CPAが高騰した理由は？広告効果改善に役立つ10のチェックポイント

CPAが高騰する理由は、CVRの低下もしくはCPCの上昇が考えられますが、適切な対応策を講じることでCPAの上昇を抑えられます。

そこでこの記事では、CPAが高騰する理由とCPAを抑える方法、広告効果の改善点が分かる10のチェックポイントを紹介します。

リスティング広告で高騰したCPA改善を検討中の広告運用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 広告のCPAが高騰する理由とは？
2. 広告のCPAを抑える考え方
3. CPAを含む広告効果の改善点が分かる10のチェックポイント
4. 広告効果を可視化してCPA改善を進めよう

広告のCPAが高騰する理由とは？

CPA（顧客獲得単価）を求める計算式は以下の通りです。

CPA（顧客獲得単価）＝①Cost（広告費） ÷ ②CV（コンバージョン数）

さらに、①Cost（広告費）と②CV（コンバージョン数）は以下の計算式で算出します。

①Cost（広告費）＝ ③CPC（クリック単価）× クリック数
②CV（コンバージョン数）＝④CVR（コンバージョン率） × クリック数

上記を見ても分かる通り、①Costと②CVはいずれもクリック数を掛けて算出します。つまり、CPAは以下のように算出可能と言い換えることができます。

CPA（顧客獲得単価）＝③CPC（クリック単価） ÷ ④CVR（コンバージョン率）

このことから、CPAが高騰するのは分母のCVRが低下した場合と、分子のCPCが上昇した場合と考えられます。ここからは、それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。

CVRの低下

CVRが低下する主な要因は、以下の通りです。

• 季節や物価の変動、競合のキャンペーンなどにより自社の商材の需要が低下
• ターゲット設定のミスなどにより、関連度の低いキーワードからの流入が増える
• サイトの構造やコンテンツに問題がありユーザーが離脱している

CVRから広告を評価するときは、外的要因にも配慮する必要があります。

CPCの上昇

CPCが上昇する主な要因は以下の通りです。

• 競合他社が参入しやすいキーワードで広告を出稿している
• 広告ランクが低いため広告がなかなか表示されない
• アドフラウド（広告詐欺、広告不正）被害

CPC自体は低くても、クリック数が想定以上に増えることでCPAが高騰することもあります。

広告のCPAを抑える考え方

広告のCPAを抑える方法として、「CVRを上げる」もしくは「CPCを下げる」の2つのアプローチが挙げられます。

CVRを上げる

CVRを上げる方法は主に以下の3つです。

● ターゲティングの見直し

自社の広告が想定しているターゲットに届いているかチェックしましょう。

想定外のターゲットに広告が届いている場合は、成果につながらない可能性が高いです。その場合はペルソナを再設定してより明確なユーザー像を描き、想定ターゲットの行動特性を把握するところから始めます。

これにより、効率よくターゲティングの見直しができます。

● 広告クリエイティブやLP、エントリーフォームの見直し

広告クリエイティブ（広告文やバナー）やLP、エントリーフォームに遷移したユーザー数、ファーストビューの離脱率、滞在時間をチェックして、訪問ユーザーがどこで離脱しているのか把握しましょう。

訪問ユーザーが目的に沿った行動を取っていないときは、仮説を立ててCVまでの導線を再設計します。

● 訴求の見直し

広告文やCTAの訴求文を見直しましょう。広告文はキラーメッセージを取り入れて、納得感のある文章を作ります。

CTAは「お得な〇〇セットを購入する」など、具体的なメリットを強調します。配色やデザインを工夫して、設置場所を増やすなどの対策も必要です。

▼CTA訴求文の改善例はこちら
CTAとは？クリック率を上げる7つの改善策と基礎知識を紹介

CPCを下げる

CPCを下げる方法は主に以下の2つです。

● 品質スコアの見直し

品質スコアを見直すことで、市場より安価に入札できるケースが増えます。固有名詞である社名や商品名などは品質スコア「8〜10」、それ以外のワードについては「7以上」が目安です。

ただし、品質スコアは改善が必要な広告を特定する診断用の数値です。あくまで品質の低い広告を診断するための情報として活用しましょう。

品質スコア改善の具体的な施策としては、キーワードにおける広告の関連性を高める、LP改善などが有効です。

参考：
Google広告 ヘルプ「広告の品質について」
Google広告 ヘルプ「品質スコアを使って広告のパフォーマンスを高める 5 つの方法」

● ターゲティングの見直し

ターゲティングが狭すぎると、競争が激化してCPCが上昇することがあります。そこでターゲティングの範囲を適度に広げてみるのも、CPCを下げる一つの方法です。

ただし、むやみに広げてしまうと関連性の低いクリックが増えてしまうので、適切なバランスが求められます。定期的にターゲティングの効果を評価して、最適な範囲を見つけることが重要です。

