スマートフォンと切っても切り離せないアプリは、生活者にとって必要不可欠な存在です。モバイルアプリ業界はめざましい成長を遂げ、大きなビジネスチャンスがあります。

ただ、さまざまなアプリが乱立して競合が増え、ダウンロードはもちろん継続利用を促すのもハードルが高く、日常的な改善が欠かせません。そこで活躍するのがアプリの解析ツールです。

今回はアプリビジネスを成功させるために、アプリの解析ツールの基礎知識や基本機能、設定するべきKPI、おすすめのアプリ解析ツールまで一挙に解説します。

アプリの解析ツールとは

アプリの解析ツールは、どんな属性・性別・年齢のユーザーがアプリを使用しているかや、アプリ内でユーザーがどんな行動をしているかなどを把握して分析するツールのことです。

解析ツールでさまざまなデータを洗い出して整理することで、アプリに適したターゲット層や、これからアプリのどんな点を改善すべきかなどの課題が把握でき、今後のマーケティング戦略・施策を立てられます。ツールを活用すれば、アプリ解析の経験が浅い人や知識不足の人でも精度の高い分析が可能になるでしょう。

アプリ解析ツールでできること

まず、アプリ解析ツールでどんなことができるのかを解説します。

アプリユーザーの属性・行動データを集計・可視化

アプリを使っているユーザーの属性に加え、どんな行動をしているかを集計して、グラフなどで可視化します。どんなユーザーがいつ、どの画面を開き、どこをタップしているかなどの詳細な部分まで追うことが可能です。

こうしたユーザーの属性や行動情報を把握することにより、KPI運用がしやすくなったり、アプリ広告の最適化がしやすくなったりと多くのメリットがあります。

アプリの利用状況や顧客満足度を分析

アプリ解析ツールで、ユーザーのアプリの利用状況を把握し、顧客満足度を測ることも可能です。アプリ解析によりリリース後も最適な改善を繰り返していくことで、顧客満足度を高めてユーザーのロイヤリティを高め、優良顧客を囲い込み、競合との差別化を実現できます。

分析結果に基づくレポート作成

分析担当者の負担になるのがレポート作成ですが、アプリ解析ツールには分析結果に基づくレポート作成機能が付いているものが多く、そのまま上司やメンバーに共有する資料として活用できます。

グラフとともに説明文が記載されているレポートが一般的で、分析に不慣れな担当者であっても概要を把握しやすいのもメリットです。

アプリ解析ツールの機能

次に、アプリ解析ツールの一般的な機能を解説します。

OSベースのトラッキング

スマートフォンなど、ユーザーが利用しているモバイルOSの種類やバージョンなどに応じて、アプリのパフォーマンスを評価することが可能です。

アクセス分析

アクティブユーザー数や、イベントごとの実行回数などを計測し、集計します。

セグメント分析

アプリを実行しているOSやバージョン、日時などに応じてユーザーを分類します。

ヒートマップ分析

ユーザーが画面のどこをクリックしているか、頻度やエリアを分析し、ユーザーの興味関心を把握できます。

セッション分析

時間あたりのアプリの利用回数や、実行したアクティビティの種類などを分析して、ユーザーの行動を詳細に把握できます。

LTV分析

ユーザーがアプリで課金した金額や、課金する頻度、期間などを集計します。

レベニュー分析

ユーザー1人あたりの課金回数・金額を分析し、売上アップ施策を練ることができます。

ロケーション分析

ユーザーがどこでアプリを使っているかという位置情報を分析し、ホットスポットを把握できます。

クラッシュ分析

アプリ内のクラッシュを自動で発見して、クラッシュが起きたページや時間、バージョンなどを分析します。

日付のフィルタリング

クラッシュ修正前後のユーザーの変化まで追って分析データに反映することが可能です。

オーディエンス分析

ユーザーの会員種別ごとの行動や利用状況の違いなどを分析して、把握できます。

市場トレンド把握

市場の動向や競合アプリの情報などを収集し、市場における自社アプリのポジショニングを把握できます。

レポート作成

トラッキングできるさまざまなデータを集計し、レポートを作成します。

アプリ広告の効果測定

広告経由でアプリに流入したユーザーを把握します。流入経路やコンバージョン率などを分析して、広告の費用対効果を調べられます。

A/Bテスト

広告UIなど、何らかの要素を変更したAパターン・Bパターンの効果測定を行い、どちらのほうが効果的か検証できます。3パターン以上の分析ができるツールもあります。