コロナ禍の巣ごもり需要でECの市場規模が急速に拡大する中、これからECサイトを立ち上げたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、まったくの未経験だと「まずは何から準備するべき?」「日々のToDoは?」「社内体制はどうやって構築すべき?」など、数多くの疑問が浮かんでくるものです。

そこで本記事では、実際のEC運用で発生するタスクや想定しておくべき業務負荷、特定の作業を外注し運用体制をうまく構築するためのポイントなどについて解説します。

今回紹介する内容の一部は、PDF資料「EC運営、虎の巻」から抜粋しています。

EC運営、虎の巻

EC運営、虎の巻

未経験から始めた担当者が後輩に伝えたいEC運営、虎の巻。

目次

  1. 急速に拡大する物販系BtoC-ECの市場規模
  2. EC運営で日々やるべき業務内容は?
  3. EC運営、意外に時間がかかる作業ランキング
  4. 外注すべき作業内容は?
  5. 社内の説得方法は?
  6. 優良なEC運営体制とは?

急速に拡大する物販系BtoC-ECの市場規模

2020年、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で、物販系分野BtoC-ECの市場規模は大幅に拡大しました。2019年と比較してその伸び率は20%超となり、経済産業省も「巣ごもり消費が我が国のEC市場規模を約1.2兆円底上げした」と報告しているほどです。

以下のグラフを見ても分かる通り、コロナ禍以前からの推移を見ても、EC市場規模が年々拡大していることは明白でしょう。

【物販系BtoC-EC市場規模およびEC化率の経年推移】
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出典:令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)報告書|経済産業省

実店舗を構える事業者がECに参入した場合、オンライン上に新たな顧客接点が増えることになります。

Web検索をきっかけに自社の存在そのもの、あるいは商品・サービスを知ってもらえる機会が増えるため、「遠方の顧客」「実店舗とは異なる年代の顧客」など、従来リーチできなかったユーザーの獲得も期待できるでしょう。

今後EC化を検討している方は、ぜひそのようなメリットも踏まえてサービス設計を考えてみることをおすすめします。

EC運営で日々やるべき業務内容は?

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ここからは、実際のEC運営で日々取り組むべき業務内容を解説します。

①販売戦略

販売のための準備・戦略立案です。

施策立案

目玉商品やセールの投入計画を作成します。年間で「繁忙期」「売上が落ち込む閑散期」「通常期」を把握し、人員配置・在庫補充・集客施策など「いつ、何に注力すべきか?」について計画を立てます。

売れる商品の在庫予測

在庫管理は、ECを運営する中で発生しがちな課題です。例えば、注文が入っても「在庫不足、納期遅れ」を起こすと顧客の不満につながり、問い合わせ・クレーム・キャンセルに追われる事態にもなりかねません。

すぐ届けられる」「注文数が増加しても対応できる」という体制を整える戦略立案が欠かせません。

売上月報作成

日別・月別の売上実績がいくらだったか実態を常に把握し、数字に基づいて次の打ち手を考えます。

情報収集

一般的なイベント(クリスマス、バレンタインなど)や、市場トレンドを把握し、売上につながるきっかけ作りをします。

②ディスプレイ・プレス業務

ブランドイメージを上げる・伝えるための業務です。

商品撮影

アイテム数が多ければ多いほど、膨大な撮影数となります。撮影を外注する場合でも、「こんなサイトイメージに合うように撮影して欲しい」など、トンマナ指示が必須です。

バナー・LP作成

集客して商品を売るためのランディングページ作成や、サイト上でユーザーの目を引くためのバナー作成を行います。

PR会社対応

プレスリリースを出して宣伝活動をする場合、PR会社への対応(PR会社へ商品を送付して撮影・原稿作成・配信まで代行してもらうための依頼など)が必要です。

SNS投稿

昨今、特に若い世代を中心に「SNSがきっかけで商品やお店を知り、ECへ行って買う」という行動が当たり前になりつつあります。認知獲得・集客のために、SNSの運用は必須です。

