったのに関わらず、キャンペーン開始からわずか6週間で600,000インプレッションと1600件の写真アップ(#ilearnhere)、700人の新しいフォロワーを獲得。
毎月400人のユーザがInstagram上で#ilearnhereの写真を投稿してくれました。

このキャンペーンは2014 IABC Gold Quill awardのソーシャル部門とNational 2014 CPRS Award of Excellenceを受賞しました。

Instagram: https://www.instagram.com/viuniversity/?hl=en
#ilearnhere: https://www.instagram.com/explore/tags/ilearnhere/?hl=en
事例ページ: http://www.myloudspeaker.ca/project/ilearnhere

Seminar/Webinar - Online/Offline

セミナーとウェビナーはリードの獲得とエンゲージメントを高めることができるコンテンツマーケティングツールの一つです。
Q&Aセッション内でユーザとコミュニケーションがとれるだけでなく、ユーザの悩み・アプローチ方法が正しいかなどフィードバックを吸い上げることもできます。

セミナーとウェビナーは冒頭でご紹介したインタラクティブなコンテンツに当たると思います。
機能が複雑なもの、具体的なメリットが見えにくいものを説明する手段に適しています。実際に、CMIのB2Bの効果的なコンテンツマーケティングツールに関する調査によると75%がオフラインイベント(オフラインセミナー含む)66%がウェビナー/ウェブキャストが効果的と応えており、最もパーセンテージが高い値となります。

ただし、まだまだ使用率としてはWebinar/Webcast: 66%と11番目で今後伸びしろがある領域でしょう。
ウェビナーの事例として、リードナーチャリングのステップアップの手段として活用した事例があります。
ある中小規模のマーケティングエージェンシーがホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーを実際のミーティングに繋げられないという課題を抱えていました。

解決のためにフォローアップとしてウェビナーを活用したところ、社内で保有しているメールリストの8%にあたる60社のウェビナー参加+外部から獲得したリストから100社、合計160社がウェビナー参加。そこから6社のミーティングにつなげることに成功。

Event/Campaign - Offline

前述の通り、CMIのB2Bの効果的なコンテンツマーケティングツールに関する調査によると75%がオフラインイベントが効果的と応えております。
Eventといっても実際にはSocial Mediaにつなげるなど、Onlineありきで展開されています。

IKEA U.K.の事例

ご存知IKEAの事例です。
IKEA U.K.がIKEAに1晩泊まるというイベント: I Wanna Have A Sleepover In Ikeaを開催。およそ100,000人の中から選ばれた100人がIKEAの倉庫でIKEAの家具とともに1晩を過ごしました。アイマスク、夜のスナック、タオル、スリッパだけではなく、マッサージ、マニキュア、シアターからセレブによる本の読み聞かせまで行われました。

I Wanna Have A Sleepover In Ikeaキャンペーンページ: https://www.facebook.com/I-Wanna-Have-A-Sleepover-In-Ikea-314955428953/
VIDEO: https://www.youtube.com/watch?v=YMJD53fxihU
事例ページ: http://www.psfk.com/2012/01/ikea-sleepover-facebook-fans.html

Daisy Marc Jacobsの事例

Daisy Marc JacobsはNew york Fashion weekに合わせて、New YorkはもちろんLondon, Denmark, Benelux, Norway,SwedenでTweetsShopを開設。
TwitterもしくはInstagramのハッシュタグ#MJDAISYCHAINをつけて、投稿したユーザーにDaisy Marc Jacobsのオリジナル商品をプレゼント。

結果、3日間でTweetShopへの10,000 Visitor、Twitter上で14,600,000リーチ、Instagram上で22,600,000、Instagramの関連の写真への770,000 Likes、他雑誌メディアへの掲載(Vogue,Elle,Forbesなど)

Granata Petの事例

ドイツにある小規模のペットフードGranata Petの認知度アップに成功した事例です。
人と同じように「ペットもただでご飯がもらえると嬉しいはず」という観点から、ペットフードが出てくるビルボードを設置。

ビルボードのある場所からForsqure Appでチェックインするとペットフードが自動で出てくる仕組みです。
結果、ビルボードに訪れた中から数百人がローカルストアでGranate Petの購入。

ちなみに、これは一般的にはAmbient Marketingと呼ばれるマーケティング手法です。

Granata Pet: http://www.granatapet.de/
事例ページ: http://www.hotcow.co.uk/Buzz-Blog/celebrating-creativity-100-granata-pet.htm

Print Magazine - Offline

Web全盛期の中で今更ペーパーマガジンに戻るのは少し不自然な感覚になるかもしれませんが、機能面に目が行きがちなWebに比べて、ペーパーマガジンはクリエイティブ面での自由度が高くコンセプトにあったユニークなものが創れます。

また、ウェブコンテンツを見ているときに比べて、ノイズ(友人からのメッセージ、他アプリの通知など)が少なくユーザがその本のコンテンツのみに集中することができるメリットがあります。

Experience Lifeの事例

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https://experiencelife.com/issues/march-2016-resilience/

