知っていて当たり前!?新時代のマーケティング用語25選
インターネットやテクノロジーの進化に伴い、マーケティングの概念や仕組み自体も大きく変化しています。
その進化のスピードは驚くべきもので、これからビジネスを行うのであれば次々と生まれるマーケティング手法を理解していなければ生き残っていけないような時代にまで来ています。
まずは今の時流を理解できるよう、台頭しているテクノロジー等について理解しておきましょう。
今回は、Web担当者が覚えておくべきマーケティング用語を解説します。
広告関連
1.アドエクスチェンジ
アドエクスチェンジは2010年頃に登場した配信形式で、インプレッション数(配信数)ベースで取引きされるものを指します。
アドネットワーク同様にディスプレイ広告の広告枠を管理しますが、アドネットワークではばらつきがあった課金形態を「入札」方式に統一しました。
アドネットワークは、多数のメディアを束ね、それらが保有する広告枠をまとめて提供するのに対し、アドエクスチェンジはメディア単位ではなく、各メディアのインプレッション単位で提供するものです。
インプレッションが発生した段階で最も高い入札金額を付けていた広告が入札され、表示されるという仕組みです。(瞬時に入札を決めるシステムをRTB(リアルタイムビッティング)と呼びます。)
インプレッションが発生する度に入札先がきまるため、広告主側は狙った先に配信される確率が高く、効率的な広告配信が可能となりました。
2.RTB
RTBは「Real Time Bidding」の略で、オンライン広告の一種です。
広告のインプレッション(表示)が発生するたびに広告主側とメディア側の間に立ち、入札を自動で行い、配信する広告形式を指します。
3.DSP
DSPは「Demand Side Platfor」の略で、Demand(広告主)側の配信を行うオンライン広告プラットフォームです。
広告主が広告在庫の買い付けから配信、ユーザー属性などを一括で管理できるシステムで下記で紹介するSSPとの間でリアルタイム入札を行い、広告を売買します。
4.SSP
SSPは「Supply Side Platform」の略で、Supply(広告枠を供給するメディア)側が利用できる広告配信プラットフォームを、販売や広告収益の最大化を支援するツールとし、複数のアドネットワークやアフェリエイトプログラムの中から、もっとも収益性の高い広告を自動で選び配信する仕組みです。
DSP、SSPともにRTBが根本のシステムとになっています。
5.ネイティブ広告
広告枠に出稿するのではなく、メディア内のコンテンツの中に馴染むように表示させる広告を指します。
ユーザーが広告枠を見ない傾向が強まってきた状況を受けて開発されたものです。
Facebookのフィード広告やSmartNewsやグノシーの「広告」表記のある記事がネイティブ広告に該当します。
ユーザー定義
6.マイルドヤンキー
「マイルドヤンキー」は博報堂のマーケティングアナリストである原田曜平氏が2014年に提唱した概念で、地元を生活の基盤とし、家族や同窓の友人との関係性を重視する若者というような定義がされています。
「マイルドヤンキー」に当てはまるとされる層には近年叫ばれているような少子化や車離れの傾向が見られず、地方の若者特有の消費行動に注目が集まりました。
マイルドヤンキーに付随して、イオンのような郊外にある大型ショッピングモールを頻繁に利用する層を指す「イオニスト」という言葉も生まれました。
7.カスタマージャーニー
新しくサービスを生み出す際、2つの視点から設計を考える必要があります。
1つは「inside-out」と呼ばれるサービス提供者側の視点で、もう1つが「outside-in」という顧客側の視点です。
「outside-in」を深く掘り下げ、顧客が自社サービスと接点を持った時、どのような感情を抱きどのような行動に出るのかを推測し、体系立てたものを「カスタマージャーニー」と呼びます。
顧客の感情を推測しながら一連の行動を思い描くことを旅に例え、「Customer (顧客)Journey(旅)」と名付けられました。
その一連の行動を図式化したものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。
8.オムニチャネル
オムニとはラテン語で「全て」、チャネルは「提供媒体」で、オムニチャネルとは実店舗、ネットショップ、SNSなど、顧客とのあらゆる接点を全て統合させることを意味します。以前に流行したマルチチャネルと意味合い的には似ていますが、マルチチャネルは実店舗やネットショップなど複数のチャネルを利用していてもサービス内容は独立して存在しているのに対し、オムニチャネルは全ての顧客との接点となる場を連携させます。
9.O2O(オーツーオー)
O2Oとは、「online to offline」の略で、オフライン(リアル)での購買行動につなげるためにオンライン上で訴求する施策を指し、オムニチャネルの1つの手段です。
10.インフルエンサー
インターネット上で影響力を持ち、SNSのフォロワーが多く自身が発信した情報が拡散されやすいユーザーを「インフルエンサー」と呼びます。
近年はタレントではなくても強力な拡散性を持つインフルエンサーを起用したプロモーション手法が普及していますが、一方でステルスマーケティング(広告と表明せずに製品のプロモーションを行うこと)の温床にもなりやすい側面もあります。
テクノロジー関連
11.AI(人工知能)
人工知能とは、人間のような思考能力や学習能力を人工的に作り出す技術を指し、近年急速に研究が進められています。
既に人工知能を搭載したアプリやサービスが続々とリリースされています。
12.AR(拡張現実)
AR(Augmented Reality)とは「拡張現実」を指し、現実世界をコンピュータ技術で拡張する技術(または環境)を指します。
例えば、スマホカメラで対象物を映すと、スマホ画面内に拡張された映像が表示されます。
スマホとの相性が良い技術なので、今後はプロモーションやキャンペーンなど様々なシーンでの活用が期待されています。
13.iBeacon(アイビーコン)
iBeaconとは、iPhoneやiPadなどのiOS端末で「beacon」とよばれる特殊な電波を受信し、数十cm~数十mという範囲(精度)で発信器の位置を確認できるサービスを指します。
iBeacon対応アプリをダウンロードしたユーザーに対し、下記のようなアクションを行うことが可能です。
