チャットボットは、自動応答するプログラムであり、近年導入する企業が増えています。サポート窓口としての機能だけではなく、売上アップに貢献するなど、現在はさまざまなチャットボットサービスが登場し、どれを導入するべきか迷ってしまうものです。

そこで今回は、AIsmiley社が発表したチャットボットカオスマップ2020を使って、導入目的別にチャットボットを比較しました。この記事を参考に、自社の課題解決に貢献するチャットボットを見つけましょう。

チャットボットカオスマップ2020とは

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出典:【最新版】チャットボットのカオスマップを公開|AIsmiley

チャットボットカオスマップ2020は、AIを導入する企業のための比較表資料を提供してきたAIsmiley社が2020年に発表したものです。国内で利用できるチャットボットの中から、6分野72種類をマップ化しており、導入目的からチャットボットサービスを見つけられるようになっています。

現在、多数リリースされているチャットボットサービスの中から自社に導入するべきサービスを絞り込む画期的な資料と言えるでしょう。

チャットボット業界動向およびトレンド

株式会社アイ・ティ・アールは、2018年には24億1000万円だったチャットボット市場が成長を継続し、2022年度には100億円規模に到達すると予測しています。

サービス数が多い分野として、顧客向け・カスタマーセンターに利用するチャットボットが挙げられます。携帯電話会社やソフトウェアのサポートなど、チャットボットと言えば、カスタマーセンターをイメージする人が多いでしょう。電話がなかなかつながらないところほど、チャットボットの導入はユーザーの満足度アップに貢献します。

また、社内向けとしてヘルプデスクとしてのチャットボットの利用が進んでいます。業務効率の向上を目的に導入され、勤怠管理やスケジュール調整などに役立っているのです。バックオフィスの業務を支援するトレンドは、チャットボットの機能を社外から社内に向けた画期的な展開と言えます。

参考:ITRがチャットボット市場規模推移および予測を発表|ITR

業務効率化に役立つチャットボット

チャットボットカオスマップ2020において、業務効率化には「顧客向け・カスタマーセンター」と「社内向け・ヘルプデスク」のチャットボットが存在します。

顧客向け・カスタマーセンター

顧客向け・カスタマーセンターに導入されているチャットボットは、BtoC事業を行う企業を中心に数多く利用されています。有人では対応が難しい大量処理ができ顧客満足度アップが可能です。

1.コールセンター支援
コールセンター支援として利用されるチャットボットは、オペレーターの代わりに顧客の質問に回答します。高度な質問だけをオペレーターにエスカレーションしている企業もあります。1IDあたり月額12,000円で使える価格が魅力のmobi Agentやテキストチャットと音声対話を同時にAIエンジンで運用できるAMY AGENTのほか、多くのサービスがあります。

【有人サポートとのハイブリッドサポートを実現したい】
KDDI EvolvaのAIチャットボットは、キャラクター制作からシナリオ構築だけではなく、運用しながら対応履歴を用いて回答精度を向上します。有人対応のデータもチャットボットに活かすことができるのが強みです。

参考:KDDI Evolva

【コールセンターをはじめて構築する企業向き】
Virtual Agentのように、コンタクトセンターベンダーとして培ったノウハウをチャットボットに投入しているケースもあります。はじめてコールセンターを構築する企業にとって心強い存在になるでしょう。

参考:Virtual Agent

2.FAQ・よくある質問
ユーザーの質問に対し、FAQやよくある質問を解決するチャットボットは、オペレーターが対応するまでもない軽微な疑問の解消に役立ちます。月額6万円からというコストパフォーマンスに優れたAI-FAQボットや、さまざまな場所に導入されている実績豊富なChat Dealerなどがあります。

【手軽さが魅力のFAQチャットボット】
hitoboは、FAQを画面上で入力するか、CSVファイルをアップロードするかのどちらかでチャットボットを作成できます。回答文があれば、今すぐ導入できるという手軽さが魅力です。シナリオ作成にかかる手間がなく、スピーディーに導入できる上に、表現のゆれやオペレーターへの自動振り分けなど優れた機能を搭載しています。

参考:hitobo

3.ナレッジ検索・技能継承
必要な情報をスムーズに検索するには、ナレッジ検索・技能継承をテーマとするチャットボットを利用します。AIがニーズを確認し、的確な回答を導き出すことが可能です。

【クリックだけで操作可能】
Click Naviは、テキスト入力をしなくても目的とする情報を入手できるのが特徴です。データのカテゴリを設定し、AIにより自動表示される絞込キーワードをクリックする流れで、ユーザーを目的の文書に導きます。

参考:Click Navi

【導入初期の支援に強み】
導入前の学習データ作成や導入後2ヶ月間の学習データチューニングの支援など、手厚いサポートがあり安心できるのがKleioです。チャットボットの導入は、事前準備と導入後の両方に注力しなければいけません。

参考:Kleio

社内向け・ヘルプデスク

社内向けのチャットボットは社内業務の支援を役割として導入されています。チャットボットを利用することで、効率的な業務進行が可能になり、バックオフィスの機能を高められるのです。

1.人事・総務部
社員からの問い合わせにかかる手間を削減するチャットボットのほか、人事業務まで効率化できるものもあります。スタッフの人件費削減にも役立つでしょう。国際的なハイテクノロジーとして「IBM Watson」を利用したAI-Qや、管理画面がとても見やすいhitTOなどがあります。

【チャットツールとの連携に優れたツール】
My-ope officeは、社員から総務担当への問い合わせ数の減少を実現化するにあたり、chatworkやslack、LINE WORKSなどの既存チャットツールとの連携が可能です。社員が新しいツールを学習する負担がなく、スムーズなチャットボットの活用を実現します。

参考:My-ope office

【採用業務に特化したチャットボット】
採用管理ツールであるノリスケは、人材募集や選考の効率化が可能です。応募者の日程調整やリスケを自動化できます。業務オペレーションの負担がなく、日程調整という手間のかかるプロセスを進められるので便利です。

参考:ノリスケ

2.情報システム
情報システム分野における社内の問い合わせ対応も有人対応だけでは負担が大きい業務です。パターン化している問い合わせなら、チャットボットのみで解決できます。情報システム担当が使いやすそうなステータスの一元管理機能を持つIT-Manager SDなどがあります。

【機能は多いが簡単に利用できる】
PEPは、機械学習型のAIを搭載した規模の大きい組織にも余裕を持って対応できるサービスです。シナリオ型や会話型、有人チャット連携型などのチャットボットを構築し、様々なシステムとのAPI連携もできます。会話ログからデータ学習し、精度の高いAIアシスタントとして機能します。

参考:PEP