Google広告を運用しているものの、管理画面の見方がわからず困っている人もいるのではないでしょうか。メニューや指標も多いため、どのような観点で見れば良いのか、広告運用経験が少ない担当者は迷うところでしょう。

この記事では、Google広告管理画面の基本的な見方や、数値から課題を発見するポイントなどをご紹介します。

目次

  1. Google広告管理画面で実現できること
  2. Google広告管理画面の構成
  3. Google広告管理画面の5つの基本メニュー
  4. Google広告で最も重要な6つの指標
  5. Google広告管理画面で課題を発見するポイントと対策
  6. Google広告管理画面のレポート機能でチェックを自動化
  7. Google広告管理画面の見方を理解して、効率良く成果を上げよう!

Google広告管理画面で実現できること

Google広告の管理画面では、主に以下のようなことができます。

● Google広告アカウントの設定

Google広告の管理画面の左側にあるサイドメニューから「設定」→「アカウント設定」を選ぶと、アカウントに関する情報を設定することができます。

● Google広告の作成・配信の管理

Google広告の管理画面の左側にあるサイドメニューから「キャンペーン」「広告グループ」「広告とアセット」「ランディングページ」「キーワード」を選択して作成できます。各ページで状況を確認したり、編集・削除したりすることも可能です。

● Google広告の情報解析・最適化

Google広告の管理画面の左側にあるサイドメニューから「分析情報」や「最適化案」を選べば、配信している広告の分析や、改善提案の確認ができます。

● 広告費の支払い設定

Google広告の管理画面の上部にある「ツールと設定」ボタンをクリックすると、請求処理状況の確認や支払い方法の変更などができます。

Google広告管理画面の構成

広告は一度配信して終わりではなく、定期的に配信管理や成果の確認などをする必要があります。ここでは、Google広告の管理画面を見ながら、全体の構成や見方を説明していきます。

キャンペーンと広告グループの違い

まずは、Google広告の基本構成を理解しましょう。Google広告は「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」という3層構造で成り立っています。階層ごとに担う役割は以下の通りです。

  • アカウント:3層構造の一番上に位置し、直下のキャンペーンを管理する
  • キャンペーン:3層構造の真ん中に位置し、複数の広告グループをまとめて管理する
  • 広告グループ:3層構造の一番下に位置し、広告テキストやキーワードなどのセットを行う

Google広告の構成について.png
画像出典:Google 広告の構成について

基本的に、1つの企業につき1つのアカウントを保有し、そのアカウントを使ってさまざまなキャンペーンを設定します。そして、キャンペーンごとに広告グループを設定するという構造です。

例えば「家電」をキャンペーンとした場合、広告グループが「洗濯機」や「冷蔵庫」と設定するイメージです。

分析やレポートに役立つメニュー

以下は、Google広告の管理画面の「概要ページです。左にあるサイドバーから項目を選択できます。

管理画面概要.png

例えば、以下の「分析情報ページでは、配信した広告インタラクションや発生した費用などが表示されます。

02-分析情報.png

こうした分析情報はレポートとしてダウンロードできます。手順は以下のとおりです。

  1. 上のタブにある「レポート」をクリックする
  2. 出てきたメニューのうち「事前定義レポート」にカーソルを合わせる
  3. さらにメニューが出てくるため、必要に応じた形式を選択してクリックする

●メニューの「レポート」→「事前定義レポート」をクリックすると表示される画面
03-レポートメニュー.png

以下は「基本」から「キャンペーン」を選択した際に表示されるレポート画面です。上部にある「ダウンロード」をクリックすれば、ダウンロードが完了します。なお、ダウンロード形式は以下にあるものから選ぶことができます。

04-ダウンロード.png

ダウンロード形式は以下の中から選ぶことが可能です。ダウンロードしたデータを分析することで改善や施策立案に役立てましょう。

  • csv
  • Excel .csv
  • tsv
  • xml
  • csv.gz
  • xml.gz
  • pdf
  • png
  • Google スプレッドシート

他にも「最適化案」のページを開くと、広告を改善するためにGoogleの機械学習による案が提示されます。「効果の高いパーソナライズド広告の表示」や「構造化スニペットの適用」など、必要に応じて広告を改善しましょう。案を実行する場合は「適用」ボタンをクリックするだけと非常に簡単です。

05-最適化案.png

また、メニューの下の方には「設定」ページもあり、作成したキャンペーンGoogle広告アカウントの設定を確認・編集することが可能です。
キャンペーン設定.png

Google広告管理画面の5つの基本メニュー

Google広告の管理画面における基本メニューは、以下の5つです。

  • キャンペーン
  • 広告グループ
  • 広告とアセット
  • ランディングページ
  • キーワード

管理画面上でメニューを切り替えることで、それぞれの数値を確認することができます。

以下は「キャンペーンページです。このページで、作成したキャンペーンのクリック数や費用、コンバージョンなどを確認できます。グラフで示されているため、推移を確認しやすいでしょう。同様に「広告グループ」でも、作成した広告グループの状況をグラフで確認できます。

07-キャンペーン画面.png

広告とアセット」では、広告グループに登録されている広告文と、広告を表示する際のオプションが表示されます。それぞれ表示回数やクリック数、コンバージョン数など確認できます。

08-広告とアセット.png

ランディングページ」は、広告に合わせて設置したランディングページ広告をクリックしたユーザーに表示されるページ)を確認するページです。ABテストや複数のランディングページで運用されている場合は、ここでページごとのパフォーマンスをチェックしましょう。

