Webサイトの集客・販促効果を高める施策には様々なものがあります。数ある施策の中でも、CROコンバージョン率最適化)は、すぐに実行できて成果に繋がりやすい施策です。

この記事では、CROで取り組むべき具体的な施策10選や、CROを進めるコツについて解説します。Webサイト経由の売上を高めたいマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. CRO(コンバージョン率最適化)とは?
  2. CRO(コンバージョン率最適化)が重要な理由
  3. CRO(コンバージョン率最適化)で取り組むべき施策10選
  4. CRO(コンバージョン率最適化)を進めるコツ
  5. CRO(コンバージョン率最適化)でWebサイト経由の売上を高めよう

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CRO(コンバージョン率最適化)とは?

CROとはConversion Rate Optimization(コンバージョン率最適化)の略称です。Webサイトの訪問者が、商品購入など何らかの行動に至ることをコンバージョンと呼びます。CROでコンバージョン率を高めると、Webサイトの集客販促効果の向上が可能です。

CROには様々な種類の施策が含まれます。サイトの入り口となるランディングページを改善するLPOや、各種フォームを改善するEFOなどがCROの代表的な施策です。

CRO(コンバージョン率最適化)が重要な理由

CROの取り組みは、Webサイト経由の売上アップだけでなく、広告費用対効果の改善ユーザビリティの向上などにも繋がります。CROが重要である主な理由は次の通りです。

集客の費用対効果を高めるため

広告Webサイトへのアクセスを集めている場合、コンバージョン率が高まると費用対効果も改善します。例えば、コンバージョン率が2%から3%にアップした場合の費用対効果の違いは次の通りです。

(例)広告費12万円で1,000クリックが発生した場合

●コンバージョン率が2%なら…
1,000クリック×2%=20件のCVを獲得
CV1件あたりの広告費は 12万円÷20件=6,000円

●コンバージョン率が3%なら…
1,000クリック×3%=30件のCVを獲得
CV1件あたりの広告費は12万円÷30件=4,000円

このように、コンバージョン率が高まるほど、CV1件あたりの広告費が抑えられます。特に、Web広告のクリック単価や顧客獲得コストが高騰している業界では、CROの施策が重要です。

商品やサービスの価値を伝えるため

CROに取り組むと、Webサイトの訪問者に商品やサービスの価値を伝えられます。数あるCROの施策に共通している目的は、サイト訪問者の興味度や購買意欲を高めることです。

・ユーザーの抱える課題がどのように解決できるか
・商品やサービスの利用で得られるメリットは何か
・競合商品と比べてどのような点が優れているか

これらの項目をアピールし、商品やサービスの価値をよりよく伝えるためにCROが重要です。

Webサイトのユーザビリティを高めるため

CROには、ページの読み込み速度や、Webサイト内の導線を改善する施策も含まれます。Webサイトユーザビリティを高める取り組みとしても、CROが効果的です。

また、Webサイトユーザビリティが上がると、検索エンジンからの評価が高まり、副次的な効果として検索順位の向上も期待できます。

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CRO(コンバージョン率最適化)で取り組むべき施策10選

一口にCROといっても、施策の内容や取り組みやすさは様々です。ここでは、効果性の高さや取り組みやすさの観点から選んだ10個のCRO施策を紹介します。

  1. LPのファーストページビューの改善
  2. CTAボタンの改善
  3. 入力フォームの改善(EFO)
  4. コンテンツの見直し
  5. 導線の見直し
  6. コンバージョン内容の見直し
  7. ページ読み込み速度の改善
  8. Web接客ツールの活用
  9. ページタイトル広告文の見直し
  10. 既存顧客へのアンケート調査

1. LPのファーストページビューの改善

ファーストページビューとは、Webページをスクロールしなくても目に入る冒頭部分のことです。

ファーストページビューの内容が適切でないと、サイト訪問者がランディングページを詳しく見ることなく離脱してしまいます。コンバージョンを獲得するには、まずファーストページビューでサイト訪問者の興味を引くことが重要です。

ファーストページビューを改善するポイントとして、次のような項目が挙げられます。

・キャッチコピーでユーザーにとってのメリットが表現されているか
・商品やサービスでどのような課題を解決できるか書かれているか
・ターゲットユーザーに合ったデザインになっているか
・読みやすいフォントサイズや配色になっているか

これらのポイントに注意して、ファーストページビューに含める情報やデザインを見直してみましょう。

2. CTAボタンの改善

CTACall To Action)ボタンとは、商品購入や資料請求などを促すボタンのことです。CTAボタンのデザインや、ボタン周辺に記載する情報によって、コンバージョン率が変化する可能性があります。