Experience LifeはLife Time Fitness社が運営するペーパーマガジン。
Life Time Fitnessはアメリカ・カナダで主に展開されているフィットネス、ファミリーレクリーションの大手です。Experience Lifeは2001年から発刊をスタート。

現在はWeb版もあります。
2012年のレポートによると、有料会員は630,000人、全体の読者数は2,835,000人になります。

このマガジンの面白い点は自社の宣伝のみにペーパーマガジンを使っているのではなく他社に提供する広告枠としても使っている点です。
つまりペーパーマガジン自体が1つのMediaとして独立して機能している点です。

Experience Life: https://experiencelife.com/
Lifetime Fitness: https://www.lifetimefitness.com/en.html

著者おすすめコンテンツマーケティング事例3選

新しい流れを感じるコンテンツマーケティング事例を3つご紹介します。

The Gas Monkey Garage

The Gas Monkey GarageのVideoシリーズ。
The Gas Monkey GarageのサービスではなくThe Gas Monkey Garageで働いている人に焦点が当てられています。
また、単にインフルエンサーを使って短期的に注目を集める手法ではなく、働いている人間にスポットを当ててタレントにするようなイメージです。

特にDiscovery.comと共同で制作したTV ShowのFAST N’ LOUDが人気となっており、The Gas Monkey Garageのメンバーがバイクや車の部品の仕入れから組み立て販売までのプロセスを撮影した番組です。

実は、もともとDiscovery.comはそこまで有名なプラットフォームではなく、FAST N’ LOUD配信当初Discovery.comの40%以上の視聴者がFAST N’ LOUD目当てで来る人でしたが、この番組を通してDiscovery.comとThe Gas Monkey Garageの双方のブランディングが成功しました。

VideoシリーズFAST N’ LOUD: http://www.discovery.com/tv-shows/fast-n-loud/
The Gas Monkey Garage Youtube: https://www.youtube.com/user/getmonkified
事例ページ: https://blog.compete.com/2013/09/19/cross-branding-roi/

The line

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https://www.theline.com/stories

ニューヨークとロスに拠点があるThe Lineのサイト。
通常のファッション・家具の通販サイトの場合、商品に重点を置いて設計されますが、こちらのサイトはその商品のストーリーやデザイナーの思い、つまり商品以外のコンテンツに焦点が置かれています。(おそらく高価なもののみを取り扱っているため)また展示ルームがニューヨークとロスにあり、予約制で見学、相談ができます。

数値での結果は公開されていませんが、現在Instagram: 68,700人, Twitter: 11,300人のフォロワーがいます。

The Line: https://www.theline.com/

Donation:BarkBox

BarkGood.png
http://barkgood.com/

BarkBoxは犬が楽しめるおもちゃ、健康に良いフードを毎月届けるサービス。
飼い主の方が普段なかなか見つけづらい犬が喜ぶパッケージが毎月届きます。
そのBarkBoxは犬の保護やシェルターにいる犬の飼い主探しを行っている活動を支援しています。

UNICEFなどの広いくくりのファンドレイジング・寄付ではなく、さらにターゲットを絞り込んだDonationである点、ブランドのミッション実現のための施策として合致する点がポイントです。
考え方としては、単に寄付をしていることが良いのではなく、コンテンツ/プロダクトと関連性の高い活動として寄付を通じてコミュニティに参加、発展を目的にしている点です。

BarkBox: http://barkgood.com/
BarkGood: http://barkgood.com/

まとめ

今回ご紹介したほとんどは自社の中で眠っているリソースを掘り起こして、他とは異なるアプローチで成功したコンテンツマーケティングの事例です。
なかにはThe Gas Monkey GarageやVancouver Island University, Granata Petなど限られた予算のため、セレブと契約できない、大規模な仕掛けができない中でもアイデアで成功した事例もあります。

つまり、Webでのコンテンツ量が爆発的に増え、ユーザの求める情報が当たり前に手に入るからこそ、コンテンツに”今までになかった+α”が求められているということです。

一方で、その”+α”は時代に少なからず影響されます。なぜなら周りの競合やユーザの感覚に左右されるからです。

冒頭で少し触れた通り、テキスト中心だったコンテンツがビデオなどを使ったリッチなコンテンツに変わり、パーソナライズされたコンテンツ、インタラクティブなコンテンツへと流行りが移り変わっていくのは、そのコンテンツが溢れかえってユーザが新鮮味を感じなくなったのが一つの原因です。(※コンテンツを作る前にGoogleで同じようなコンテンツがないか調べてみてください。)

また、コンテンツのフォーマットの部分だけではなく、Webコンテンツの質の部分だけみても、肌感でコンテンツマーケティングという言葉ができた当初から比べると、質が格段にあがったように感じます。

コンテンツマーケティングを単なるSEO目的として行うのではなく、第三者的に見て本当に価値のあるコンテンツなのか、また、それを作るだけの予算・時間・体制を作れるのかを考えた後に実施すべきかを決めましょう。

コンテンツマーケティングに取り組むなら|ferret One

コンテンツマーケティングに取り組むなら|ferret One

オウンドメディア運用~リード活用までBtoBビジネスに必要なWebマーケティング機能がこれ1つに。プログラミング不要!簡単操作のCMSで運用しやすい続けやすい。