ホームページを運営するうえで、コンバージョン率の向上は常に向き合わなければいけない課題であり、難易度が高いことも事実です。
何から始めたらよいのかわからないという方も少なくないでしょう。
ここでまず重要なのは、ユーザーの心理を理解して望んだ行動パターンを喚起させる(コンバージョンさせる)ホームページ設計を行うことです。

今回は、少しでもコンバージョン率を向上させるために知っておきたい行動心理学7選を解説します。
なかなかコンバージョン率が向上しない方やさらなる施策を検討している方は、ぜひ参考にしてみることをオススメします。

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コンバージョンを高めるために知っておきたい行動心理学7選

1.プレグナンツの法則

プレグナンツの法則とは、「視野に与えられた図形を単純かつ規則的で安定した秩序ある形にまとめてしまう」傾向を指します。
人は、シンプルに見えているものほど予期しない驚きが起こりにくいと本能的に感じ、これに従って物事をシンプルに解釈しようとします。

プレグナンツの法則には、いくつかの法則がふくまれています。
ここでは特にコンバージョンに視点を当てるため、その中でも「類似」「近似」に焦点をあてて解説します。

例えば、以下の文章を見てどのように感じるでしょうか。

・ferret
・fereet
・feeret

おそらく、多くの方が3つの文字列を「ferret」として認識したのではないでしょうか。
実は、上から2つ目・3つ目はスペルミスをおこしています。

これは、人が文字をひとつひとつ読み取って文章と認識しているのではなく、文字の形やスペース、最初と最後の文字、文章全体の流れなどで認識しているから起こります。
そのため、例文においてもよくみると間違いに気がつくことがあっても、ぱっと見た瞬間は「ferret」として認識してしまうのです。

この法則は、特にコンバージョンの最終地点になりやすいフォームで使用することができます。

以下の図1は、特に何も意識せずに作成したフォームです。

1.png

このフォームを、プレグナンツの法則を活用して縦方向と横方向に意味を持たせると図2のようになります。

2.png

図1と図2では、どちらの方が見やすく入力しやすいでしょうか。
答えは明確で、図2の方がユーザーに優しいフォームと言えます。
もともとのフォームの要素は変えずに、見た目を変更するだけでフォームの最適化を行うことができます。

また、図2のように類似した項目をまとめておくことで、入力項目数が変わらなくても少なく見せる効果もあります。
フォームに問題があるだけで、ユーザーが離脱してしまうケースは少なくありません。
参考:<アンケート調査結果Vol.1離脱編>ユーザーがフォームから逃げる理由ベスト5ほか | UI改善ブログ

特にフォームでの離脱率にお悩みの方は、少しUIを変更してみることをオススメします。

2.決定回避の法則

決定回避の法則とは、行動経済学者のシャフィール教授が発見した、選択肢が多くなると人は逆に行動を起こせなくなる、という法則です。
最近では、この法則を示す実験(下記で解説します)から「ジャムの法則」と呼ばれていることもあります。

コロンビア大学では、選択肢の多さが「選択」にどのような影響を与えるのかという実験が行われました。
スーパーのジャムの試食コーナーで、24種類のジャムと6種類のジャムのどちらの方が売れるかを見るものです。

実験中は、24種類のジャムを用意したテーブルの方が多くの人が集まってきました。
しかし、最終的な実験結果は以下のようになりました。

・24種類を用意したテーブルでは、試食にきた3%が購入
・6種類を用意したテーブルでは、試食にきた30%が購入

つまり、6種類のジャムを用意した場合の方が10倍の割合で売れた、という結果が導き出されたのです。

ネットショップなどで商品を多く並べれば、それだけ閲覧してくれるユーザーが増えると考えることは自然なことです。
しかし「決定回避の法則」という視点からみると、あまりに多くの商品を並べすぎることでユーザーが「見るだけ」になってしまい、コンバージョンにつながらないおそれもあります。