CTAボタンを改善する主な方法は次の通りです。

図_CROの例.png

● ボタン内に具体的なアクションを記載する

CTAボタン内には、クリックすることでどのようなアクションができるかを記載しましょう。ボタンをクリックした時に何が起こるか分からないような状態だと、ユーザーに不信感を与え、離脱に繋がってしまいます。「商品を購入する」、「無料で会員登録する」など具体的なアクションを記載しておくことが重要です。

● 配色や動きでボタンを目立たせる

CTAボタンが小さすぎたり、分かりにくかったりすると、コンバージョンを妨げてしまいます。ボタンを目立たせるには、周囲の色とボタンの色を反対色にすることが効果的です。

例えば、上の画像の例では緑色のバナー画像の下に赤色のCTAボタンを配置することで目立たせています。また、gif画像やマウスオーバー時のアクションなどを使って、CTAボタンに動きをつけることも目立たせる方法の一つです。

● 商品や資料などで得られるメリットを明記する

CTAボタンの周辺に、商品や資料などでユーザーが得られるメリットを明記しましょう。例えば、上の画像の例では「特典が増えました」や「企業研修にも最適」などのメリットを記載しています。また、「メールだけで登録できます」など、手軽さをアピールすることも効果的です。

3. 入力フォームの改善(EFO)

会員登録フォームや商品購入時の決済フォームなどが使いにくいと、離脱者が増えてしまいます。入力フォームを改善するためには、次のようなEFO施策が効果的です。

● 入力例を表示しておく

各項目に入力例を予め表示しておくと、入力する情報が分かりやすくなります。

● 自動入力機能を付ける

郵便番号を入力すると住所が途中まで自動入力される機能も、フォームを改善する方法の一つです。

● 必須項目の数を最小限にする

必須の入力項目が多すぎると、ユーザーが煩わしさを感じてしまう可能性があります。そのため、必須項目の数を最小限に抑えることが大切です。

image3.png

4. コンテンツの見直し

Webサイト内のコンテンツや、ランディングページ内の情報も見直しましょう。コンテンツを見直す際の主なポイントは次の通りです。

● ユーザー視点で書かれているか

商品やサービス、ダウンロード資料などの特徴は、単にスペックや機能を書くだけでなく、ユーザー視点で表現するとより良くアピールできます。

例えば、お掃除ロボットを販売するサイトで「最先端の空間認識アルゴリズムを搭載」と表現するよりも、「段差やすき間のあるお部屋も自動でお掃除完了」と書く方がより魅力的です。ユーザーにとってどのような良いことがあるかという視点で、コンテンツを見直してみましょう。

● 情報を伝える順番や長さは適切か

ランディングページが長すぎたり、見出しの順序が適切でなかったりすると、離脱されてしまいます。伝える情報の量や順序に問題がないか見直すこともCROの施策として重要です。

● コンバージョンを妨げる要因はないか

価格やサービス内容、競合商品との違いなどが不明確だと、コンバージョンを妨げてしまう可能性があります。また、入力した個人情報の取り扱いなども、ユーザーにとって気になるポイントです。コンバージョンを妨げる要因がないかチェックし、コンテンツを改善しましょう。

5. 導線の見直し

image4.png

ページ間の導線がスムーズになっているか見直すことも重要です。

複数の下層ページを持つWebサイトの場合、グローバルメニューのデザインや項目を分かりやすくしておく必要があります。特に、商品・サービスの詳細ページや、料金に関するページはよく見られるため、リンクを目立たせることが大切です。

また、ページの下部に関連性の高いページへのリンクを設置しておくと、ユーザーがより多くの情報を閲覧し、購買意欲の向上に繋がる可能性があります。

6. コンバージョン内容の見直し

デザインやコンテンツ導線などを見直してもコンバージョン率が思うように上がらない場合、コンバージョンさせる内容自体を見直してみましょう。

例えば、コンバージョンの内容が「商品購入」のみだと、高額な商品の場合は心理的なハードルが高いかもしれません。そのような場合、お試し価格の商品を用意したり、まずは資料請求やメルマガ登録などを訴求したりするCRO施策が効果的です。

現状よりもハードルの低いコンバージョンポイントを用意できないか検討してみましょう。

7. ページ読み込み速度の改善

image2.png

ページの読み込み速度が遅いと、サイト訪問者に離脱されてしまうリスクがあります。Googleが提供する無料のツールPageSpeed Insightsなどで読み込み速度に問題がないかチェックしましょう。