③集客業務

EC運営において、集客は非常に大事なプロセスです。お店に入ってもらわないことには何も進められないため、まずはお店に入ってもらうための仕掛けを考える必要があります。

広告

多くのEC事業者は、ランディングページへ集客するためにWeb広告施策を投入しています。ひと口にWeb広告施策と言っても「どこに掲載する?」「どんな言葉・画像・動画でユーザーを引きつける?」など、考えるべきことがたくさんあります。

メディア掲載

雑誌やWebメディアに掲載してもらえると、認知獲得につながりお店へのアクセスが増えます。積極的に露出していきましょう。

企画

「どんな広告を出して集客するか?」「どんな切り口でメディアに売り込んで、取り上げてもらうか?」といった戦略を練ります。

なお、企画次第では、広告・メディア掲載のいずれにも頼らずに集客する策も考えられるでしょう。具体的には「既存商品の工夫(セット化、改良など)」「ECサイト内で実施するキャンペーンの工夫」といったことです。

④販売員業務

購入してもらうまでの、接客作業です。せっかくお店に入ってもらっても、上手な接客ができなければ成果に結びつかないため、それぞれのポイントを押さえておくことが重要です。

商品ページ作成

説明文+写真の見せ方が肝心です。場合によっては、1ページ作り込むだけでもかなりの労力と時間がかかるため、「外注する」という考え方もあります。

各種分析

ECサイトに訪問した顧客の行動を分析します。「購入に至った人は、どこから来て、サイト内でどんな行動をとっているか?」「サイトを訪問しているのに、買わない理由は?」など、分析すべきことはたくさんあります。

購買導線の見直し・修正

分析によって、 ECサイト内の課題(顧客目線で分かりにくい点) を発見したら、仮説に基づいてサイト内に改善を加えます。

例えば、「購入ボタンの表示場所を変える」「色や大きさを変える」「複数ページ間で遷移する導線を見直す」といったことです。

モール商品登録・送付

大手ショッピングモールに加盟している場合は、モールへの商品登録や、専用の物流拠点への商品補充も必要です。

備品管理

梱包発送用のダンボール、ラッピングなどの資材管理のことです。管理を怠り不足が生じたりすると、いざ注文が入っても肝心の発送ができません。

この他にも、あと2つEC運営で日々取り組むべき業務があります。詳細は以下の資料で確認できるため、残りの業務についても押さえておきましょう。

EC運営で日々取り組むべき業務を全て見る

EC運営で日々取り組むべき業務を全て見る

未経験から始めた担当者が後輩に伝えたいEC運営、虎の巻。

EC運営、意外に時間がかかる作業ランキング

数多くあるEC運営業務の中でも、思いも寄らないところで、莫大な工数がかかってしまうこともあります。ここではEC運営において、時間がかかる作業をランキング形式でまとめました。

1位:撮影画像の選別

「500枚撮影して、適切な画像をピックアップしていったら、実際に掲載できる写真は100枚だった」といったこともよくあります。特にアパレル・雑貨などでは、型番やカラーを把握しながらの細かな分類・管理も必要で、非常に時間がかかります。

2位:顧客対応

問い合わせ・返品・クレームなどへの対応は、企業イメージ・ブランド価値に関わります。
場当たり的な対応や、担当者の属人的な対応ではなく、会社としてのブレない判断軸が必須です。「このようなケースでは、こう対応する」など、会社としてマニュアルやガイドラインを作っておきましょう。

3位:外部への発注依頼

商品登録・撮影・梱包など、特定の作業を外注する場合、「やってほしいことの指示出し」で、想定以上の時間がかかってしまうこともあります。商品撮影代行などでは、委託先に商品を送付する作業も発生するため、さらに時間がかかってしまうでしょう。

EC運営では、これらの作業に加えて「年間販促スケジュール」の作成も必須です。そのサンプルは以下の資料で確認できるので、ぜひ参考にしてみてください。あわせて、業務を効率化するための3つのコツも解説されています。

EC運営に必須の「年間販促スケジュール」サンプルはこちら

EC運営に必須の「年間販促スケジュール」サンプルはこちら

未経験から始めた担当者が後輩に伝えたいEC運営、虎の巻。

外注すべき作業内容は?

