小さく始め、少ないリソースでも運営できる体制を構築

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mercanがスタートしたのは、2016年5月。現在では、編集長を務める松尾氏のほかに、編集部には4、5名のメンバーが在籍しています。メンバーは全員、ほかの業務と兼任しながらmercanの運営に関わっています。松尾さんはHRグループに所属し、ほかのメンバーは広報やソウゾウのプロデューサーと兼務しています。

mercanを運営するにあたり、松尾さんが重視したのは小さく始めるだけではなく、なるべくコストをかけないで運用できる体制にすることでした。

「僕自身、日々の業務の中でmercanに使っている時間は2割以下です。基本的にはSlackのオープンチャンネルでコミュニケーションを取ります。ミーティングは週に1度行うだけ。そこでは、今進めている記事の進捗確認や新規の企画の相談、各部署の直近1ヵ月の動きを共有し、どのようにしてコンテンツに落とし込むかのディスカッションを行っています。短ければ30分で終わるミーティングです(松尾さん)」

各メンバーが他の業務と兼任であることは、少ないリソースでメディア運営ができること以外にも、社内から情報を集めやすいというメリットがある、と松尾さんは語ります。

「採用、広報、ソウゾウのプロデューサーと、編集部のメンバーは所属がバラバラです。なので、社内の情報が自然に集まりやすいチーム体制になっています。もしmercan専任であったら、今のように情報は集めにくいと思いますね。各々がどう事業に貢献するか、如何に魅力的な候補者にメッセージを伝えるのか、考えながらmercanにも取り組んでいるので、その視点から社内の情報を集めやすくなっています(松尾さん)」
  

コンテンツの質と更新頻度のバランスを取る

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松尾さんが「mercanに割くのは業務時間の2割以下」と語るように、mercanは必ずしも手間暇をかけてコンテンツを作り込み、更新するというスタンスではありません。

コンテンツのクオリティを追求するよりも、更新し続けることを大切にしています。最初は広報の中澤が「#メルカリな日々」という連載枠を担当して、些細なことでもメルカリでその日あったことを発信し、更新頻度を高く維持していました。メディア運営を続けていく中で、徐々に新しいコンテンツづくりに挑戦し、インタビュー記事などの手の込んだ記事をつくるようになり、記事のバリエーションを増やしていきました(松尾さん)」

コンテンツの質よりも更新頻度を重視する。そうは言っても、コンテンツのクオリティにこだわらないわけではありません。mercanでは「企画」にこだわり、コンテンツを作っていると、松尾さんは語ります。

コンテンツの質を決めるのは企画だと思っています。最初の企画の段階で、仮タイトル、導入部分、何を伝えたいのか、どのような反応が欲しいのかをまとめた企画書を作成します。企画さえ良いものになっていれば、あとはそれを伝えるために最低限の文章を書ければいいんです(松尾さん)」