「マーケティング」は必要なのか?

「マーケティング=お客さまを理解する、お客さまの視点に立つ」と定義すると、必要

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**[primary]富家氏:[/primary]**マーケティングの定義は人によって異なると思っています。例えば、「マーケティング=お客さまを理解すること、お客さまの視点に立つこと」と定義した場合に、今BtoBにはマーケティングは必要です。BtoBにおいてもお客さまの購買行動はすごく変化していて、今回のようなオンライン配信も3年前なら考えにくいこと。

**[primary]酒居氏:[/primary]**10年、20年前の話ではなく、ここ数年の話ですよね。

**[primary]富家氏:[/primary]**どのようにコミュニケーションしていくか、企業のやり方をどう変えていくか、という時にお客さまの視点が欠けると、ツールドリブンになったり、施策ありきの議論になります。そのため、BtoBBtoC問わず、マーケティングの考え方やスキルは必要だと感じています。

自身で情報を調べる買い手に対して、最適なチャネルで情報を届けるためには必要

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**[primary]戸栗氏:[/primary]**10〜15年前までは、圧倒的に売り手(企業側)が情報を一方的に持っていましたが、売り手と買い手のバランスが、近年はインターネットソーシャルメディアが発達し、様子が随分変わってきました。今は買い手自身がどんどん情報を調べる時代になり、その流れに合わせていかないと、BtoBのどんなニッチな企業でも結果を出すことが非常に難しいです。その点で、マーケティングは必要。

**[primary]酒居氏:[/primary]**いわゆる「インバウンドマーケティング」をどんどん促進していく、ということですね。

**[primary]戸栗氏:[/primary]**アメリカのある著書の中で、いま57%がカスタマージャーニーを買い手自身で終わらせている、と言われています。買い手の傾向に合わせてBtoBの企業もマーケティングをしていき、お客さまが必要としている情報をきちんとしたチャネルで届けるのが非常に重要になります。

**[primary]酒居氏:[/primary]**これをやればいい、という方程式があるわけではなく、富家さんが仰った通り、お客さまを基軸にして、その方達に伝えるためには何が必要なのか?最初にWhatがあってHowの議論が始まる。だからこそ、ちゃんとお客さまから来てくださるようなマーケティングの形がどんどん出来てくる、ということですね。

顧客獲得、リードジェネレーション…マーケティングは何においても必要

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**[primary]岩熊氏:[/primary]**企業の企業活動において、「マーケティングという行為をすべきなのか」という点において、もちろん必要だと思います。最近ではBtoBBtoCでさまざまなプロダクトが出てきていますが、今担当している電子契約のドメインでも競合は米国等を含めるとたくさんあり、サービスもコモディティ化していくなかで、きちんと「お客さまに選ばれるためのファーストタッチを作ること」という意味でマーケティングは重要です。

さらに我々のサービスの特性として、日本で初めてクラウド型の電子契約のサービスをリリースしましたが、当時今ほどプレイヤーが存在せず、マーケットを作るフェーズを身にしみて経験し、その際にも時流に合わせたマーケティングはやはり必要だったと当時を振り返っても思います。

マーケティングの専門ではないので、今のマーケティングチームを見ていると、やっていることが、SATORIさんでいうところのMA(マーケティングオートメーション)やオフラインのマーケティングも含めて細分化されており、それぞれの細分化されたロールの中でのスキル性や専門性が求められているので、これは企業活動の中でのマーケティングというロールだけではなくて、きちんと専門性を発揮する部署部門を作り、そういった方々をアサインしていくというのが必要です。

**[primary]酒居氏:[/primary]**クラウドサインさんや、SaaSと言われるスタートアップ企業からすると、最初にプロダクトを作り営業中心に販売を進めることはあるかもしれないが、あるタイミングで、マーケティングの考え方を取り入れていくのは自然な流れだと思います。

逆にクラウドサインで、「(マーケティングの考えが)なかったら・・・?」というイメージはつきますか?取り組み自体が考えなしに進んだ場合に、今のクラウドサインさんの成長ぶりはどうなっていたのでしょうか。

**[primary]岩熊氏:[/primary]**意識的に「マーケティング活動をするぞ」と思っていなくても、マーケティングに近しいことはおそらく何かしら手をつけているはずです。我々SaaSというドメインで事業展開をしていて、リテンションビジネスにおけるモデルがありますが、どのように顧客獲得をしていくか、認知やその先のリードジェネレーションだったり、そこにはマーケティングが何かしら絡むため、やらないという想像がつきません。