Webサイトにアクセス解析を導入したものの、その後どうサイト改善に繋げたら良いのか具体策がわからないという方も少なくありません。そこでこの記事では、アクセス解析ツールを活用してPDCAサイクルを上手く回すコツをお伝えします。

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アクセス解析、設置して放置はNG!

アクセス解析の導入・設定には、ある程度の手間と時間がかかります。初期設定を完了してWebサイトのデータ計測が正常に始まったことを確認したら、「これでもう大丈夫!」と放置してしまっている人もいるのではないでしょうか。

実際のところ、放置している人の割合は7〜8割に上る、とも言われています。

参考:「サイトをどう改善すれば成果が伸びるか」をAIが教えてくれるってホントですか? WACULの垣内氏に聞いた

アクセス解析を導入しただけではサイトは成長しない

それではなぜ、「放置NG」なのか改めてその理由を考えてみましょう。

アクセス解析を導入したそもそもの大目的とは、「自社サイトを日々改善し、成長させていくため」だったのではないでしょうか。アクセス解析でデータを取り、可視化できる項目とは、大まかに言えば以下のようなポイントです。

  • 自社サイト内で人気のページはどこか?
  • 不人気で、改善の余地があるページはどこか?
  • ユーザーは自社サイトにどこから来ているか?
  • ユーザーが自社サイトから離脱してしまっているポイントはどこか?

上記のような項目をただ確認するだけに留まり、次の打ち手を繰り出さなけければ、自社サイトが改善し成長していくことはありません。

「PDCAサイクル」を続けないと意味がない

自社サイトのアクセスログは定期的に確認し、そのデータを根拠に次のような一連のプロセスを実行する必要があります。

  • なぜそのような事態が起きているのか「仮説立案」
  • 改善に向けた「新たな打ち手実行」
  • 施策を実行したら「そのデータの振り返り」
  • 振り返りデータを基に「次なる改善」

*この4ステップからなる一連の流れを「PDCAサイクル」*と言います。

PDCA」とは「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字をそれぞれ取った略語です。この「PDCAサイクル」に絶え間なく取り組み、高速でそのサイクルを回し続けることでWebサイトは改善・成長していくのです。

PDCAの具体例

PDCAサイクルを高速で回し続けることがWebサイト改善・成長のポイント」と言っても、抽象的な概念のため、ここで具体例を挙げながら考えてみましょう。

例えばあなたがサプリメントを販売する会社に所属していて、そのWeb担当者だとします。ユーザーにEC経由でサプリメントを購入してもらうためのランディングページを出しているとしましょう。

ランディングページを出している大目的は、できるだけたくさんの人にページに訪問してもらって、サプリメントを購入してもらうことです。

ここで「PDCAサイクル」を導入したとします。

(例)

  • 「P=Plan(計画)」:LPのPVを1.5倍に増やす
  • 「D=Do(実行)」:毎日、SNSでLP告知をする頻度を増やし、流入増を図る
  • 「C=Check(分析)」:週次でGoogleアナリティクスをチェックし、本当にSNS→LPの流入が増えているか検証する
  • 「A=Action(改善)」:データ検証を基に、LP流入増につながる新たな打ち手を立案/実行する

Webサイトで「PDCAサイクルを回す」ことは、上記のように「計画」「実行」「分析」「改善」を具体策に落とし込み、絶え間なく実行して改善につなげていくことなのです。

PDCAサイクルを回していくために、Googleアナリティクスのここに着目しよう

前項で、「PDCAサイクル」の中には「分析」のステップも含まれることに触れました。ここで心強い味方になってくれるのが、アクセス解析ツールです。Webサイトの毎日のアクセスログを明らかにし、データに基づく施策立案・意思決定を支えてくれるものだからです。

つまり、アクセス解析ツールとは決して設定が「ゴール(目的)」ではなく、あくまで「手段」であると改めて理解しましょう。

それではここからは、「PDCAサイクル」を回していくうえで、Googleアナリティクスのどこに着目して「仮説立案」や「振り返り」をすべきかを解説します。

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図1:Googleアナリティクス デモアカウント画面

Googleアナリティクス左メニューの「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の4つに着目しましょう。

ターゲット客の動きを教えてくれる「ユーザー」

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図2:Googleアナリティクス デモアカウント画面>ユーザー

Googleアナリティクスのレポート項目「ユーザー」は、ターゲット客の動きを教えてくれます。どんなユーザー層(国、市区町村、端末、新規orリピート)が自社サイトを見ているか現状が明らかになるため、「どんなコンテンツを提供すれば良いか?」という「Plan」のヒントになります。

ユーザーの動きがどうだったかを示す「集客」

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図3:Googleアナリティクス デモアカウント画面>集客

Googleアナリティクスのレポート項目「集客」は、前ステップでターゲットとした人たちが、コンテンツをどのように認知あるいは興味を持ってサイトに訪れたかを示します。

つまり、「Do」の結果、ユーザーの反応はどうだったかを示す部分です。

ユーザーがサイト上で理想的な行動を取っているかあぶり出す「行動」

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図4:Googleアナリティクス デモアカウント画面>行動

Googleアナリティクスのレポート項目「行動」は、ターゲットユーザーがサイト内でどのような行動を取っているかを明らかにします。つまり、「こちらが意図している、理想的な行動を本当に取っているか?」が分かります。