販売する商品を限定してしまうことは、ユーザーのニーズを正しくキャッチしなければユーザーを逃すリスクもあります。

なお、先に紹介した実験を行ったコロンビア大学によると「最適な」選択肢数は「5〜9」とされています。
「最適」は、人が自信を持って選択をしようとし、その選択結果に満足できることを指します。
時と場合にもよりますが、この数字を目安にしてみるのもよいでしょう。

特にネットショップなどを運営していて、商品点数は多いのになかなか売上が上がらないとお悩みの方は、一度見直してみてはいかがでしょうか。

3.損失回避の法則

損失回避の法則とは、人は損失を恐れる傾向がある、という法則のことを指します。
目の前に利益があるとその利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、目の前に損失があると損失そのものを回避しようとする、ということです。

例えば、キャンペーンを行う場合に以下の2つのコピーを検討するとします。

A:ギフト券をプレゼント!
B:ギフト券のプレゼントは、残り3日間のみ有効です!

損失回避の法則でユーザーの心理を説明すると「あと3日間しかギフト券をもらえない(=3日間のうちにもらっておかなければ損をする)」ということになります。
そのため、「B」のコピーの方が効果的ということになります。

ビジネスにおいて、希少性(または限定性)は非常に重要になります。
なにかしらの希少性を少し加えることで、人は損失を恐れて行動を起こします。

特に、キャンペーンやイベントなどを行う際に活用することをオススメします。

4.価値のリフレーミング

商品やサービスの価値を別角度で見せることで、購入に対する不安を和らげる、という方法です。
なかなか消費行動を起こさないユーザーに対してこの手法を使用することで、全体のコンバージョン率をあげることができます。

例えば、年間10万円が必要となるサービスを販売するとします。
10万円と言うと一見高額に感じますが、これを分割して1ヶ月単位、1日単位に換算してみるとどうでしょう。

1ヶ月単位では1万円もかからず、1日単位では300円程度と換算することができます。
同じ値段で商品やサービスを販売するにしても、表現の仕方ひとつでユーザーに与える印象を大きく変わります。

これは値段に限ったことではありません。
例えば、以下の文章からどのような印象を持つでしょうか。

・喫煙者の3割は、肺がんになります。
・喫煙者でも、7割は健康です。

見方を少し変えて表現するだけで、受ける印象は正反対であることがわかります。

よりコンバージョン率をあげたいなら、商品やサービスをユーザーに紹介する際、これまでとは異なる角度で新たな切り口を探してみるとよいでしょう。

5.バンドリング

バンドリングとは、関連する2つ以上の商品やサービスを組み合わせて1つのセットとして提供することでお得感を演出することを指します。
人には何回にも話変えて関連商品を購入するよりも、一度にまとめて購入することを好む傾向があります。

「価値のリフレーミング」と同様に、なかなか消費行動を起こさないユーザーに対してこの手法を使用することで、全体のコンバージョン率をあげることができます。

例えば、Amazonを見てみましょう。
商品を購入する際、画面下部に「よく一緒に購入されている商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という言葉と共に類似商品や関連商品が表示されています。

もともとテントを購入するつもりでAmazonを閲覧していると、関連商品としてペグやマットが紹介されていたために合わせて購入する、ということは、商品が違えど誰しも経験のあることではないでしょうか。

このように、ユーザーが求めている商品やサービスに付随して関連する商品やサービスを紹介することで、さらにコンバージョン率の向上を図ることができます。
あえて最初からセット販売をしないことで、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に商品を組み合わせて販売することができます。

バンドリングを行う際は、各商品をばらばらに購入する際の合計金額よりも少し安く設定することが望ましいです。
ユーザーに対して、セット購入の方がお得であるという印象を与えることができるからです。