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外注は、自社内での負担を減らし、日々の運営を円滑にするために非常に有効な手段です。また、業務効率化以外にも最新ノウハウの提供などを受けられるメリットもあります。

では、何を外注すればよいのでしょうか?ポイントは2つです。

①専門性の高いもの

【例】マーケティング(集客、広告、SNS、コンテンツ運用など)

マーケティングは「何か一つの打ち手を投入して終わり」ではなく、その後の運用(改善〜追加施策投入の繰り返し)によって成果が変わってきます。

特にWeb上の大手プラットフォーマーの変化は激しく、Web広告施策で集客したもののGoogleのルールが大きく変わって広告効果に影響が出るようなことも頻繁に起こります。

そのため、専門知識を毎日追いかけていなければ、全てをキャッチアップすることは難しい領域と言えるでしょう。このように、大きな労力を必要とし専門性の高いものは、外注するのも一案です。

②属人性は低いが、作業負荷が高いもの

【例】商品写真撮影

2つ目は、「この人への依頼でなければダメ!」という作業ではないものの、とにかく作業負荷が高い業務です。

一例として、商品写真撮影作業などが挙げられます。他にも、「商品ページ作成」「バナー作成」「商品登録」「梱包」なども当てはまるでしょう。

ただしこれらは、あくまでも「一例」で、何を外注すべきかは、会社によってケースバイケースです。自社の強み・弱みを棚卸しして、アウトソーシングによって補完すべきポイントは何かを考える必要があります。

社内の説得方法は?

何らかの作業を外注するには、予算が必要です。その予算を作るには、決裁者を説得して承認を得なければなりません。この時ポイントになるのが「日々の作業負荷をどれだけ客観的に伝えられるか」です。

外注予算を取るための説得例

step1.外注したい作業細目を棚卸しする

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例えば、アパレルECで以下の各所に掲載するために、商品撮影が必要だとします。

  • 商品詳細ページ
  • トップページ
  • メルマガ
  • 各種SNS
  • WEB広告
  • ブログ

この作業は、1シーズンに2回、年8回発生します。その作業に対してかかる細かなTODOを、上図のように全て書き出してみましょう。

step2.工数に置き換える

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step1.で洗い出したTODOに対し、どれだけ時間がかかるか計算してみます。計算を行う際も、第三者が見ても理解しやすいよう、細かな内訳まで入れておくようにしましょう。

step3.年間に必要な稼働工数を見積もる

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年間でこれだけ工数がかかる」と、数字で表しましょう。その数字を根拠に「社内リソースをこれだけ削減できる」「削減できた分は顧客対応など、より注力すべきことに充て、顧客満足度を向上させられる」など、決裁者目線に合わせて説得に臨むことがポイントです。

優良なEC運営体制とは?

EC運営を軌道に乗せるには、まずは優良なECサイトの状態を目指しましょう。「魅力的で十分な商品情報」「探しやすい導線設計」「豊かな在庫」の3要件が揃った状態です。

この3要件が揃っていれば顧客からの「分かりにくい」「配送が遅い」といった問い合わせは発生しにくく、クレームやキャンセルといったタスクに追われることも少なくなるでしょう。

また、ここまで読んで「自社内だけではリソース的にとても無理……」と思った方は、外部委託やEC運営補助ツールの活用も積極的に検討しましょう。

ECサイト設計・構築からリリース、運用開始後の成長まで伴走してくれるツールについては、以下の資料で確認することができます。これからEC立ち上げに挑む方は、こういったツールについてもぜひ理解を深めておきましょう。

ECサイト設計から運用開始後の成長まで伴走してくれるツールはこちら

ECサイト設計から運用開始後の成長まで伴走してくれるツールはこちら

未経験から始めた担当者が後輩に伝えたいEC運営、虎の巻。