オフラインでのユーザーのコンバージョンを計測すべきシーンは多くあります。例えば、広告をクリックして来店予約をしたあとに、実店舗で購入したような場合です。

オフラインコンバージョンを正確に計測できないと、広告予算の無駄遣いにつながる可能性がありますが、オンラインコンバージョンのように広告管理画面で確認できないため、「簡単に計測する方法はないのか?」「計測精度を高める方法はあるのか?」など気になる方は多いでしょう。

そこで、オフラインコンバージョンの基礎知識と設定手順、計測の精度を高めるコツを紹介します。

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目次

  1. オフラインコンバージョンとは?
  2. オフラインコンバージョンを計測するメリット
  3. オフラインコンバージョン未計測で発生する問題
  4. オフラインコンバージョン計測の設定手順
  5. オフラインコンバージョンの計測精度を高めるコツ
  6. オフラインコンバージョンを測定して広告戦略や集客戦略に役立てよう

オフラインコンバージョンとは?

オフラインコンバージョンとは、ユーザーがオフラインで行った行動を、コンバージョンとして設定して計測することです。

オフライン行動とそれに紐づくコンバージョンポイントには、以下のようなものがあります。

オフライン行動 コンバージョンポイント
・実店舗
・展示会、イベント
・電話、FAX、来店
・DM、チラシ
セミナー、研修会
・購入
・予約
・申し込み
・問い合わせ
・資料請求

オンラインコンバージョンとの違い

オフラインコンバージョンとオンラインコンバージョンの違いは、計測する顧客接点がオフラインか、オンラインかどうかです。Web広告やECサイトなどインターネット経由のコンバージョンは、オンラインコンバージョンに該当します。

以下はそれぞれのコンバージョンポイントのイメージです。

● 小売業の事例

  • リスティング広告を見る(オンラインCV)
  • 電話で商品を購入する(オフラインCV
  • 店舗で商品を購入する(オフラインCV
  • ECサイトで商品を再購入する(オンラインCV)

● 不動産業の事例

  • ポスティングチラシを見る(オフラインCV
  • Webサイトで物件について調べる(オンラインCV)
  • 電話で来店予約する(オフラインCV
  • 現地で物件を内見する(オフラインCV
  • 売買契約を締結する(オフラインCV

このように、オフラインコンバージョンとオンラインコンバージョンは、ユーザー動線(導線)上に複数設定されているケースが多いです。また、直接的につながっているポイントだけではなく、間接効果やアシスト効果についても把握しておく必要があります。

オフラインコンバージョンを計測するメリット

オフラインコンバージョンを計測するメリットは以下の3つです。

顧客行動を把握して購買プロセスを最適化できる

顧客行動をオンラインだけでなくオフラインも含めて可視化することで、顧客がどのように商品やサービスに興味・関心を持ち、情報収集をして、比較や評価を行い、購入やリピート購入に至るのか、購買プロセス全体を把握できます。

さらに取得したデータを分析することで、適切な価格設定、使いやすいWebサイトアプリの制作、スムーズな購入手続き、顧客が求めているサポートの提供などを実現できるようになり、売上や顧客満足度の向上につなげられます。

オフラインとの差異を調整して広告戦略のPDCAを回せる

オフラインコンバージョンの計測により、オンラインとの差異を調整して広告戦略のPDCAを回すことができます。

以下はコールトラッキング(電話計測)を実施した事例です。

オフィス移転サービス企業がAというキーワードのWeb広告を出稿しましたが、コンバージョンが少ないため広告費の削減を検討します。しかし、キーワードごとにコールトラッキング(電話計測)を実施したところ、広告Aを見て電話する顧客が多いことが判明。Aの配信続行でCPA(顧客獲得単価)を下げることに成功しました。

このように、オンラインとオフラインをかけ合わせることで、正確なプロモーションの設計予算の調整が可能になります。

分析結果を商品やサービスの改善に活かしたり、オフラインとオンラインを融合したマーケティング戦略を展開したりすることも可能です。

高精度なターゲティングで自動入札の精度が上がる

オフラインコンバージョンをWeb広告に紐づけることで、自動入札の精度をアップできます。

Google広告やYahoo!広告、Facebook広告などの広告プラットフォームには、自動入札機能があります。この機能は、オンラインコンバージョンなどのデータを基にして、機械学習を利用した最適化が実行されます。

オフラインデータを広告プラットフォームにインポートすることで、オフラインとオンラインの紐付けが可能となり、Web広告の自動入札を最適化できます。これにより、広告運用の効率化や売上向上が期待できます。

※オフラインコンバージョン計測の手順はこのあと紹介します。

オフラインコンバージョン未計測で発生する問題

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オフラインコンバージョンが未計測だと、広告費用対効果の測定が不十分になり、適切な予算配分や改善策の判断が難しくなります。

例えば、飲食店がWeb広告や店舗サイトで予約を受け付けても、店舗に直接電話したり、予約なしで来店したりするユーザーもいます。

オフラインコンバージョンを計測しなければ、効果的な広告キャンペーンが誤って打ち切られてしまったり、予算配分が最適でないまま運用が続けられてしまったりする可能性があるのです。

未計測による影響が大きいと考えられる業種

以下は、オフラインコンバージョンが未計測の場合の影響が大きいと考えられる業種です。

  • 緊急性が高いサービス:冠婚葬祭、水漏れ、家の修理、鍵の紛失、エステ・美容 など
  • 購入までの検討時間が長いサービス:保険、不動産、自動車、システム など
  • 事前予約が必須なサービス:飲食、旅行、宿泊 など