ページ読み込み速度に改善の余地があると判定された場合、画像のファイルサイズを圧縮したり、ソースコードを最適化したりする対策が必要です。

8. Web接客ツールの活用

Web接客ツールを活用すると、サイト訪問者の属性や行動履歴に応じてコンテンツの出し分けができます。

例えば、過去にWebサイトに訪問したものの資料請求に至っていないユーザーに対して、再訪問時にポップアップで資料請求ページへのアクセスを促すなどの施策が可能です。

Web接客ツールでサイト訪問者ごとにコンテンツを最適化することが、コンバージョン率の向上に繋がるでしょう。

9. ページタイトルや広告文の見直し

Webページに設定したタイトルや説明文、Web広告広告文などを見直すことも、CROで重要な施策です。ページタイトル広告文と、Webサイトの中身にずれがあると離脱されてしまうリスクがあります。

ユーザーが特に知りたがっている情報をページタイトル広告文に含め、ページの中身と一致させましょう。特に、ページタイトル広告文の内容と、ファーストページビューに書かれている情報を合わせることが重要です。

10. 既存顧客へのアンケート調査

すでにWebサイトからコンバージョンに至った既存顧客がいる場合は、アンケート調査をするとコンバージョン率を高めるヒントが得られます。

既存顧客が抱えていた悩みや課題、自社の商品やサービスのどのような点に魅力を感じたかなどが主なアンケート項目です。既存顧客からの意見を集めると、Webサイトで訴求するべきポイントが把握できます。

既存顧客が特に魅力に感じているポイントを参考に、ファーストページビューやCTAボタン、コンテンツの順番などを改善しましょう。

CROを進めるコツ

CROに取り組む際は、やみくもに施策を行うのではなく、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。ここでは、CROを成功させるためのコツを紹介します。

自社の課題を分析してから取り組む

コンバージョン率が低い原因は、Webサイトによって異なります。そのため、自社の課題を分析した上で、優先度の高いCRO施策から順に行うことが大切です。

アクセス解析ツールを活用すると、コンバージョン率を高めるための課題が見つかります。

例えば、ページが最後まで読まれず離脱されてしまっている場合、コンテンツの見直しが必要です。一方、フォームまでたどり着いているにもかかわらずコンバージョンに至っていない場合は、EFOに課題があると考えられます。

データをもとに自社の課題について仮説を立てた上で、CRO施策に取り組みましょう。

具体的な数値目標を設定する

実際にCROの施策を実行する前に、数値目標を設定することが重要です。CROを進める上でチェックするべき指標として、次のようなものが挙げられます。

・ランディングページのコンバージョン率
・ランディングページの直帰率
・CTAボタンのクリック率
・決済フォームのかご落ち率

これらの指標に対して具体的な数値目標を決め、CROに取り組みましょう。

仮説と効果検証を繰り返す

CROを成功させるには、仮説を立ててから施策を実行し、効果検証を行うまでの流れを繰り返すことが大切です。

施策を効率的に進める方法として、ABテストと呼ばれる手法が挙げられます。ABテストとは、内容が異なる2種類以上のパターンを同時に走らせ、成果が高かった方を採用する手法です。

例えば、キャッチコピーを変更した2種類のランディングページでABテストを行うと、CVに繋がりやすいキャッチコピーが判断できます。同様に、CTAボタンのデザインや、フォームの入力項目数など、様々なポイントでABテストによる改善が可能です。

施策の実行と効果検証を繰り返し、コンバージョン率の最適化を進めましょう。

すぐ実行できるツールを活用する

改善点がわかっても、すぐにLPやフォームの反映できないとお悩みの方も多いかと思います。
下記のような課題をお持ちであれば、簡単な改善は自分ですぐに対応できるツールを使うとCRO施策がスピーディーに実行できます。

外部の制作業者に依頼しているので、修正のたびにコストや依頼の手間、確認・修正のコミュニケーションコストがかかっている。

社内のエンジニアデザインナーが忙しくて、対応してもらうのに時間がかかる

誰でも直感的に使えるツールを使うことは、作業が属人化せず手の空いた人が対応できるため、その意味でも大きな効率化が図ることができます。

▼ LP・フォームの改善を自分ですぐに進められるツール

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CRO(コンバージョン率最適化)でWebサイト経由の売上を高めよう

Webサイトのコンバージョン率を高め、売上に繋げるためにはCROが重要です。CROの施策には、ランディングページの内容CTAボタンの改善ページ読み込み速度の向上など様々なものがあります。

サービスサイトや広告リンクページでより多くのコンバージョンを獲得したい方は、数値目標を立てた上でCROに取り組んでみてはいかがでしょうか。

▼成果の出るLPデザインのポイントをまとめた資料

成果の出るLPデザインのポイント【チェックリスト付き】クリエイティブ例も紹介

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