チャネル別、海外のコンテンツマーケティング事例10選

ここからオンラインとオフライン両方の事例をチャネル別にご紹介していきますが、特定のチャネルだけでなく、マルチチャネルによって成功した事例も含まれております。

Mobile App - Online

Moblie Appはウェブコンテンツと違い、エンゲージメントを築きやすいと言えます。
なぜなら、ウェブコンテンツの場合、ユーザは自分が知りたい情報のみ手に入れば離脱してしまう傾向が高く、サイトに定着しづらいというデメリットがあります。

対して、Moblie Appの場合、ダウンロードさえしてもらえればブラウザを介さず接触が図れ、エンゲージメントを築くことで定期的にMoblie Appにアクセスする固定ファンをつかむことができます。

Memriseの事例

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http://www.wired.co.uk/news/archive/2013-11/20/catacademy

Mobile Appの事例として、語学学習サービスのスタートアップMemriseがリリースした猫の写真を使って語学学習ができる有料アプリ「Cat Academy」をご紹介します。

猫の写真を織り交ぜることで楽しみながら語学が学べるとして、テストリリースでは、6週間で8000回のダウンロード、1日目のリテンションレート: 71%、1週間目のリテンションレート: 55%、1ヶ月目のリテンションレート: 30%を達成。

競争の激しい語学学習アプリの中で、結果を出した背景には、アプリターゲットユーザーを語学学習アプリを積極的に”使わない”ユーザーに定め、学ぶのではなく空き時間でも遊び感覚のように気軽に使えるアプリとしての位置付けがあります。

また、猫である理由も可愛さが記憶力/感情に良い影響を与えるという日本の調査データをもとに、設計されています。
リリース後の好調な伸びからもThe Wall Street Journal, Forbes, BBC, Techcrunchなど主要メディアにも取り上げられました。

現在はスペイン語のみですが、随時他の言語でも開発予定となっています。

Cat Academy: http://www.catacademy.com/
Memrise: https://www.memrise.com/
事例ページ: http://techcrunch.com/2013/11/20/catacademy/

E-mail/Newsletter Campaign - Online

E-mailは能動的にこちらからユーザにアプローチできる貴重なマーケティングツールです。
CMIの2015年のBtoBBtoCの調査によると81%のBtoBのマーケター、83%のBtoCマーケターがE-mailマーケティングを使用し、60%のBtoB、67%(1番)のBtoCのマーケターが効果的と応えるポピュラーなツールでもあります。

charity: waterの事例

以下では、ニューヨークにある団体charity: waterのの事例をご紹介します。
年に1度大規模なファンドレイジングのイベントを行い、その集客+ファンドレイジングの目的(金額目標は$1.7 million)を達成するために以下のような工夫をこらしたE-Newsletterのキャンペーンを行いました。

キャンペーンを始める前に定期的にニュースレターを送る許可をとる。そうすることで、繰り返しE-mailを送ることによるユーザ離れを防止(もともとこの組織は繰り返しE-mailを送り続けることでユーザが急に離れることを恐れ、何年も手付けずでした。)

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http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/1.htm

キャンペーン開始と一緒にビデオクリップを送付。ソーシャルメディアでも告知

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http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/2.htm

週1回のE-Newsletterの送付。
寄付やファンドレイジングよりもビデオ、現地の人のストーリーを紹介、共有することに重点を置く。
イベントへの参加を促進しつつ、どういう人に寄付金が行くかを見える化。ゴールと効果指標は寄付金額ではなくビデオの閲覧数。

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http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/3.htm

寄付をしてくれた人にファンドレイジングの進捗/ファンドレイジングのアイデア(誕生日の時に寄付を募るなど)/を常に更新。寄付をしてくれたら終わりではなく、その後も常に関わり続けてもらえるように週1回E-Newsletterを送付。

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http://www.marketingsherpa.com/heap/cs/charitywater/5.htm

結果、前年比21%のメール開封率アップ、58%(前年50%)のファンドレイザーが参加し、目標額を$300,000超える$2 millionを達成。

charity: water: https://donate.charitywater.org/
事例ページ: http://www.marketingsherpa.com/article/case-study/charity-water-donations-email-marketing#