09-ランディングページ.png

キーワードページを開くと、以下のように広告グループで登録されているキーワードごとの状況を確認できます。検索キーワードごとの表示回数クリック率などを確認できるため、効果の高いキーワードに集中させたり、除外するキーワードを選定したりなどに役立ちます。また、クリック率向上のため広告文章を見直すヒントを得ることもできます。

10-キーワード.png

Google広告で最も重要な6つの指標

実際にGoogle広告の運用をするうえで、登録した広告が効果的であったかを分析し、必要に応じて改善していく必要があります。

広告効果はさまざまな指標で測定されますが、代表的な指標は以下6つの指標です。それぞれの示す内容を覚えておきましょう。

● インプレッション

広告の表示回数のこと。「imp」と表記されることが多い。

● クリック数・クリック

クリック数は広告がユーザーにクリックされた回数のこと。クリック率(CTR)は広告表示に対するクリックの頻度を指す。

● クリック単価

1回のクリックで発生する費用のこと。「CPC」と表記されることもある。

● コンバージョン数・コンバージョン率

コンバージョンとは、広告が目標とするアクションをユーザーが起こした状態のこと。コンバージョン数はその実数で、コンバージョン率(CVR)は広告表示に対するコンバージョンの頻度を指す。

● 費用

広告全体でかかったコストのこと。費用対効果を分析する際は「費用」の金額と、広告から発生した売上で計算する

画像2-用語一覧.png

Google広告管理画面で課題を発見するポイントと対策

登録した広告の有効性を確認するうえで重要な6つの指標を確認したら、その数値を分析し、課題を見つけ出す必要があります。課題発見のためには、以下4つのポイントを意識しましょう。

  • 表示回数が少ない
  • クリック率が低い
  • コンバージョン率が低い
  • CPAが高い

ポイントごとに原因も対策も異なるため、自社の広告の状況を正確に分析することが重要です。

表示回数が少ない

広告の表示回数がそもそも少なければ、成果はなかなか上がりません。基本的に表示回数は広告費用に比例するため、表示回数を増やす最善の方法は広告予算を引き上げることです。そうすることで、キャンペーンの予算や広告グループの入札単価などを上げることができ、表示回数や目立つ位置に表示される機会も高められるでしょう。

クリック率が低い

広告におけるクリック率は、業界や広告の表示方法などによって差はありますが、リスティング広告だと5%程度が平均とされています。その数値を下回っている場合は、クリック率の改善に取り組む必要があると考えられます。

クリック率が低くなる要因には「広告自体の質が低い」「ターゲットがズレている」などが考えられます。クリック率を高めるために、ターゲットを今一度明確にし、広告のデザインやテキストを見直すことが重要です。

特にテキストは、数字を入れたり、質問形式にしたりするとユーザーの興味を引きやすくなります。また、A/Bテストを実施し、反応が良いものを選ぶのもおすすめです。

リスティング広告のクリック率を上げる施策を知りたい方は
https://ferret-plus.com/28285

コンバージョン率が低い

Google広告におけるコンバージョン率の平均は、リスティング広告で3.75%、*ディスプレイ広告で0.77%*という結果が出ています。

上記数値より下回っている場合は「具体的なキーワードを使っていない」「関係ないキーワードで検索されたときにも表示されている」などが考えられます。

広告のコンバージョン率を上げるためには、キーワードをより具体的なものに登録したり、不要なキーワードを除外したりするとよいでしょう。

参照元:WordStream

CPAが高い

業界全体でCPAを捉えると、リスティング広告では$48,96(約5,160円)ディスプレイ広告では$75.51(約8,000円)が平均という結果が出ています。業界によって金額の差はありますが、大まかな目安として上記金額を基準にするとよいでしょう。

CPAはコンバージョン数と広告全体にかかった費用で求めるものですので、CPAが高くなる要因は「コンバージョン数が低い」か「広告にかかる費用が増えた」のいずれかです。

対策としては、全体のコストを下げるためにクリック単価を下げたり、前項で述べたキーワードを意識した施策などでコンバージョン数を増やしたりといったものが挙げられます。

Google広告管理画面のレポート機能でチェックを自動化

登録した広告の効果検証は重要ですが、毎回Google広告の管理画面にログインしたり、分析レポートをダウンロードしたりするのは手間です。

そんなときには、Google広告の「レポート機能」を活用すれば、効果のチェックを自動化でき、担当者の手間を減らすことができます。

レポート機能の具体的な利用手順は以下のとおりです。

  1. 必要なレポートのページまで進む
  2. 「ダウンロード」ではなく、隣りにある「スケジュール」をクリックする
  3. 表示されたウィンドゥにレポートの提供先や頻度、レポート形式を設定する

「分析情報」から表示されたキャンペーンページ、「スケジュール」をクリック
11-スケジュール.png

「スケジュール」をクリック後に表示されるウィンドウ。以下の内容が設定できます。

  • スケジュールを共有する相手
  • 期間(一回限り、日別、週別、月別などの選択が可能)
  • ファイル形式((csv、pdf、pngなどの選択が可能)

これらを設定することで、レポートが自動的に送信されるようになります。

Google広告管理画面の見方を理解して、効率良く成果を上げよう!

Google広告は予算に応じた広告費用を設定できたり、広告に関するデータを可視化できたりする便利なツールです。さらに、管理画面で確認した数値を詳しく分析すれば、自社の広告にどのような課題があるかを見つけ出すことも可能です。

闇雲に広告を修正するのではなく、課題に合った対策をとれば、広告の成果を効率よく上げられます。広告改善には試行錯誤が必要であるため、管理画面の見方をマスターして効率的にGoogle広告を運用していきましょう。