・店舗に近づいたらお知らせする
・実店舗の案内情報を提供
・入店したら自動的に割引クーポンが配布される
O2Oを促進させる技術として注目されており、導入店舗数も徐々に増えています。
14.ストリーミングサービス
最近相次いでリリースされた音楽配信サービス「LINE MUSIC」「AWA」「Apple Music」や、映像配信サービス「Hulu」「Netflix」のような、コンテンツそのものを所有(ダウンロード)せずにコンテンツを消費できるストリーミングサービスが現在大きな注目を集めています。
多数のコンテンツを安価で楽しめるという圧倒的なメリットがあるため、今後市場は更に拡大していくことが予想されます。
15.IoT(アイ・オー・ティー)
「IoT」とは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、インターネットに接続できるのはパソコンのみ、という状態から、あらゆるモノがインターネットに接続可能になる状態を指します。
IoTという概念自体は1980年代から存在し、繰り返し議論されてきましたが、技術の発達により実用に向けての動きが活発となっています。
16.ウェアラブルデバイス
ウェアラブルデバイスは「身に付けることのできる電子端末」を指し、直近ではAppleWatchが世界的に話題となりました。
ウェアラブルデバイスはAppleやGoogleだけでなく世界中のあらゆる企業が躍起になって開発に取り組んでおり、既にあらゆる製品がリリースされています。
17.マルチチャネルネットワーク(MCN)
「動画元年」と言われた2014年から、動画を活用したマーケティングが注目され、その中の1つに「マルチチャンネルネットワーク(MCN)」があります。
MCNとは、本来はYouTubeに登録されているチャンネルをカテゴリ毎にまとめるネットワークのことを指します。
日本では、再生回数を稼げる動画クリエイター(YouTuber)のマネジメントがメインの会社が多いようです。
メディア関連
18.キュレーションメディア
よく耳にすることの多い「キュレーションメディア」は、明確な定義はされていませんが、「ある特定の価値観にもとづいて情報を収集・発信する」という定義が一般的なようです。
(ちなみにキュレーションはラテン語で「世話役」を意味します。)
昨年DeNAに買収された「MERY」や「iemo」らが一般的にキュレーションメディアと呼ばれるものです。
19.バイラルメディア
「バイラルメディア」とはSNSで拡散され、そこから流入を獲得することを目的として作られたメディアを指します。
海外では数年前から流行しはじめていましたが、日本でも2014年初め頃より無数のバイラルメディアが起ち上がり、一挙に注目が集まりました。
しかしコンテンツの盗用問題が絶えず、その存在の是非を問う議論は絶えず続いています。
20.オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が自ら運営するメディアを指します。
オウンドメディアという概念自体は目新しいものではありませんが、コンテンツマーケティングの台頭を受けて改めてその価値に注目が集まっています。
新マーケティング手法
21.マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーションとは、マーケティングを行う際に発生する作業を自動化することです。
ツールとして「顧客リストの詳細なセグメント」、「リードスコアリング」など、見込顧客を管理するための機能を実装しているものが多く、見込顧客を管理する際に発生するデータ解析などの手間のかかる作業を一手に引き受けてくれます。
22.コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、その名の通り「コンテンツ」を主軸においたマーケティングを指します。
これまでは、Web収益を最大化させるためにSEOやリスティング広告等検索エンジン関連の集客施策やネット広告が主力でした。
しかし、SEOにおいてはGoogle検索エンジンの発達により、外部リンクのような単純な施策が通用しなくなり、ネット広告においてはインターネットユーザーの情報リテラシーが向上してきたため意識的に避けられる傾向が強まっています。
今までのやり方が通用しなくなってきた状況で注目されたのがコンテンツマーケティングです。
23.エンゲージメント
エンゲージメント(engagement)とは、直訳すると「約束」「契約」「婚約」という意味になりますが、マーケティングにおいてはユーザーと企業との「親密度」や「愛着心」という意味で使われます。
エンゲージメント率を測るための指標としては、主にFacebookやTwitterでの投稿に対するコメント数やクリック数が挙げられます。
24.グロースハック
グロースハックとは、簡単に言うと「極力、お金を使わずに、仕組みやアイデアで、サービスを継続的に成長させる仕組みを考え、実行・運用すること」です。
これまでは予算をかけて行ってきたホームページの改善を、費用ではなくアイデアで解決しようとするのがグロースハックです。
まとめ
Webマーケティングがマーケティング施策のなかでも大きな比率を占めるようになっています。マーケティングの進化=テクノロジー技術の進化と言っても過言ではないでしょう。
RTBやアドネットワークの登場によって、インターネット広告はよりニーズの合うユーザーに絞って配信できるようになり、iBeaconの普及によってオンラインとオフラインは厳密に分けられることなく、互いに補完しあう関係性(O2O)が強化されています。
また、テクノロジーの進化により、ユーザー行動にも変化が起きています。
スマートフォンの普及によって人々の検索行動の起点はスマートフォンに移行し、そこからパソコンでじっくり調べたり実店舗に赴くという行動(オムニチャネル)が一般的となり、音声認識機能の発達で文字入力による検索行動も衰退していくでしょう。
それに伴いSEOやリスティング広告のあり方も大きく変わっていく可能性があります。
基本的にはユーザー視点を忘れずに、ユーザーの問題を解決できるようなサービスを提供していくのがビジネスの正攻法です。
一方で現在どのようなテクノロジーが台頭し、生活の中に入り込んでいるのかを定期的にチェックすることをオススメします。
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