検索エンジンマーケティング施策を行う上で、よく耳にするのが「SEO」と「SEM」の2つのキーワードです。SEOについては広く認知されているものの、SEMの正確な意味を把握できている方は案外、少ないかもしれません。

そこで、「SEOSEM」の違いに焦点を当てて、それぞれの言葉の定義についてだけでなく、使い分けるポイントや施策例注意点などについても解説します。

目次

  1. SEOとSEMの違い
  2. SEOとリスティング広告の違い
  3. SEOとリスティング広告を使い分けるポイント
  4. ケース別SEMの施策例
  5. SEMを実施するステップ
  6. SEMの注意点
  7. 自社サイトの課題に応じて施策を使い分けよう

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SEOとSEMの違い

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SEO検索エンジン最適化)とは、集客のために自社コンテンツの品質改善を行って、検索上位に表示されるよう対策を行うことです。

一方、SEM検索エンジンマーケティング)とは、検索エンジンを利用して集客を図る施策全体のことを指すため、SEOリスティング広告も両方SEMに含まれます。

SEOとは

SEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称で、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンで検索した際、検索結果ページの上位に自らのWebサイトコンテンツを表示させるために行う最適化施策のことです。

SEOとリスティング広告.png

リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索キーワードに基づいて表示される有料の広告です。リスティング広告には、以下3つの種類が存在します。

● 検索連動型広告

検索エンジンの代表とされるGoogleとYahoo! JAPANでよく見られる広告です。ユーザー視点でもっとも目を引く検索結果の上部に表示され、リンクURLの前に「広告」などと明記されます。

● ディスプレイ広告

GoogleやYahoo! JAPANが提携している、パートナーサイトに配置される広告です。パートナーサイトには企業や個人のブログなどが該当し、サイドバナーコンテンツの上部などに掲載される場合が多く見られます。

● リターゲティング広告

過去に1度以上、自社サイトを訪れたことのあるユーザーにターゲットを絞って配信する広告のことです。

例えば、あるサイトで商品・サービスに関する情報を見ていて一度サイトを離脱、その後別のWebサイトやSNSを見ている時に、過去に自分が見たサービスの広告が表示される、といったものです。

SEOとリスティング広告の違い

下記は、SEOリスティング広告の違いを表にまとめたものです。

両者を比較すると、SEO中長期的に効果を獲得できる施策、リスティング広告短期的な成果獲得を期待できる施策だと言えます。

SEO 比較項目 リスティング広告
上位表示に数カ月の時間を要する 上位表示の即効性 出稿後に審査を通過すればすぐに表示可能
上位表示は不確実 上位表示の確実性 予算を投じれば上位表示は確実
一度上位表示されると上位表示が続く 流入獲得の継続性 予算を投じなければ表示されなくなる
上位表示されればより多くのクリックを獲得しやすくなる クリック率 広告を拒否するユーザーもいる
検索エンジンのアルゴリズム変更の影響を受けやすい 外部の影響 競合の参入状況によって運用状況が変わりやすい
中長期的に費用対効果が高まる 費用対効果 費用対効果は一定
上位表示された後の運用の手間が少ない 運用コスト 配信を続けるためには必ず予算が必要
対策キーワードの変更は困難(ユーザーニーズ次第) コントロール性 予算やキーワードなど運用状況に応じて柔軟に変更できる
期待できる ブランディング効果 期待できない

SEOとリスティング広告を使い分けるポイント

SEOリスティング広告はそれぞれメリット・デメリットがあり、解決したい課題によってどちらの施策が適しているかが異なります。ここでは、使い分けのポイントを解説します。

両者の弱点を補完する

SEOには「短期間に成果を求めるのは難しいが、費用対効果やブランディング効果は高い」、一方リスティング広告は「短期の成果獲得に向いているが、常に予算を投じ続けなくてはならない」など、両者それぞれにメリット・デメリットがあります。

そこで「両者の弱点を補完する」という視点で考えてみましょう。

「自社が今、優先的に解決すべき課題は何だろう?」と考え、効果の高い施策を選ぶのがおすすめです。

>
SEOはしばらく続けてきて、少しずつ上位表示にランクインできるようになった。しかし「短期間で多くの新規顧客を獲得する」という現時点の課題をスピーディーに解決したい
→短期間にピンポイントでリスティング広告に取り組む

今まで長らく、リスティング広告に取り組んできた。 しかし常に費用を投じなければならないので、施策の費用対効果に疑問を感じている
→リスティング広告は一時ストップして、SEOをはじめる

短期・中長期の計画で使い分ける

一般的には、短期的に効果を出したいなら「リスティング広告」、継続的に効果を出したいなら「SEO」が適していると考えられています。

リスティング広告なら、SEOで上位表示されるサイトよりも、さらに上部に表示されます。その結果、自然と多くのユーザーの目に留まることになり、認知度やクリック率のアップが狙えます。

ただし長期的な視点では、リスティング広告で目立つ箇所に表示されるサイトより、SEOで上位表示されているサイトのほうが価値が高いと認識されることが多いと言えます。

その理由として「広告を拒否するユーザーもいる」「いつも上位表示されるサイトはユーザーおよび検索エンジンの両方から高評価につながりやすい」といったことが挙げられます。