CPAを含む広告効果の改善点が分かる10のチェックポイント

ここからは、Google広告をベースにして、CPAを含む広告効果の改善点が分かる10のチェックポイントを紹介します。

1. 最適化スコアが著しく低い

Google広告の管理画面＞「最適化案」より、最適化スコアをチェックしましょう。

最適化スコアは0〜100%で表示され、基本的に80%以上が望ましいとされています。これを下回るときは、改善見込みのあるアクションが残されているということです。

【解決のヒント】

最適化案リストは改善効果が高いものから表示されるため、上から順番に実施するとよいでしょう。ただし、独自に設定しているKPIから逸脱してしまう施策に関しては、未実施のままにしておいて問題ありません。

2. 商品の種類に対してキャンペーン数・広告グループが多い

Google広告の管理画面＞「キャンペーン」＞「広告グループ」より、商品・サービスに対して広告グループが適切かチェックしましょう。

キャンペーンとグループが細分化されすぎていると機械学習が進みにくいため、運用改善しにくいアカウント構造になります。

【解決のヒント】

アカウント構造は細かく分けるのではなく、テーマ毎にまとめるのがポイントです。ただし同じ商品でも訴求が異なる場合は、広告グループを分けた方がニーズにマッチした広告文を出せます。なお、厳密な予算管理はキャンペーン単位でしか行えません。

3. 広告クリエイティブが複数キャンペーン・広告グループで重複している

Google広告の管理画面＞「広告とアセット」＞「広告」でソートして、同一の広告クリエイティブが重複していないかチェックしましょう。

こちらも上記と同様、重複があると機械学習が進みにくいため、非効率的な広告運用につながりやすくなります。

【解決のヒント】

重複しているキャンペーン・広告グループをまとめることで、ボリュームのあるデータ基盤を作ることができ、機械学習が進みやすくなります。

4. 同一キーワードがキャンペーン・広告グループに複数存在する

Google広告の管理画面＞「キーワード」＞「検索キーワード」または「検索語句」から同一キーワード、検索語句に重複がないかチェックしましょう。

同一キーワードが存在すると、無駄にCPCを高騰させてしまう可能性があります。

【解決のヒント】

重複するキーワードが見つかったときは、CV数が多いキーワードを残し、もう一方を停止することで機械学習がスムーズに進みます。

5. ターゲットキーワードが除外されている

Google広告の管理画面＞「キーワード」＞「除外キーワード」から、ターゲットキーワードが除外されていないかチェックしましょう。

ターゲットキーワードが除外キーワードに登録されていると、広告が表示されない場合があります。

【解決のヒント】

ターゲットキーワードの除外は、CPAの高騰や他キャンペーンとキーワードを取り合わないようにするためなど、何らかの理由がある場合もあります。除外を解除するときは、念のため背景を確認してから操作しましょう。

6. 予算によるインプレッションシェア損失が出ている

Google広告の管理画面＞「キャンペーン」＞「表示項目」＞「表示項目の変更」から、競合指標を展開すると「各種インプレッションシェア」が表示されます。

インプレッションシェアとは、広告表示機会の総数のうち、実際に広告が表示された回数や表示されなかった回数の割合を指します。入札単価や予算を引き上げたときに、より多くのユーザーに広告を表示できるか見定める目安になります。

【解決のヒント】

予算によるインプレッションシェア損失は、競合が多く、入札単価が高いキーワードに広告を出稿したときに陥りがちです。入札を弱める（CPCや目標CPAを下げる）ことで損失を回避でき、同一予算でのCPA低下が期待できます。

7. インプレッションシェアが高い

インプレッションシェアは、キャンペーン単位で低くても、キーワード単位でみると高くなっているという場合もあります。

インプレッションシェアが高いほど機会損失が少ないと言えますが、80%以上の場合はROIの低いユーザーに広告が当たっている可能性が高いです。

【解決のヒント】

インプレッションシェアが80％を超えているときは、インプレッションの母数を増やす必要があります。具体的にはキーワードの追加やフレーズ一致や部分一致へのマッチタイプ変更などの対応が有効です。

広告効果を可視化してCPA改善を進めよう

CPAを改善するには「CVRを上げる」もしくは「CPCを抑える」のどちらかのアプローチが有効です。

広告データを収集して出稿後の成果を評価することで、CPAが高騰している原因や、その他の課題にも目を向けることができます。 定期的に効果測定を実施して、効率的かつ成果の高い広告運用を実現しましょう。