エウレカは世界的にもFacebookマーケティングに強い企業

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西井:勝ちパターンが完璧にわかっているんですね。

赤坂:ただ、マーケティングの方程式作り、それぞれの変数の定義、掛け算というところはすごく細かい反面、メディアバイイングについては弱いという印象でした。

MAのときも、僕がなぜpairsは3年間でこんなに急成長したのかプレゼンをすると、向こうは「?」という感じなんですよ。

Facebook上に800万人のファンを作りました。そのために占いアプリなどをいっぱい作りましたという話をしても、なんでそんなことをするんだみたいな。800万人のファンがいるからどうしたんだみたいな感じですよね。

800万人のファンがいるとリーチできるユーザーの数が増える。オーガニックリーチが増えるしアドリーチも増えるから、両方増えた結果、新規の獲得単価が何分の一になるんですという話をしても、ほーそうなんだ、みたいな感じ。

西井:初めて聞きましたという感じですかね。

赤坂:向こうのマーケティングのトップとか、CMOとかも来ているんですよ。だから、Facebookで本気のマーケティングをしたことがないんだと思いました。

あとから聞いてみると、Facebookをベースとしたデーティングサービスを運営したことがないんだそうです。Facebookは純粋に代理店を通して、普通にメディアバイイングとして、広告を買っているだけ。

SNSをユーザープールとして考えて、それをもっと効率的にマーケティングするにはどうしたらいいのかというところまでは、考えていないんだなと思いました。

西井:でも、それができているのはアメリカでも日本でも、エウレカくらいではないかなと思うんですが。エウレカ以上にFacebookマーケティングで成功している企業を知っていますか?

赤坂:その点で考えるとないですね。でも、人がいるところ、たとえば今ならInstagramですね。Instagramを見に来ている人に、商品をどうやって買ってもらうかという発想と一緒なんです。

Facebookに人はいるんだけど、pairsのことを知らないから、どうしたらもっとリーチを増やせるかという発想。そういう風にやっているところは見たことがありません。

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西井:pairsがスタートした当時、Facebookでファンを多数獲得することをKPIにしていた企業はたくさんあって、いいね!が多いことが成功事例だと一時言われていました。

でも、いいね!はついたけれど売上は全然上がらない、Facebookは使えないという結論の企業も多くあって。僕はそんなことはないと思っていて。

Facebookのファンページも意味があるし、広告の機能も充実しているので使い方次第、と感じていました。結局は使い方次第。エウレカは、それをやっていましたよね。ほんとにFacebookのマーケティングというものをよくわかっているなと思いながら見ていました。

最近ではLINEが似ているなと思っています。LINEでは、企業はスタンプを配布してファンを集めますよね。

スタンプを配布してLINEのファンを稼ぐことに意味がないと思われがちですが、使用されるスタンプの種類によりある程度ファンの趣向もつかめますし、数を増やして、そこにプールしているユーザーに対して安価にリーチできます。

エウレカは、その部分がバツグンにうまいと思っています。いろいろ競合サービスがあるなか、pairsが頭一つ抜けた理由は、確実にFacebookですよ。