11. ビビッドカラー

フラットでミニマルなデザインは今も人気ですが、ビビッドカラーもまた復活の兆しを見せ始めています。ビビッドで明るい配色はWebデザインに限ったことではなく、ファッションの世界や天気予報のグラフィック、インテリアデザインでも見かけることがあります。

カードレイアウトやコンテナーレイアウトと呼ばれるグリッドレイアウトの新しい形も、ビビッドな配色の大胆さと大いにマッチングします。ビビッドな配色は彩度や色相が高いので、ボタンやナビゲーションメニューのようなUI要素が目立ちやすくなるというメリットもあります。さらに、ビビッドな配色はブランドイメージの構築にも使われています。Googleのロゴに使われている原色やAmazonのスマイルマークに採用されているオレンジなど、色がブランドイメージと密接に結び付くことはよくあることです。

こうしたビビッドカラーも、昨今のWebの世界では様々な形で取り入れられています。

difa.jpg

DiFaのホームページでは、新着記事をディープピンクの「New」という文字で大胆に配置しています。全体をシンプルにデザインし、ボタンや線など、一部の要素にのみビビッドカラーを使うことで、鮮やかな色相がより一層引き立ちます。

mattew.jpg

一方、WebデザイナーのMatthew Bambachさんのポートフォリオサイトでは、先ほども紹介したデュオトーンをビビッドカラーで取り入れています。デュオトーンは彩度を落として暗くする渋めのカラーが好んで使われますが、ビビッドなピンクを使うことで印象も大きく変わってきます。

12. ブロークングリッドレイアウト

左右対称のホームページはシンプルで見ていて気持ちがいいものですが、グリッドレイアウトは次の段階に進もうとしています。まだしっかりとした呼び名はついていませんが、「ブロークングリッド」とでも言うべき少々ルーズなレイアウトが登場しました。この種のレイアウトでは、グリッドデザインのきっちりとしたところを残しながらも、散らかったぐちゃぐちゃな状態にはしていないので、風変わりなデザインのわりにしっかりと情報を伝えることができます。

eppicurence.jpg
Epicurrenceのホームページはグリッドを崩した面白いレイアウトを採用しています

13. ダイナミックストーリーテリング

「物語を語ること」を意味するストーリーテリングというキーワードが、2016年はたくさんのところで登場しました。しかし、テキストを読むだけの一方的なストーリーテリングはすでに廃れつつあり、「ダイナミックストーリーテリング」とでも言うべき見せ方が登場しました。

ダイナミックストーリーテリングでは、カスタマーの背後にあるブランドをもっとよく知ってもらうために、面白い展開のビデオや美しいグラフィック、そして補助的にテキストを用いてストーリー展開をしていきます。

これはサービスそのものや製品にも同じことがいえます。製品やサービスの誕生までの裏話を語ることで、目に見える単なる機能だけではない、より深みを持った愛着を持つことができます。

bagigia.jpg

Bagigiaというバッグのホームページでは、スクロールするごとにバッグそのものの特徴や、バッグの誕生秘話、バッグの製作者などを覗き見ることができます。ページを遷移することなく、製品であるバッグを主役としながら、スクロールだけで1つの製品のストーリーを追いかけることができます。