余談ですが、日本と海外のマーケティングの大きな違いの一つはNPOのメジャー度合いです。
NPOと一口で言ってもジャンルは様々ですが、こちらではNPO専門のマーケティングエージェンシーがあるくらい競争が盛んな分野です。

Social Media - Online

CMIの調査によると、93%のBtoBのマーケターがコンテンツを広げる手段としてソーシャルメディアを使っており、他のチャネルと比べて使用率はトップとなります。
その中からコンテンツマーケティングにおけるソーシャルメディア活用についてユニークな取組を2つご紹介します。(キャンペーン的な意味合いが強い事例となります。)

Air Asiaの事例

1つの目は、2012年にAir Asiaがオーストラリアのシドニーからクアラルンプールへのフライトをスタートした際に行ったFacebookキャンペーンです。
もし友達だけで機内を占領できるとしたら誰を選ぶか、近い友達を302人選ぶコンテスト形式のキャンペーン

コンテストで優勝したユーザー1名は実際に選んだ302人の友達と一緒にフライトできます。
機能面では、選ばれた友達はタグ付けをされる(キャンペーン時点でFacebook上のタグ付けの上限が50人だったため、結果50人となった)、またコンテストの進捗をリアルタイムで管理/コンテストの勝者を選ぶことができる機能やユーザーからのフィードバックを小まめに対応することで結果、2日で4,000Likes/entries 獲得、Facebookのファン数30%増加、リーチ数2,291,483人を達成しました。

事例ページ: http://www.noblestudios.com/work/air-asia/

Vancouver Island Universityの事例

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http://www.myloudspeaker.ca/project/ilearnhere

2つ目はVancouver Island UniversityのInstagram事例です。
バンクーバーアイランド(自然が豊かな田舎町です)にあるVancouver Island Universityのキャンペーン。Vancouver Island Universityは職業訓練校/カレッジというイメージが強く、それを変えるためにキャンペーンを行ないました。

少ない予算かつ当時Instagramの広告メニューが一切なかった中で、今回のキャンペーンのイメージに近い写真を投稿しているInstagramユーザ数名にアプローチ。#ilearnhereのハッシュタグとともにインスタグラム上で近隣の生徒それぞれのストーリー、学校内、学校近辺の写真をアップしてもらうことで、認知度アップとイメージアップを図りました。

結果、それまでVancouver Island UniversityはInstagramアカウントすらもっていなかったのに関わらず、キャンペーン開始からわずか6週間で600,000インプレッションと1600件の写真アップ(#ilearnhere)、700人の新しいフォロワーを獲得。
毎月400人のユーザがInstagram上で#ilearnhereの写真を投稿してくれました。

このキャンペーンは2014 IABC Gold Quill awardのソーシャル部門とNational 2014 CPRS Award of Excellenceを受賞しました。

Instagram: https://www.instagram.com/viuniversity/?hl=en
#ilearnhere: https://www.instagram.com/explore/tags/ilearnhere/?hl=en
事例ページ: http://www.myloudspeaker.ca/project/ilearnhere

Seminar/Webinar - Online/Offline

セミナーとウェビナーはリードの獲得とエンゲージメントを高めることができるコンテンツマーケティングツールの一つです。
Q&Aセッション内でユーザとコミュニケーションがとれるだけでなく、ユーザの悩み・アプローチ方法が正しいかなどフィードバックを吸い上げることもできます。

セミナーとウェビナーは冒頭でご紹介したインタラクティブなコンテンツに当たると思います。
機能が複雑なもの、具体的なメリットが見えにくいものを説明する手段に適しています。実際に、CMIのB2Bの効果的なコンテンツマーケティングツールに関する調査によると75%がオフラインイベント(オフラインセミナー含む)66%がウェビナー/ウェブキャストが効果的と応えており、最もパーセンテージが高い値となります。

ただし、まだまだ使用率としてはWebinar/Webcast: 66%と11番目で今後伸びしろがある領域でしょう。
ウェビナーの事例として、リードナーチャリングのステップアップの手段として活用した事例があります。
ある中小規模のマーケティングエージェンシーがホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーを実際のミーティングに繋げられないという課題を抱えていました。

