マネージメントの仕事は働きやすい環境を作ること

**阿部:**これを保つのは、やはり採用なんですよね。
たくさん人を取って成り上がってきた人だけを引き取りますっていう方針はうちは取っていなくて。

今、うちは誰かが一人NGって言ったらもう落ちるんです。
会社としては「本当に???」みたいな、泣きたくなることもあるんですが、これを緩めるわけには行かない。

倫理と論理で正しいジャッジができて、ビジョンも共有出来ているメンバーであれば、その判断に委ねるべきなんです。
現場に権限をもたせた以上、現場で判断しないといけないですからね

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じゃあ僕らマネージメントの仕事は何かというと、彼らが働きやすくする環境を作ることだけなんですよ。

うちは自己資金なので、資金調達をこっちで勝手にやる。彼らがやりたいって言ったときに、やれないという環境にはしない。
「これやりたいんですけど、実は1000万円くらい必要になる」といったときに、「会社として1000万円ならいいよ」と言える状態というのは、マネージメントが作らないといけない状態ですね。

僕、去年と一昨年の仕事って、ほとんど資金調達です。
中小企業のためのファイナンス術だったら、だれにも負けない自負があります。

中小企業がいかに銀行と付き合ったらいいのか、法人クレジットカードはどう使うべきか?というのも負けません(笑)

**西井:**お金大好きですよね(笑)。

**阿部:**悪意を感じます(笑)でも現実的に、中小企業にとってキャッシュフローは生命線ですから、僕しかできないみたいな。組織は役割じゃないですか。

“つなげる”のが本来の広告のミッション

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**西井:**今後、運用型広告がどんどん広がっていくだろうということは予測できます。
とはいっても、Facebook、Google、LINEみたいな巨大プレイヤーが出てきて、そこは多分運用型広告になっていくんだろうなと思っているんですけど。

直近で言うと、Webのなかでもディスプレイ広告もあり、リスティング広告もあり、最近ネイティブ広告もあって。
今までずっとGoogle、Yahoo!だけやられていたのが、Facebookが入ってきたじゃないですか。
Web広告においては、バナーが見られなくなってきたところがあるじゃないですか。

スマートフォンの小さい画面のなかで、どういうふうに広告を使っていけばいいのかなって思うんですよ。
運用型広告自体がメインになって、運用型広告のスキルを上げなきゃいけないというのはすごくわかっているんですが、バナー広告はいずれ邪魔になっていくのかなって思ったりするんですよ。

**阿部:**それこそアドブロックみたいな。

**西井:**そうなったときに、どういうふうに企業側は広告をやっていけばいいのかなという。
アドブロックされたら、どうやって広告出していいかわからないですよね。そういう世界が来そうな気もしていて。そのときどうするんですか?

**阿部:**それは、今の広告の倫理観の中のことだと思っています。うちのミッションとして、“つなげる”というのを掲げているんです。

なんで“つなげる”なのかというと、ほんとうにいいものをほんとうに欲しがっている人に届けるべき。
これをつないであげるというのが今の広告の役割だと思っています。

例えば、すごく子育てで疲れているお母さんは、子育てたいへんという頭しかないと思うんですよ。
でもその人たちに、今ベビーシッターが流行ってきていて、実は思っているほど高くなくて、安心で、すごくパーソナライズされている。
この人がやってくれますってFacebookアカウントがつながっていたりするんですね。

すごく安心で安くて、それで週に1回でも預けることができれば、自分はすごく楽になる。
生活も楽になるという、知ってもらえるきっかけになるはずなんですよね。PRが勿論大事な領域ではありますが、広告にしか出来ないマッチングだってあるはずです。

このマッチング、つなぐっていうのが僕らのミッションです。

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広告って、無理やり売るっていう概念じゃないと思ってるんですよね。

昔は、どっちかというとその傾向が強かったかもしれませんが。
絨毯爆撃じゃないですけど、大軍を投入すればなんとかなるっていうやり方をしてたのが、今はいろんな情報がある中で、選んでもらうという世の中になってきましたよね。

これも軍事の歴史をたどるとわかりやすいんですが。

**西井:**リスティング広告なんてそれの最たるものと言えますね。

僕が新富町で1時間くらい時間が空いたときに、マッサージに行こうと思いついたんです。
で、検索しても怪しいマッサージしか出てこない(笑)。
リスティング広告誰か出してくれよと。

そう考えると、リスティング広告は顕在化しているけど、潜在的なところで広告ってすごい大事だなと思って。

**阿部:**ハッピーになるはずなんですよ。つなげると。

**西井:**広告自体の考え方を変えていかなきゃいけない。

なのに、今の日本では、相変わらずリーチとか露出とか、認知度とかの話になる。
ブランドの話をするとすぐ認知度の話になるんですが、ブランドと認知度は別物なんですよね。

そこを変えないといけないと思っています。

**阿部:**あとは、組織によって目的が違うじゃないですか。その目的を達成するための手段として、もちろん絨毯爆撃みたいなのも選ばなければいけないこともあると思うんですよ。

**西井:**あれがいいときもありますよ。

**阿部:**やっぱり目的とそれをどう達成していくかっていうプロセスの中で、いいものを選ぶ。ただ、あまりに強引な手法というのは、これからどんどん嫌われていくと思います。