自社でスマホアプリを作っても、「ゾンビ化」する可能性が高い

企業がスマホ関連のビジネスをやるとき、おそらくアプリをローンチするという考え方をするところが多いと思います。

ニールセンの調査によると、平均的なスマホユーザーは72%アプリ、28%をWebブラウザの閲覧に割いています。

PCからスマホにシフトした結果、Webの役割が減っていっているんですね。

SEOの重要性もスマホ時代を迎えるにあたって相対的に減っていくでしょう。
スマホ上のコンテンツアプリ内で消費されます。
コンテンツを指し示す任意のURLすらいりません。

最近面白いのは、LINE上でコンテンツを共有するとき、画面ごとにキャプチャして送りつけるんです。
20年くらいインターネットを使ってる世代はネットでシェアするときはURLを送るのんが当たり前でした。
それはもう古いやり方になってきています。

アプリ中心の文化に慣れ親しんだ世代からしたら、キャプチャでの共有が当たり前です。
インターネット的な、グーグル的な、オープンな世界ではなくなってきています。

皆さん、先週一週間で使ったアプリっていくつあります?
せいぜい10個くらいじゃないでしょうか。マニアじゃない限り。

普段使われるアプリは、わずか9個程度なんです。

でもスマホには40個ほどのアプリが入っています。
着ない服のことを「タンスの肥やし」というが使わないアプリは「メモリの肥やし」と言えますね。

デジタルマーケティングを考えるとき、必ず**「アクティブユーザー」**を見なければいけません。
累計ユーザー数、インストール数を発表するのは(アクティブユーザー数を)言えないような状況だからでしょうね。

スタメンの座をめぐって色んなアプリがしのぎを削っています。
この9個のなかに例えばコンビニチェーンが入れるか、入れませんね。
大手の銀行がバンキングアプリを出したから入れるか、まず無理でしょう。

いろんな企業がスマホ時代に対応するために独自のアプリを出しました。
しかし、散々な結果に終わっている場合がほとんどです。

・ほとんどの企業がまずインストールしてもらえない
・インストールさせるのにコストがかかる(数百円のコスト)
・その上でアクティブで使ってもらえない、インストールでおしまい。
・しまいにはスマホの引っ越しでおいてかれる。

しかも、iOSやgoogleplayのカテゴリでそれぞれ上位300位より落ちると、アプリ名を正確に検索しない限り見つけることができません。techcrunchの表現で言えば**「ソンビアプリ」**と化します。

世の中のほとんどのアプリが普通にディレクトリを探して出会えるようなアプリになっていない。
関係者が探す必要がある。そうじゃないと出てこないんです。

世の中で提供されているアプリの83%はもはやそういう状況にあります。
企業が社員に向けて配るアプリならそれでもいいですが、コンシューマー向けにオーガニックな出会いが期待できないアプリは、自己満足に近いものがある。

かなり大手の企業でもLINEやTwitterなどプラットフォームのサービスではない限り、自分のアプリのアクティブ率に自信があるところはほとんどないでしょう。

なので、LINEようなプラットフォームOSのように捉えてもらって、プラットフォームと競合するのではなく、プラットフォームを利用してサービスを提供するのはどうか、というのが我々の考え方です。