解決のためにフォローアップとしてウェビナーを活用したところ、社内で保有しているメールリストの8%にあたる60社のウェビナー参加+外部から獲得したリストから100社、合計160社がウェビナー参加。そこから6社のミーティングにつなげることに成功。

Event/Campaign - Offline

前述の通り、CMIのB2Bの効果的なコンテンツマーケティングツールに関する調査によると75%がオフラインイベントが効果的と応えております。
Eventといっても実際にはSocial Mediaにつなげるなど、Onlineありきで展開されています。

IKEA U.K.の事例

ご存知IKEAの事例です。
IKEA U.K.がIKEAに1晩泊まるというイベント: I Wanna Have A Sleepover In Ikeaを開催。およそ100,000人の中から選ばれた100人がIKEAの倉庫でIKEAの家具とともに1晩を過ごしました。アイマスク、夜のスナック、タオル、スリッパだけではなく、マッサージ、マニキュア、シアターからセレブによる本の読み聞かせまで行われました。

I Wanna Have A Sleepover In Ikeaキャンペーンページ: https://www.facebook.com/I-Wanna-Have-A-Sleepover-In-Ikea-314955428953/
VIDEO: https://www.youtube.com/watch?v=YMJD53fxihU
事例ページ: http://www.psfk.com/2012/01/ikea-sleepover-facebook-fans.html

Daisy Marc Jacobsの事例

Daisy Marc JacobsはNew york Fashion weekに合わせて、New YorkはもちろんLondon, Denmark, Benelux, Norway,SwedenでTweetsShopを開設。
TwitterもしくはInstagramのハッシュタグ#MJDAISYCHAINをつけて、投稿したユーザーにDaisy Marc Jacobsのオリジナル商品をプレゼント。

結果、3日間でTweetShopへの10,000 Visitor、Twitter上で14,600,000リーチ、Instagram上で22,600,000、Instagramの関連の写真への770,000 Likes、他雑誌メディアへの掲載(Vogue,Elle,Forbesなど)

Granata Petの事例

ドイツにある小規模のペットフードGranata Petの認知度アップに成功した事例です。
人と同じように「ペットもただでご飯がもらえると嬉しいはず」という観点から、ペットフードが出てくるビルボードを設置。

ビルボードのある場所からForsqure Appでチェックインするとペットフードが自動で出てくる仕組みです。
結果、ビルボードに訪れた中から数百人がローカルストアでGranate Petの購入。

ちなみに、これは一般的にはAmbient Marketingと呼ばれるマーケティング手法です。

Granata Pet: http://www.granatapet.de/
事例ページ: http://www.hotcow.co.uk/Buzz-Blog/celebrating-creativity-100-granata-pet.htm

Print Magazine - Offline

Web全盛期の中で今更ペーパーマガジンに戻るのは少し不自然な感覚になるかもしれませんが、機能面に目が行きがちなWebに比べて、ペーパーマガジンはクリエイティブ面での自由度が高くコンセプトにあったユニークなものが創れます。

また、ウェブコンテンツを見ているときに比べて、ノイズ(友人からのメッセージ、他アプリの通知など)が少なくユーザがその本のコンテンツのみに集中することができるメリットがあります。

Experience Lifeの事例

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https://experiencelife.com/issues/march-2016-resilience/

Experience LifeはLife Time Fitness社が運営するペーパーマガジン。
Life Time Fitnessはアメリカ・カナダで主に展開されているフィットネス、ファミリーレクリーションの大手です。Experience Lifeは2001年から発刊をスタート。

現在はWeb版もあります。
2012年のレポートによると、有料会員は630,000人、全体の読者数は2,835,000人になります。

このマガジンの面白い点は自社の宣伝のみにペーパーマガジンを使っているのではなく他社に提供する広告枠としても使っている点です。
つまりペーパーマガジン自体が1つのMediaとして独立して機能している点です。

Experience Life: https://experiencelife.com/
Lifetime Fitness: https://www.lifetimefitness.com/en.html