今の広告はやらなければいけないことがたくさんある

西井:本来の広告は、たとえばテレビCMなら、すごくいいCMを作ったらものが売れた時代がありましたよね。
この商品すごく欲しいと思わせることが広告の原点であり、そこからどんどんその広告をこんな人に出せたら、こういう場面に出せたらと進んでいきました。

結果、今までのような無駄な広告はなくなってきて、効率的になりますよというところが、運用型広告になってきています。
今後も運用型自体はものすごくよくなるはずなんですけど。現状プレイヤーの問題として、そういうものを欲しくなる広告を作れる人がすごく減っている気がします。

その辺りは、運用型広告をやっている会社としてどう思いますか?

阿部:確かにやることが多すぎるという点は思います。僕が12年前にこの業界に入った当時は、検索連動型広告コンテンツマッチしかありませんでした。

今は、たくさんの機能が入ってきていて、やることがたくさんある。そうすると、確かにそこにまだ手が回っていないというのは出てきているかもしれないですね。

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西井:最終的にそのバナーなりLPなり、動画なり、それを見てほしいと思わない限り、一番いい広告ってできない気がするんですよ。

今後誰かがそれをやっていかなければいけないのかと考えたときに、広告主側がクリエイティブを徹底して考えていく必要があるのかもしれない。
運用型広告は複雑で難しいところもあるから、そこはそこで尖ってなきゃいけないとは思っていますが。

私がコンサルで入った企業でたまに見るのが、アカウントがどうとかじゃなくて、このバナー甘いよねということ。
このバナーでやってる限り、どんなに優れたアカウントを設計したところで売れないよねっていう。

今から入ってくる人たちは、そこに疑問を感じずにやってしまう。彼らが悪いわけじゃなくて、やることがいっぱいあってしょうがないという部分があります。

運用型広告は、テレビCM全盛の時代から見ると、夢みたいな話だと思うんですよ。

効果がいい、視聴率がいいところとかに、今までタイムで買っていたのをスポットで買って、さらにスポットが自動化して、明日のここの枠は効果あるからいく、ここは効果ないからやらないみたいなことがリアルタイムでできてるという、結構夢みたいなことができている。

そのなかで、逆にそっち側を担うプレイヤーってどうしたらいいのかなっていう。

阿部:それでいうと、今は、大きく流れが2つあるかなと思っています。
メーカーさんのほうから絶対的な戦略を持って代理店に流し込むっていうのがひとつ。

そして、その逆。アクセンチュアがIMJと組んだというのがすごくわかりやすい例だと思いますが。

代理店なのかもしれませんが、代理店からストラテジーが育っていくみたいな流れがあって。
僕らからすると、規模は小さいですけれど、それを昔からやっているのがうちだと思っています。だから一部の方々には重宝していただけてるのかなと思っていて。

大きい会社の経営陣には見えない経過とか、僕らには見えている場合があるんですよね。
ネットではこういうニーズが今生まれていて、こういうのを展開していったら、この会社さんの技術だったらこの横展開が絶対うまくいくというのが、僕らには結構わかることがあるんです。

それを提案するんですね。もちろん全員ができるわけじゃないですけど。

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そういう提案をすると、すごく重宝していただいて、実際に部署を作る会社とかもあって。それでとても儲かりだすみたいなことがあるんです。
そうすると、みんなハッピーになれるんです。
僕らとしてもハッピーですし、彼らはもっと売り上げが上がってさらにハッピーになる。

データがありすぎて、みんな違う方向を見てるときがあります。
そのときに、僕らにしか見えないデータや元々見えていたデータから本当に必要なデータを抽出して意味を持たせてあげた上でお客さんに提案するというのが最上級かなと思っていて。

そこまでいったら成功だよねってよく言ってます。

ただし、全クライアントでそれができるかというと難しいですよね。
それこそ、士業系のお客さんに新規事業を作るって難しいじゃないですか。

例えば、税理士の仕事はそこまでってなっちゃうんで。全員ができるわけじゃないですけど。
僕らにしかわからないデータ、経営陣にしかわからないデータがあって、そのヒントを集めて提案していく。

それはコンサルですよね。僕らは昔からそれをやっているので。そこが最上級だなと。