前回の記事では、Google アナリティクスのタグの設定方法を解説しました。

ただし、Google Tag Manager(以下、GTM)を設定しただけではサイト上に設定内容が反映されず、データが計測されない状態です。

この記事では、タグが正しく設定されているか確認する「プレビュー」機能と、変更内容の公開作業について解説します。

タグを公開する前には、必ずプレビュー機能を使って、正しく実装ができているか確認しましょう。

GTMの「公開」とは

GTMでは、設定した内容をサイトに反映することを「公開」と呼びます。
タグやトリガーなどの設定をしただけでは、まだサイト自体には変更が反映されていません。

GTMの「ワークスペース」機能

GTMでは、同時並行で複数の作業を進めるために「ワークスペース(work space)」という機能が用意されています。

ワークスペースは、最初から用意されている「default work space」を含めて3つまで設定可能です。複数人で別の作業を行なったり、別々のタグの実装を同時に進めたりする時には、このワークスペースを別けて実装を進めます。

この機能を使うことで、誰かが設定内容を本番に反映するときに、設定途中の内容が反映されることを防げます。

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GTMの「バージョン」

GTMの設定内容を「公開」する際、GTMに新しい「バージョン」が自動的に作成されます。

設定内容を公開するたびにバージョンが作成されるので、過去のどのタイミングでどんな作業が行われたかを振り返りやすくなります。

バージョンが作成されることで、煩雑になりやすいタグの管理を効率化できるというメリットもあります。

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また、このバージョン機能があることで、例えば「後から不具合が見つかった」のような場合、該当するタグを公開前のバージョンに戻す作業が簡単できます。

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設定内容を「プレビュー機能」を使って確認する

プレビュー機能とは、公開前に設定内容が正しいかを確認するために、自分のブラウザ上だけにサイトへの設定内容を反映する機能のことです。

タグやトリガーの設定が終わったら、左のメニューから「サマリー」を選択します。
設定した内容がこの画面で一覧確認できるので、設定漏れがないかを確認しましょう。

準備が整ったら、右上にある「プレビュー」ボタンをクリックしてください。
ページが再度読み込まれ、オレンジ色の「プレビュー」という帯が出てきたら、プレビュー機能が有効になった状態です。

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GTMを開いているのと同じブラウザで、対象となるページを開きます。
ページの下に「Google Tag Manager」と書かれた枠が出てきたら、プレビューモードが正常に動いている状態です。

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「Tag Fires On The Page」のエリアに出ているのが、このページで正しく実行されたタグです。

もしこのエリアになにも出てこなかった場合は、トリガーの設定を確認してみましょう。
タグの名前をクリックすると、詳細を確認できます。

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トリガーの欄で、該当するトリガーにはチェックマークが付き、該当しなかったトリガーにはバツマークが付いています。

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タグが正常に動かない原因の多くが、トリガーの設定が間違っている場合です。困ったときには、まずここを確認してみると良いでしょう。

プレビューモードで正常にタグが動いていることを確認したら、GTMに戻り「プレビューモードを終了」を選択します。

タグを「公開」する

正しく計測できていることが確認できたら、いよいよサイトへ設定内容を反映作業です。

右上のメニューから「送信」ボタンをクリックします。

「バージョンの公開と作成」が青くなっていることを確認します。
バージョン名・バージョンの説明には変更内容をわかりやすく記載しましょう。後から振り返ったり、設定内容を探すときにわかりやすいからです。

設定したら、右上の「公開」をクリックします。

バージョンの内容詳細の画面が表示され、「公開」が完了し、設定内容がサイトに正常に反映されました。
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▼GTMについて簡潔にまとめた資料(PDF)

Googleタグマネージャー(GTM)とは?アナリティクスとの連携方法や使い方を解説

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まとめ

GTMで設定した内容は、かならずプレビュー機能を使って確認するようにしましょう。

特にJavaScriptなどを用いて複雑な設定をした場合には、サイト上に思わぬ影響を及ぼすこともあります。

コンバージョンへの影響や、サイトの動きに影響がないか、ひと通りページ上でユーザーが取りそうな行動をし、異常がないかを確認することをおすすめします。