麻雀とリスティング広告は似ている?

西井:阿部さん、麻雀強いですよね。麻雀とリスティング広告は似ているみたいなお話をされていましたが(笑)。

阿部:冗談抜きで昔プロを目指していて(笑)基本的に負けないです。

攻めるときは攻めなきゃいけないということと、引くべき時には引ける決断ができるかどうか。
今自分がどういうポジションにいるのか、どういうフェーズにいるのかというのをやっぱり理解するという点が似ていますね。
攻めるときに攻められないと意味が無いですし。

よくあるのが、CPAが高騰したからといって入札を下げるみたいなのは一番やっちゃいけないことなんです。
そのキーワードって自分が取れると思って入札したのに、CPAが上がった途端に下げるんですよね。
そのキーワードは、もう一生上げないんですよ。

これを繰り返すアカウントはシュリンクしていくだけです。
でもそうではなくて、自分がいいと思ったキーワードは信じてアクセル踏んであげなきゃいけないんですよ。

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西井:A/Bテストの問題にも似ているなと思って。A/Bテストはそもそもいいと思って踏み込んでるし、悪かったものは下げるべきなんだけど、初動のところで悪いからやめましょうってなると、ずっと5年間、同じことをやっているだけの仕事になってしまう。

阿部:シュリンクするだけなんですよね。

西井::だから、それは麻雀でいうと、我慢するときは我慢するけど、そもそも勝負しに行くときに対して、結果的に半荘終わってトータルで勝っていればいいという考え方になれるどうかなんですよね。ハコらないように3着狙うとか。

僕は将棋が好きなんですよ。将棋って、完全ロジックのゲームで、100%運がないゲームなんです。
負ける人ははっきり負けるんですよ。

これが将棋のおもしろいところで、だけど、麻雀はちょっとわからないところがあるじゃないですか。
一緒に麻雀をすると相手の強さがわかるらしいですね。

阿部:一局打ったら、その人がどれだけ強いかは分かります。

ちなみに、うちに去年入った新卒が、最初たどたどして大丈夫かなっていう感じだったんですよ。
それで、麻雀が得意と言ったんで、ちょっとやろうよって打ったときに、こいつは仕事できるようになるってわかったんですよ。
打ち方が素晴らしかったんです。

来た運を如何に逃さないかという打ち方をするんですよね。
それでいて引くときは引く。そして意思決定が早い。

意思決定が早い人ははじめから「Aが来たらBをする」という形で行動を予め想定しているんですよね。
なので、絶対仕事できるなと思っていたら、今すごく伸びています。

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西井:この間、将棋を知らない知り合いを10人集めて、どうぶつしょうぎ(将棋を更に子供むけに簡単にしたゲーム)をやってもらったんですよ。
それを横で見ていたら、ほんとうに性格出るなと思いました。

10人とも、仕事ぶりはなんとなく知ってるんですが。
いつまでたっても全然決断できない人もいれば、なんにも考えずにポンポンやって、負けちゃったーみたいな人もいて。

入社試験とかにどうぶつしょうぎさせようかなと思ったくらい。
だってわかるんだもん(笑)。

多分麻雀も同じじゃないですか?

阿部:多分同じだと思います。麻雀のルールを知っている前提でいけば。

株とかもそうですね。どういう株の買い方をするかでだいたいわかります。

西井:株と麻雀は似てますよね。

阿部:株と麻雀でいうと、似てると言えば似てますね。人生と麻雀が一番似ていると思います(笑)。

西井:リスティング広告と麻雀は?

阿部:リスティング広告と株のほうが似てます。

僕らは、競合どこですかとか言われるんですけど、同じ業界に競合はいないと思っていて。

僕らがやっているのはファンドと一緒なので、僕らに1000万円預けるよりファンドに1000万預けるほうが儲かるって言われたら負けなんです。
誰よりも最大のリターンをさせる。ファンドなので、株やFXに近いかなと。

西井:将棋の観点からリスティング広告をやるとすると、無駄なキーワードは絶対買わないですよ。
完全ロジックなんで、ダメなものには投資できない、強いものには投資する。

だからシュリンクしちゃう考えにも見えるんですけど、何か違う。
一方で不確定要素がすごい多い中で、勝ち方を探していく麻雀は、おもしろいなと思います。

阿部:捨て牌だけで相手の手が読めますからね。見えなくても、おおよそは相手の手がすけて見えるようになるんですよ。

クセももちろん出ますし、人間性もわかりますし。

西井:そういう意味だと、麻雀はある程度直感的なところがが強いゲームということですか?

阿部:直感も重要ですが、結構ロジカルなんですよ、実は。

西井:将棋って、思考の深さなんですよね。相手の手を読んで読んで読みまくって、その中で一手を決断する。
その一手の決断を間違えた瞬間に、形勢逆転されるんですよ。

麻雀でも、捨て牌1個間違えると形勢逆転されるいうところは同じだと思います。
でも、麻雀は1回1回精算されて、半荘勝負じゃないですか。将棋は多分それできないんですよね。

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阿部:勝負どころをちゃんと見極めるということですかね。

リスティング広告に近いというのは、リスティング広告は基本的に1ヶ月の中での勝負だったりするので、その中で前半の調子が悪くて後半がいいならいいんですよ。
その逆でもいいですし、真ん中が好調でもいいですし。トータルで最大のバックができればいいんです。

もちろん1ヶ月じゃなくて1年かもしれないし。月だけで見過ぎるのもよくないんですよ、実際。
4月と5月比較されても、ゴールデンウィーク入ってたりして。

一番きついのが、5月頭からの運用お願いしますってやつですね。確かに1日は稼動日ですが(笑)
完全に両足に重しをつけて走らさせているような。初速とか下がったねーとか言われても、そりゃ下がるよねっていう。

西井:それはもうロジックとして成り立ってるといえば成り立ってる。

阿部:リスティング広告と麻雀は、トータルで見るという点では近いですね。1日だけでわかるものではないので、

西井:麻雀とか将棋とか、そういうゲームと似ているところと似てないところがそれぞれあるのかなとか。特にリスティング広告の話はおもしろいなと思って。

阿部:入社面接で、「株やったことある?」とか、そういう話はよくしてましたね。
中でも株で大負けした人間が一番いいですね。

トレンドに騙されてる経験があるんですよ。いけると思ったのに下がるんですよね。
ビビって損切りして、そのあとストップ高とか。

ああいう経験をしていると、トレンドって必ずしも絶対的なものじゃないというのがあるので、それを理解した上でトレンドを見られるというのは強いなと思いますね。

西井:今回もすごく楽しかったです!ありがとうございました。

阿部:こちらこそ、いろいろお話できて楽しかったです!ありがとうございました。

フォトグラファー:三浦一紀

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