また販売側にとっても、1つの商品のみにしかなかった需要を別の商品の需要にまで広げることができるというメリットがあります。
本来ならばあまり売れない商品でも、もともとの値段より少し割安になるとしても販売することができれば、結果的に売上アップにつなげることができます。
このような提供方法は「価格バンドリング」と呼ばれます。

最近では、さまざまな商品やサービスを自分の使いやすいようにカスタマイズできるサービスが人気です。
「本来ならば1枚のCDに収められている楽曲を、曲単位でダウンロード購入できるようにする」などがその例です。
よりコンバージョン率の向上を目指すなら、このような手法を利用してみるとよいでしょう。

6.シズル効果

シズル効果とは、音や香りなど、ユーザーの五感を刺激して購買意欲を高める効果のことを指します。
「sizzle(シズル)」は、ステーキを焼くときの「ジュウジュウ」という音が語源となっています。
ステーキの焼ける音や香りなどが美味しさを連想させ、食べたくなってしまうという経験は誰にでもあることでしょう。

ホームページ上で香りを演出することは現在の技術では不可能です。
しかし画像や動画を駆使することで、ユーザーに具体的な使用イメージを与えることは可能です。
文章で商品やサービスの魅力を伝えることももちろん重要ですが、それでは不十分な場合も多くあります。

新たな商品やサービスの見せ方を検討している方は、ぜひ画像や動画などを活用してみることをオススメします。

7.抵抗の軽減

コンバージョン率の向上を検討する際に、A/Bテストばかりに注目してしまっているということはないでしょうか。
もちろんA/Bテストを行ってよりよいホームページ作りを行うことは重要です。

しかしその前に、チェックしておきたい事項があります。
それが「抵抗」です。

「抵抗」を軽減するためには「抵抗」とはなにかを理解することが重要になります。
ここでは、ホームページの中で起きうる「抵抗」4つをご紹介します。

1.複雑化による抵抗

コンバージョンに至るまでの導線が必要以上に複雑である場合、多くのユーザーが離脱してしまいます。
これは「プレグナンツの法則」で解説した際にご紹介した参考サイトの調査結果から、明確に分かることです。

・無関係なコンテンツが表示されていないか
フォームの記入項目が必要以上に多くないか
・初めてホームページを見た人にもわかりやすいように書かれているか(専門家のみ対象にしたホームページを除く)

など、ユーザーが「複雑である」と感じるような要素はなるべく排除するようにしましょう。

2.情報伝達の抵抗

ユーザーに対して、正しく情報を伝達できているでしょうか。
情報がありすぎても足りなくても、正しい情報を伝えることはできません。

・情報が論理的にまとめられているか
・スムーズな流れになっているか
ユーザーが求めていると考えられる情報を開示できているか
・情報は正確で信頼性のある、最新のものか

など、ホームページ上の情報を再度分析してみましょう。

3.視覚的な抵抗

視覚的な抵抗は、非常に多くあります。
動画の配置やフォントサイズ、カーニング、画像サイズなど、ユーザーがストレスなく自然な状態でホームページを閲覧することができるかを再度確認してみましょう。

4.時間的な抵抗

コンバージョンに至るまでに必要な時間が、長ければ長いほど離脱してしまう恐れがあります。

ページの読み込み速度はシステムで改善するとして、ユーザーが初めてホームページを閲覧してからコンバージョンに至るまでの所用時間を見直してみましょう。

ページ数が多すぎないか
フォームの記入項目が多すぎないか
・あからさまにコンバージョンを急かしていないか

など、ユーザーに時間的ストレスを与える要素は改善していく必要があります。

まとめ

今回ご紹介した7つの事項をもとに、ユーザーの心理を理解して施策として活用してユーザーのニーズに最適なホームページを作成すれば、コンバージョン率の向上を期待することができます。

どれも既存の要素に少し手を加えるだけで実践できるため、新しく要素を足す必要はありませんので取り組みやすいと言えます。
再度、自社のホームページユーザーの立場で見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

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