検索エンジンマーケティング施策を行う上で、よく耳にするのが「SEO」と「SEM」の2つのキーワードSEOについては広く認知されているものの、SEMの正確な意味を把握できている方は案外、少ないかもしれません。

そこで、今回は「SEOSEM」の違いに焦点を当てて、それぞれの言葉の定義についてだけでなく、費用や効果をくわしく解説します。検索エンジンに関する効果的なマーケティングをするために重要な知識ですので、この機会に知識をインプットし、活用してみましょう。

目次

  1. SEOはSEMの一部
  2. SEOの定義・費用・効果
    1. SEOの費用
      1. 成功報酬タイプ
      2. 月額支払いタイプ
      3. コンサルティングタイプ
    2. SEOの効果
      1. 高い集客率が見込める
      2. 呼び込みたいユーザーを集客できる
      3. ブランディングができる
  3. リスティング広告の定義・費用・効果
    1. リスティング広告の定義
      1. 検索連動型広告
      2. ディスプレイ広告
      3. リターゲティング広告
    2. リスティング広告の費用
      1. 問い合わせ件数を指標にする場合
      2. 売上額を指標にする場合
    3. リスティング広告の効果
  4. SEOとリスティング広告の違い
    1. 費用について
    2. クリック率について
    3. 外部の影響について
    4. コントロール性について
  5. まとめ

SEOはSEMの一部

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称で、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンで検索した際、検索結果ページの上位に自らのWEBサイトやコンテンツを表示させるために行う、一連の最適化施策のことです。

一方、SEMとは「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング )」の略称で、検索エンジンにおけるマーケティングの総称にあたります。SEMには有料の広告枠である「リスティング広告」のほか、「SEO」も含まれます。

言い換えれば、SEOSEMの一部に当たります。
SEOSEMを同じものとして捉えている人もいるようですが、それは誤っているため注意しましょう。

SEOの定義・費用・効果

SEOは文字通り、サイトを検索エンジンの仕組みに最適化することを指します。
SEOについては、よく「検索順位をあげること」や「検索結果からのコンバージョン率を高めること」といった定義がされることもありますが、それらは全てサイトが検索エンジンに最適化された結果の話であるため、厳密にいえばSEOの定義とは異なります。

Googleのガイドラインに従ってユーザーにとって扱いやすく情報を入手しやすいサイトを作ることがSEOであるといえます。

SEOの費用

WebサイトSEO対策を外部企業に委託する場合、かかる費用は会社によって様々です。
支払いのタイプは、大きく分けて「成功報酬タイプ」「月額支払タイプ」「コンサルティングタイプ」の3タイプが存在します。

成功報酬タイプ

成功報酬タイプは、狙ったキーワードでサイトやコンテンツが上位表示された場合に報酬が発生するタイプです。
施策内容によって見積もりは異なりますが、いわゆる内部施策やコンテンツマーケティングの記事作成などが主だった内容であると思われます。
リンクビルディング(被リンク施策)については、ペンギンアップデートが施行されてから下火になっていますが、提案内容に盛り込まれていることもあります。
リンクの効果とリスクを十分に理解した上で発注を検討しましょう。

それぞれの費用の目安は、以下のとおりです。
1、内部のSEO施策:月間3万円〜30万円
2、記事作成のSEO対策(1記事あたり):1万円〜5万円

内部対策の実施範囲やサイト規模などにより、見積もりは大きく変動します。
業者に相談する前に、課題をはっきりさせたうえで実施範囲を明らかにすると見積もりが取りやすく明確になるでしょう。
記事を作成する場合でも、記事の専門性や文字数、依頼するライターなどによって金額が変動します。
記事作成にあたって1文字あたりの相場は近年上昇傾向にあり、2019年4月現在は4円前後が相場になっています。

月額支払いタイプ

「月額固定の支払いタイプ」も標準的な支払方法です。
施策の内容は会社によって異なりますが、サイト内部のSEO対策が中心になることが多いでしょう。
費用の相場は、「1ヶ月につき3万円〜30万円」と言われていますが、狙うキーワードや求める効果によって、さらに加算される可能性もあります。

コンサルティングタイプ

主に中小企業向けに、SEO対策についてコンサルティングを行うタイプです。
SEOに効果的なサイト設計や内部SEO対策の指示のほか、コンテンツ企画やライティングのアドバイスがメインになります。
費用の相場は、「1ヶ月につき10万円〜30万円」と他の2タイプと比べて高額です。

金額だけを見ると成功報酬タイプがもっとも低いものの、これは1キーワード・1記事あたりの費用なので、複数依頼する場合は月額タイプやコンサルティングタイプと同様の金額になることもあるでしょう。
また、どのタイプも上記費用のほかに初期費用が発生する場合もあります。

SEOの効果

正しくSEO対策を行った結果、検索ページの上位に表示されれば、多大なメリットがあります。そのメリットを以下で詳しく解説していきます。

高い集客率が見込める

検索ページの上位に表示されることで、多くのユーザーにサイトをクリックしてもらえる見込みがあります。
多くのユーザーは、検索結果で上位表示されたサイトを信頼してクリックする傾向があり、検索順位が上がれば上がるほど、高い集客率を望めます。

サイトが上位表示され、その状態をキープできれば、インターネット上での集客を優位に進めることができるのです。

呼び込みたいユーザーを集客できる

検索エンジンを使用するユーザーは、すでにそのサービスや商品に関心があり、購入する意欲も高いユーザーです。
狙ったキーワードで上位表示させることができれば、呼び込みたい属性のユーザーが自然と集まり、結果的に購入や申込みの増加につながります。