また、ターゲットの年齢層が高い場合や、仕組みが複雑な商品・サービスにおいても、オフラインコンバージョンの比率が高いため、未計測による影響が大きいと考えられます。

オフラインコンバージョン計測の設定手順

ここでは、各広告プラットフォームから手動インポートでオフラインコンバージョンのデータをアップロードする方法を紹介します。

Google広告の設定手順

最初にコンバージョンアクションを作成してから、オフラインコンバージョンデータをインポートします。

1. コンバージョンアクションを作成する

オフラインコンバージョン_2.jpg

左側のメニューから「目標」>「+新しいコンバージョンアクション」を選択します。

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コンバージョンの測定方法から「インポート」>「他のデータソースまたはCRM」>「クリック経由のコンバージョンをトラッキング」を選択します。

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目標とアクションの最適化で「コンバージョンに至った見込み客」>「コンバージョン名」を入力>「全てのコンバージョンに価値を割り当てる」>「全件」を選択します。

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アトリビューションモデルで「外部のアトリビューションモデルを使用」>「作成して続行」をクリックします。

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オフラインコンバージョンのインポートから「アップロード」>「GoogleクリックIDで続行」をクリックします。

最後にGCLIDGoogle Click Identifier)の設定が必要です。この設定を完了するには、Google広告アカウントで自動タグ設定を有効にして、GCLIDがフォームや購入データと一緒に保存されるよう設定する必要があります。

GCLIDの詳しい設定方法や手順はGoogle広告ヘルプページを参照ください。

2. オフラインコンバージョンデータをインポートする

Google広告にオフラインコンバージョンのデータをインポートする方法を紹介します。

オフラインコンバージョン_7.jpg

「目標」>「アップロード」>「+ボタン」をクリックします。

オフラインコンバージョン_8.jpg

テンプレートをご覧ください。」をクリックして「通話によるコンバージョン」からテンプレート(Excel、CSV、Googleスプレッドシート)を開きます。

オフラインコンバージョン_9.jpg

任意のテンプレートに必要項目を入力して保存したら、再度「目標」>「アップロード」をクリックします。

「コンバージョンのアップロード」メニューが表示されるので、任意のファイル(ここではGoogleスプレッドシート)を選択して「既存のGoogleスプレッドシートをリンクします」をクリックしてデータをアップロードしてください。

これで、Google広告の管理画面にオフラインコンバージョンの詳細が表示されるようになります。

Yahoo!広告の設定手順

Yahoo!広告も、Google広告と同じ流れで設定します。

1. コンバージョンアクションを作成する

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Yahoo!広告を開いて「ツール」>「コンバージョン測定」>「コンバージョン測定の新規設定を選択」を選択します。

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コンバージョン種別で「インポート」を選択して「設定を保存」をクリックします。これでコンバージョンアクションの作成は完了です。

2. オフラインコンバージョンデータをインポートする

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「ツール」>「コンバージョン測定」>「インポート」>「テンプレートのダウンロード」>「新規用のテンプレートをダウンロード」を選択します。

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テンプレートに必要事項を入力して、「アップロード」>「ファイルを選択」>「新規追加」を選択して、左下の「アップロード」をクリックして完了です。

Facebook広告・Instagram広告の設定手順

Facebook広告とInstagram広告は同じ管理画面を使用しています。

1. オフラインイベントの追加

faxebook-オフラインコンバージョン設定__オフラインイベントの追加.jpg

「ビジネス設定」から「データソース」>「オフラインイベントセット」>「追加」をクリックします。

2. 名前を入力

axebook-オフラインコンバージョン設定_名前を入力.jpg

オフラインイベントセットの名前を入力して「作成する」を選択します。説明は任意で使用用途などを記載しましょう。

3. 広告アカウントの選択

faxebook-オフラインコンバージョン設定_広告アカウントの選択.jpg

広告のパフォーマンスをトラッキングする広告アカウントを選択します。

4. イベントセットへのアクセス許可と自動トラッキング設定

自動トラッキングをオンにすると、新しい広告アカウントがこのイベントセットに自動的に割り当てられます。新しい広告を作成したときに、作成中のオフラインイベントセットがデフォルトに設定されます。

5. ユーザーの追加とアクセス許可の設定

faxebook-オフラインコンバージョン設定_ユーザーの追加とアクセス許可の設定.jpg

担当者(ユーザー)の選択とアクセス権限の設定を行います。権限は担当者の役割に合わせて設定ください。ここでは全権を付与しています。選択後、「アクセス許可を設定」をクリックします。

6. 設定完了

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最後に「完了」を選択します。

参考:オフラインイベントセットを作成する

オフラインコンバージョンの計測精度を高めるコツ

ここでは、電話コンバージョンにおける計測精度を高めるコツを紹介します。

コールトラッキングツールを導入する

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コールトラッキングツールは、広告毎に異なる電話番号を設定できるので、Webサイト、チラシ、雑誌、TVなど、あらゆる電話反響を自動的に可視化できます。

電話コンバージョンを最大化するための機能や、電話応対の取りこぼしによって生じる機会損失を防ぐための機能も搭載されているので、広告の費用対効果を正確に算出できます。

コールトラッキングツールと広告プラットフォームを連携する

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コールトラッキングツールと広告プラットフォームを連携させましょう。先ほど説明した手動のインポート・アップロード作業が不要になるため、運用工数を削減できます。

導入後は自動で収集される入電経路や、経路ごとの成約数を分析することで、広告予算の最適化を実現できます。

オフラインコンバージョンを測定して広告戦略や集客戦略に役立てよう

オフラインコンバージョンを測定することで、効果的なキャンペーン広告予算を集中できるほか、無駄なコストを削減することも可能です。

電話コンバージョンを設定する際は、コールトラッキングツールを導入しましょう。Web広告の効果を最適化するとともに、不在着信や通話中の機会損失を明らかにし、電話応対品質の向上にもつなげられます。広告戦略、集客戦略としてぜひ役立ててください。