テーマ3.組織間(部門間)の壁をいかに突破するか

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役割分担や数値を明文化し、定期的なコミュニケーションの場を設ける

**[primary]戸栗氏:[/primary]**先ほどの話に繋がりますが、マーケティング部の方が企業の中で比較的力が弱く、結果的に壁ができている企業は多いです。

**[primary]酒居氏:[/primary]**なぜ、企業内においてマーケティング部が力関係で弱い、という構造になるんでしょうか?

**[primary]戸栗氏:[/primary]**感覚的ですが、売上に直結している営業部の方が当然声は大きくなります。もう一つは、組織の中で営業の人数が圧倒的に多いことです。

**[primary]酒居氏:[/primary]**そんななかで、どのようにその壁を壊して連携していけるのでしょうか?

**[primary]戸栗氏:[/primary]**前職では、マーケティング部と営業部のマネージャー層が週に1度または月に1度必ずミーティングを行っていました。お互いにパスし合うリード(見込み)の定義や役割分担を文書化し、数値で管理。当たり前ですが、これを徹底することで、メンバー間のハレーションが起きにくくなりました。

また、ランダムに決まった社内の相手と週1または月1でランチやコーヒーを飲みに行くという制度があり、そのような制度を通して人としての距離が近づきます。部門間で、お互いどんな仕事をしているか、どんな性格なのか、がわからない状況であったため、これらの社内制度は非常に有効でした。

部門間で話す場を固定で作り、新たなカルチャーを醸成

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**[primary]酒居氏:[/primary]**カスタマーサクセスとマーケティング部の連携という観点では、実際どのように連携されていますか?

**[primary]岩熊氏:[/primary]**事業や企業のフェーズによって、ぶち当たる壁ができては超えて、の繰り返しだと思います。部門といっても中にいるのは人なので、人同士の距離を近づけたり、双方の部門を尊重し合うようなカルチャーを作りましょう、というのはスタートアップの初期の段階で、中長期的にみても重要な施策です。

その次に実際に起きたことが、部門ごとの個別最適化された数値を追ってしまうことで、未達の要因を他部門のせいにしたり、他部門の数字に関して興味関心がない、獲得したお客さまに対して興味を持たない、といったことが発生しました。

**[primary]酒居氏:[/primary]**縦割りの組織で自分たちのKPIを追い始めると、どうしてもそれに注力しがちです。

**[primary]岩熊氏:[/primary]**そこで、取り組んでよかったことが、マーケティングとセールス、セールスとCS(カスタマーサクセス)、CSとマーケ、それぞれが会話したりフィードバックループを回す、隔週の定例を開催しました。部門間で話せる場を形から作ったということです。さらには、Slackのチャンネルも用意しました。

結果、相互の部門を尊重するようになり、前行程・後工程にちゃんと興味関心を持つように。「縦割りのなかで完結しない」というカルチャーが醸成されたと思っています。

**[primary]酒居氏:[/primary]**結局のところ、いかにコミュニケーションを取るか。相互理解をいかに深められるかに尽きます。これは、どのフェーズであっても起こりうることですね。

新しいチャレンジをするなら、なおさらです。社内で人としての信頼関係の構築しながら、
新しいことに対する不安もケアしつつ、「一緒に」やっていく姿勢が必要です。