ブランディングができる

検索エンジンを利用するユーザーは、「検索エンジンで上位表示されること=その業界で質の高いサービスや情報を提供している」と見なす傾向があります。
よって、サイトが上位表示されることにより、人気の獲得や自社のブランド力の向上も見込めます。

リスティング広告の定義・費用・効果

SEOと並び、SEMで行われるもう一つの施策である「リスティング広告」についても、詳しくみていきましょう。

リスティング広告の定義

リスティング広告とは、検索結果に基づいて表示される有料の広告です。リスティング広告には、以下の3つの種類が存在します。

検索連動型広告

検索エンジンの代表とされるGoogleとYahoo! JAPANでよくみられる広告です。ユーザーがもっとも目にする「検索結果の上部」に表示され、リンクURLの前に「広告」などと明記されています。

ディスプレイ広告

GoogleやYahoo! JAPANが提携している、パートナーサイトに配置される広告です。パートナーサイトには企業や個人のブログなどが該当し、サイドバナーコンテンツの上部などに掲載される場合が多く見られます。

リターゲティング広告

広告主のWEBサイトを訪問したユーザーのネット上の行動を追跡し、他のサイトの広告枠でも広告主の広告が表示される仕様のものです。例えば、A社の公式サイトを見たあと、B社のサイトを訪れたら、B社の広告枠にA社の商品広告が表示される、という仕組みです。

リスティング広告の費用

リスティング広告の費用は、クリックされるごとに広告費が発生する「クリック課金方式」と、広告が1,000回表示されるたびに課金される「インプレッション課金方式」があります。

広告費用は、キーワードごとに設定されている「クリック単価」を目安に割り出す必要があり、これはGoogleなら「キーワードプランナー」、Yahoo! JAPANなら「キーワードアドバイスツール」を使って調べることができます。クリック単価キーワードによる価格の変動が大きく、10円以下から3,000円以上のものまでさまざまです。

広告費の算出方法として、一般的な「問い合わせ件数」と「売上額」を指標にする計算方式をご紹介しましょう。

問い合わせ件数を指標にする場合

クリック単価 ÷ 成約率 × 問い合わせの目標件数 = 1ヵ月の広告

例えば、クリック単価(300円)、成約率(0.01)、問い合わせ件数(30件)の場合は、300÷0.01×30=90万円 が1ヵ月の広告費となります。

売上額を指標にする場合

クリック単価 ÷ 成約率 ×(売上目標 ÷ 客単価) =1ヶ月の広告

例えば、クリック単価(200円)、成約率(0.01)、売上目標(50万円)、客単価(1万円)の場合は、200÷0.01×(500,000÷10,000)=100万円 が1ヵ月の広告費となります。

最低限の予算で小さくスタートしたい場合は、指標となる問い合わせ件数や目標額を最低限まで落として割り出してみるといいでしょう。

リスティング広告の効果

リスティング広告の効果は、基本的にはSEOと同じです。検索連動型広告なら、SEOで上位表示されるサイトよりもさらに上部に表示されるため、自然と多くのユーザーの目に留まることになり、認知度・クリック率のアップが狙えます。

ただし、リスティング広告で上位に表示されるサイトより、SEOで上位表示されているサイトのほうが価値が高いと認識されることが多いため、ブランディングでの活用はSEOより劣ると言えるでしょう。

SEOとリスティング広告の違い

最後に、SEOリスティング広告の違いについて、費用・クリック率・外部の影響・コントロール性を項目別にみていきましょう。

費用について

リスティング広告に関しては、クリック課金にせよ、インプレッション課金にせよ、表示またはクリックされれば費用が発生します。
一方、SEOは自社で対応ができるのであれば外注が不要になるため、外部に支払う費用は発生しません。
しかし、人気業界の場合、上位表示をキープするのは簡単ではなく、サイト改修やコンテンツの作成を外注すると費用が発生することは免れないでしょう。

クリック率について

リスティング広告より、SEOで上位表示されたサイトのほうが、クリック率は上がる傾向にあります。
上述の通り、リスティング広告で上位表示されるサイトよりも、検索エンジンの評価で上位表示されるサイトのほうが信頼性が高いことや、ユーザーは「明らかに広告である」と判断できるものは拒否する習性を持つことなどが理由です。

外部の影響について

リスティング広告は、同じキーワードで上位を狙う競合企業がいくらで入札するかによって、表示順位が入れ替わります。
そのため、日々、入札額をチェックし、運用する手間が発生します。競合が多くなればなるほど広告の運用が難しくなり、外部要因の影響を受けやすくなります。

一方、SEOは対策をしてすぐに効果が出るものではないため、リスティング広告ほど細かい運用が求められることはありません。
しかし、アクセス解析などを行いながら、長い目でサイトを育てていく必要があります。

コントロール性について

コントロール性の高さでいうと、圧倒的にリスティング広告のほうが上になるといえます。
予算・キーワード・入札額などを自由に変更することによって、検索ページの上部に表示させることが容易にできるためです。

一方、SEOは施策を行ってすぐに順位が変動するわけではなく、ある程度の期間を要します。また、検索順位を決めているのは検索エンジンのアルゴリズムであるため、この評価基準は媒体側の意向により変動します。その影響を免れることはできないため、検索順位をコントロールすることが難しいです。

まとめ

検索エンジンマーケティングをするうえで、重要になるのが「SEO」や「リスティング広告」を含む「SEM」です。
SEOリスティング広告は、それぞれにメリット・デメリットがあり、ケースによってどちらが適しているかは変わります。

一般的には、短期的に効果を出したいなら「リスティング広告」、継続的に効果を出したいなら「SEO」が適していると考えられています。
今の自社の状況を踏まえ、目標を定めたうえでどちらを活用すべきか検討してみると良いでしょう。