ユーザーが興味を持って訪問しているページはどこか、逆に、興味を失って離脱しているページはどこか?などが明らかになります。

こちらから投入したコンテンツがユーザーに好まれているのか、「Check(検証)」に役立つデータを取得できます。

ビジネスの目標達成数を示す「コンバージョン」

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図5:Googleアナリティクス デモアカウント画面>コンバージョン

Googleアナリティクスのレポート項目「コンバージョン」は、「目標の完了数」を教えてくれます。

例えば自社でWebサイトを運営している中で「ユーザーに購入完了してもらう」「会員登録完了してもらう」「ホワイトペーパーをダウンロードしてもらう」といった「目標」が達成された数を示す、ということです。

自社ビジネスの成果につながる行動をユーザーにどれぐらいしてもらえたか明らかにでき、「Action(改善)」のポイントをあぶり出します

PDCAサイクルの中で最も注力すべきポイントとは?

ここからは、PDCAサイクルの中で最も注力すべきポイントについて、具体例を挙げて考えてみましょう。

LP投入→A/Bテストを実施する場合

例えば、サプリメントを取り扱うECサイトにおいて、購入用のランディングページを出しているとします。現状、LPの訪問者数は悪くないがコンバージョン(購入数)が悪いため、改善したい場合について考えてみましょう。

1.【Plan:仮説立案】

LP内の購入ボタン内の文言を、もっとユーザーにわかりやすいものに変えたら反応が良くなるのではないか?

2.【Do:実行】

改善パターンを作成し、A/Bテストを実施。

3. 【Check:検証】

1で立てた仮説が正しかったかどうか、アクセス解析のデータを基に検証。検証の指標となる「KPI(重要業績評価指標)」を仮説立案時に定めておく。例えば「コンバージョン(=購入)」をKPIとする。A/Bテストの実施によりKPIが何%向上したか、予め立てた目標を上回ったか、下回ったか数値に基づいて検証する。

4. 【Acion:改善】

仮説がデータで裏付けされたら、サイトに改善策を本番実装。

上記1〜4のプロセスの中で、もっと重要なのは*3.【Check:検証】*です。ここでアクセス解析を駆使し、データに基づいて次に繋がる意思決定をします。意思決定を行うためにも、予めKPIを明確に立てておきましょう。

PDCAサイクルで失敗に陥りやすいポイント

サイクルのどれか一部が欠けている

PDCAサイクルは、「P、D、C、A」のどれか一部が欠けてしまうと成立しません。ありがちなのは、「PlanとDoはあるが、その後のCheck、Actionがない」というケースです。

施策立案・実行をしても、その後の振り返りと、改善に繋げなければ意味がないため、必ず「PDCA」でワンセットだと理解しましょう。

計画を変更しすぎる

施策に取り組む中で「こうしたらもっと良くなるのでは?」というアイデアは出てくるものです。しかし1サイクルの中で計画を変更しすぎると、最初に立てた目標(KPI)からだんだんとズレが生じてきてしまい、すると効果検証のプロセスで曖昧な結果しか得られなくなってしまいます。

途中で計画に軌道修正を加える場合は、KPIとズレが生じないか立ち返りましょう。

1サイクルに時間を掛けすぎる

PDCAサイクルはなるべく高速で回すほうが良いです。特にWebマーケの場合、ユーザー動向が短期間ですぐに変わってしまうからです。

計画に時間を掛けすぎると、せっかく立てた計画があまり意味をなさなくなってしまう場合もあります。また、実行期間が長期にわたる施策を投入しても、期間内にユーザー実態・動向とズレてくることも考えられます。するとKPIともズレてきて効果検証もうまくいかなくなります。

KPIを設定しない

前項までの部分で、効果検証のプロセスではKPIと照らし合わせることが重要だと繰り返し述べてきました。

KPIを設定していないと、「この計画は本当に良かったのか?悪かったのか?」と客観的に判断できなくなり、アクセス解析で取得したデータに基づいてPDCAサイクルを回す意味が薄れてしまいます。KPIは必ず始めに設定しましょう。

単発の施策で終わってしまう

PDCAサイクルは、「絶えず回し続ける」ことが重要です。

1つの施策が目標を達成したから満足、そこで計画は終了と判断するのはやめましょう。短期的なユーザーの動きによる成果は、「たまたまうまくいった」というケースも考えられるからです。

自社にとって真に価値ある施策かどうか確信を得るためには、一度うまくいったプランを繰り返し投入し続け、その結果を計測し続け、検証し続ける取り組みも必要です。

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アクセス解析データを自社サイト改善・成長の味方につけよう

この記事では、アクセス解析を活用してPDCAサイクルを回すコツをお伝えしてきました。大切なことは「PDCAを高速で回し続ける」「KPIを必ず策定する」「データを活用する」の3点だと言えます。

アクセス解析ツールにはさまざまな製品がありますが、Googleアナリティクスであれば誰でも無料で利用でき、Web上にその活用ノウハウもたくさん出回っています。

自社サイトを改善・成長させるためには、まずはGoogleアナリティクスに親しみ、Webサイトのアクセスデータを自社の味方につけることから始めましょう。

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