「リテンション」を上げるために試してみたい5つのポイント

1. オンボーディングの敷居を下げる

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ユーザーの*離脱率(abandonment rate)*を下げるのに有効的な手段の1つは、シームレスなオンボーディング体験を提供することです。

サインアップする時にあまりにも手順が多かったり、入力する情報欄が多過ぎたり、ほかでは見られないような困惑するような機能があったりして、ユーザーが使いにくいと感じてしまった瞬間に、離脱率は一気に上昇してしまいます。

*ユーザーオンボーディング(user onboarding)*とは、アプリやサービスを初めて利用するユーザーが、たった1回の利用で離脱してしまわないように定着させるためのプロセスのことです。

オンボーディングにおいて絶対的に不可欠で見逃すことができない要素は、*ファーストインプレッション(first impression)で、その次にユーザー体験(user experience)*です。

AIによるマーケティングオートメーション(MA)を提供しているKahunaによれば、効果的なオンボーディングは結果的にユーザーのライフタイムバリューを最大500%まで高めます。

以下の手順を確認することで、直感的で摩擦の少ないアプリに仕上げることができます。

・ログインやアカウント作成を最短ステップにする
 ※2度目のログイン時にIDを記憶したり、Touch IDやFace ID対応にする
・ファーストインプレッションからシンプルな情報に絞り込む
 ※情報負荷をなくし、機能紹介は最低限にして、できるだけビジュアルを使う
・アプリの使い方についてはアプリを使いながら学習経験できるようにする

参考:
サービス・アプリのユーザー定着率UP!ファンを増やすための仕組み「ユーザーオンボーディング」とは?|ferret
  

2. プッシュ通知を行う

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Marketing Landは、効果的にプッシュ通知(push notification)を使うことで56%から180%のリテンション改善が行われたという統計を公表しています。

また、Localyticsの調査では、プッシュ通知を実装しているアプリは、プッシュ通知を行わないアプリに比べて88%エンゲージメント率が高いことが明らかになりました。

プッシュ通知を取り入れるのは効果的な戦略です。プッシュ通知によって、ダウンロードしたアプリの存在を思い出させたり、アプリを開くのを習慣にさせることができます。しかし、プッシュ通知は内容やタイミングを間違えると、かえって逆効果になってしまうこともあります。ユーザーに「プッシュ通知が鬱陶しい」と感じさせてしまうと、アプリがアンインストールされてしまうこともあるので、細心の注意を払って利用しましょう。

参考:
開封率93.7%!プッシュ通知の効果を最大化する3つのポイント|ferret
  

3. パーソナリゼーションを活用する

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アプリ自分好みにカスタマイズしたり、ユーザーの嗜好を学習して自動的に反映させたりするのは、ユーザーの利用時間・利用頻度の向上で無視できない機能です。*パーソナリゼーション(personalization)*が取り入れられているだけでも、ほかのアプリと大きく差別化を図ることもできます。

最も効果的なのは、ユーザーの好みに仕立てたメッセージをプッシュ通知に組み込むことです。実際に、この施策が54%のコンバージョン率向上に寄与していることがLocalyticsの調査で明らかになっています。

参考:
AI時代だからこそ理解しておきたい!「カスタマイゼーション」と「パーソナライゼーション」の違いとは|ferret
  

4. ゲーミフィケーションを取り入れる

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ポイントを貯めたり、ほかのユーザーと競わせたりするような*ゲーミフィケーション(Gamification)*を取り入れるのは重要な施策です。

最近では、スターバックスが従来のアプリを大幅に変更し、スターバックスリワードと呼ばれるポイントシステムを導入しました。この施策に加えて、クーポンや各種プロモーションと組み合わせることで、より多くのユーザーがアプリを開くようになったといいます。

参考:
「ゲーミフィケーション」でユーザーエンゲージメントを高めるための4つのポイント|ferret
  

5. プロダクトイテレーションを行う

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イテレーション(iteration)とは「反復」を意味する言葉です。もともとウォーターフォール型の開発設計に対して、アジャイル開発における、短い間隔で反復しながら行われる開発のサイクルを指します。リテンション率を高めるにはアプリの目に見える改善を何度も繰り返すことが有効で、一方で長期間改善のないアプリはすぐに飽きられてしまい、結果的に離脱につながります。

目に見える形でアプリの改善を行う手法やそうしたアプリを*MVP(minimum viable products)*と呼ぶこともあります。何を実装し、何を機能から外すかを決めるためには、日頃からアナリティクスで分析を行うのが必要不可欠です。

参考:
効率的にデザインするなら押さえておきたい「デザインイテレーション」の基本|ferret