今回解説するAISASAIDMAは、消費者の購買行動の心理プロセスを分解したフレームワークです。フレームワークを利用することの利点は、商材に対する消費意識の移り変わりが可視化できることです。可視化により、広告などの広報戦略をどういった目的で展開すれば良いのかがわかりやすくなります。

特にAISASインターネットが普及したあとに提唱されたフレームワークであり、しっかりと理解することで、マーケティング戦略の構築や広告の効果測定に活かすことができます。

AISASとは

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AISASは大手広告代理店の電通が2005年に商標登録しました。SearchとShareという消費者の能動的な行動が分析されていることが特徴です。検索エンジンで商品を探し、商品を購入したあとにブログTwitter、Facebook、Instagramなどに投稿することが一連の消費行動になっている現在では、マーケティング戦略で重要なフレームワークとなっています。

AISASは以下の5段階で分析されます。

Attention :商品やサービスを知る
Interest : 興味を持ち、理解する
Search :商品を検索する
Action :実際に購入する
Share :シェアをして周囲に知らせる

例えば、商材の認知度が低ければAttentionの部分に課題があり、興味はあるけれど購入まで結びつかなければSearchに課題があります。前者ではマスメディアなどを通じた広告戦略を考える必要があり、後者ではSEO対策などで、検索順位を上げることが有効になるでしょう。

フレームワークは実際に各項目を書き出すことで現状を把握することが重要です。顧客の状態を把握することで、各状態に対するコミュニケーション目標を立てることができるからです。

AIDMAとは

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AIDMA(アイドマ)は、1920年代に米国の著作家であるサミュエル・ローランド・ホールが提唱しました。ユーザーによる商品の「認知」から「行動(購入)」までの消費活動を分析するためのフレームワークです。

インターネットが普及する前に考えられた概念のため、現在の購買行動に足りない部分もありますが、住宅や自動車といった、商材の認知から実際に購入を決定するまでの期間が長い商材に有効的なフレームワークとされています。

AIDMAは主に以下の5段階で分析されます。

Attention : 商品やサービスを知る
Interest : 興味を持ち、理解する
Desire : ニーズを喚起する
Memory : 記憶に残り、購入意思が高まる
Action : 実際に購入する

AISASをはじめ、様々なフレームワークが考案されている現在では、以前よりも利用されることが少なくなっています。

まとめ

商品の戦略を立てる際に最も重要なのは「自社のユーザーがどのような消費行動をとっているか」を把握することです。

フレームワークを利用することで、消費者意識を可視化し、ユーザーの行動を体系的に捉えることができます。特に主要なフレームワークであるAISASからはSNSなどのインターネット上の行動に対する課題を抽出できるでしょう。