今や誰もが知る楽天ですが、創業当時から順風満帆ではありませんでした。

しかし、今や野球チームやサッカーチームを保有し、世界のインターネット界隈でその名を知られる大企業です。

本記事では、楽天の歴史からWebサービスを成功させるためのヒントを見つけることにしましょう。

<目次>
学び1 安売りはするな
学び2 タイミングを外すことのほうがリスク
学び3 スケールしたら本業にプラス金融
学び4 どこにリソースを割くのかが重要
学び5 前のめりに挑め、ただしトラブルには真摯に取り組め

本文中の格言のような表現は、三木谷氏の言葉ではありません。編集部でまとめた言葉になります。

最初から大手を意識した強気の価格設定

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ネット通販が普及する以前の1997年、その年に楽天は産声をあげます。当時としては高額ともいえる月額5万円という利用料でショッピングカートシステムの提供を始めました。

ただ、それはシステム貸しではなくモール出店という現在のスタイルと同じものです。

無料の問い合わせフォームやカートシステムが入手できた時代に、歓迎されたとは言いがい状況からのスタートでした。また、ティザーサイト(予告サイト)で初動の会員獲得からスタートダッシュをかけるという、現在流行りのスタイルともまったく異なるアプローチです。

90年代に行われた数々のビジネスイベントで、小さなブースでスタッフがたった一人ひとりにチラシを配っていた時期もあったくらいです。しかし、そういう泥臭いことを実直にオペレーションできる強さが楽天にはあります。

学び1 安売りはするな、自分を信じて売り込み続けろ。

わずか3年で上場

そして、楽天はなんと3年で株式公開まで上り詰めます。

3年で上場といいますと、最近ではクラウドソーシングで有名なクラウドワークス、結婚情報SNSのみんなのウェディングなどがあります。

参考リンク創業3年でマザーズ上場…今話題のクラウドワークスってどんな会社? - NAVER まとめ
参考リンク新規上場した企業(IPO企業)の、設立から上場までの期間 | あらた監査法人

当時は、この大胆とも言える一手が、知名度向上に貢献し、後の2000年前半のインターネットバブルにも好感し、さらなる飛躍を遂げることになります。わかっていても、なかなかここまで前のめりに一歩を踏み切れる企業は少ないと思います。

また上場というのは、いろいろな力学が働く場所と聞きます。しかし、そういう追い風を味方にして、勝負するところでは勝負する。タイミングを逃すと体制を整えるのは難しいとも聞きますので、後の球団獲得も含めますと、ベストな選択だったと言えるのではないでしょうか。

レベルアップはできるときにしたほうが良いのです。

学び2 タイミングを外すことのほうがリスク。やるときは大胆にかつ徹底的にやれ。

参考リンク楽天株式会社: 楽天の歴史 | 企業情報

大胆な打ち手のもう1つの例

上場以後、楽天の大きなトピックとしては、こちらの買収があります。

2003/09/04 インプレス・インターネットウォッチ
「日立造船が保有するマイトリップ・ネットの全株式60,000株を323億円で譲り受けることで合意した。」

参考リンク楽天、「旅の窓口」のマイトリップ・ネットを100%子会社に

当時としては破格、かつ2015年2月現在でも、巨額とも言える300億円を越える買収劇です。当時とても話題になりました。ただ、さまざまなところで資金調達が行われている現状ほど、注目はされていなかったように思います。しかし、現在では楽天のEC事業の柱にもなっています。

旅の窓口からトラベルへ