よって、中長期的にブランディングを強化したい場合にはSEOに取り組むほうが良いでしょう。

ケース別SEMの施策例

ここからは、企業課題に応じたおすすめのSEM施策例を解説します。

ケース1:短期的に成果を上げたい

  • 課題:短期的に新規顧客を獲得したい
  • おすすめのSEM施策:リスティング広告

短期的な成果を求めるなら、取り組むべき施策は「リスティング広告」です。広告コピーなどを設定して、広告審査に通ればすぐに検索結果画面上部の目立つところに表示されます。

ユーザーニーズに合ったキーワードを適切に設定できていれば、短期で集客数アップ、コンバージョン獲得を図ることができます。

ケース2:費用を抑えて集客したい

  • 課題:集客施策は必要だが、費用面は抑えたい
  • おすすめのSEM施策:SEO

費用をかけたくないなら、SEOがおすすめです。外部の専門会社に依頼しないで、インハウスで取り組むなら、自社内の人件費だけで済み、外注費はかかりません。

ただし、中長期的な取り組みだと理解したうえで、SEOの専門知識を少しずつ身につけながら、日々実践を積み重ねていく必要があります。

その結果として、自社コンテンツが上位表示されるようになれば、集客数アップを期待できるだけでなく、ブランディング効果も期待できます。

ケース3:成果を最大化したい

  • 課題:検索による集客を最大化したい
  • おすすめのSEM施策:リスティング広告SEOの併用

集客の成果を最大化したいなら、リスティング広告SEOの併用がベストです。

リスティング広告で集客できるキーワード」「自然検索で上位表示されるキーワード」両方の強みを持っていれば、ユーザーの目に留まる機会が増え、集客数アップとコンバージョン獲得を期待できます。

また、広告でも自然検索でもいずれも上位表示される状態を作り出せたら、コンテンツへの信頼度も高まるでしょう。

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SEMを実施するステップ

SEM施策を実施する前に、押えておくべき3ステップがあります。以下のポイントを理解することで最適なSEM施策を実践でき、成果獲得に繋がります。

1. 目標・計画を定める

まずは取り組みの目標・計画を明確にしましょう。

例えば「短期で集客効果を高めたい」「ある程度時間がかかってもいいから、費用をなるべく抑えて集客したい」といったことです。

  • 目的(施策によって実現したいゴール)
  • どれくらいの時間をかけて行うべき取り組みなのか

を考えてみましょう。

2. 集客したいターゲットとニーズを整理する

どのようなユーザーを集客したいのかを明確にしましょう。

  • どのようなユーザーの
  • どのような悩み・課題を
  • 自社がいかに解決できるか

の3つを考えると良いでしょう。

「新規顧客」か「リピート顧客」かによって、どのようなコンテンツをより多くのユーザーに届けるべきか、実行すべき施策が異なります。

例えば、「白髪染め用のカラーシャンプー」という商材の場合を想定してみましょう。たとえ同一の商材であっても、集客したいターゲットとニーズによって、その後取るべき施策は変わってきます。

例1>
まだこの商品を知らない人に短時間でラクに、自宅で白髪染めができることを自社商品を知って、試して、白髪染めの煩わしさから解放されて欲しい
→新規顧客を一人でも多く獲得するために、商品販売用ランディングページをリスティング広告として出稿する例2>
既にこの商品を知っている人に商品の正しい使い方や、仕上がりがうまくいくためのちょっとしたコツを深く理解してもらいリピート利用を促し、白髪染めの煩わしさから解放されて欲しい
→中長期的に、より多くのユーザーから商品理解を獲得するために、ハウツーコンテンツを作成し、SEOに取り組んで検索上位表示を狙う

3. ユーザーのサイト流入後の行動を分析する

ユーザーのサイト流入後の行動を分析してみましょう。

例えば、商品を売るためにランディングページを公開しているものの、アクセス解析を見るとランディングページ離脱率が非常に高かったとします。

離脱率の高さは「流入したユーザーがページに満足していない」といった課題を示唆しています。

そのような課題を抱えている場合に、闇雲に予算を投じてリスティング広告への取り組みを続けても、さらなる離脱を生むだけです。ページの品質改善、すなわちSEOを優先的にやるべきです。

つまり、アクセス解析データと向き合い、自社サイトの課題を特定することが、次に取るべき施策の最適な判断につながるのです。

SEMの注意点

SEMにおいて最も意識するべきは企業側の考えや視点ではなくユーザー視点です。

自社のターゲットユーザーが求める情報は何か、どのように調べるのか、どのような表現であれば見たいと思ってくれるのか。

このような視点を念頭に置いたうえで施策に取り組みましょう。

自社サイトの課題に応じて施策を使い分けよう

SEMにおいて、「SEO」「リスティング広告両者とも重要な取り組みだと言えます。SEOリスティング広告は、それぞれにメリット・デメリットがあり、ケースによってどちらが適しているかは変わります。

一般的には、短期的に効果を出したいなら「リスティング広告」、継続的に効果を出したいなら「SEO」が適していると考えられています。

今の自社の状況を踏まえ、目標を定めたうえでどちらを活用すべきか検討してみると良いでしょう。

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