「頑張ることが尊い」と思っている日本人に伝えたいこと 起業家・柴田陽氏【後編】
同じ人が同じ会社にずっといたら、イノベーションは起きづらい
**西井:**ちょっと聞いてみたかったんですけど、アメリカにはIoTのレストランとかあると思うんですけど、中途半端にやってうまくいかないところとか、逆に振り切っているところのほうが流行っていたりとか、僕はそういうイメージがあって。
例えば、日本で言うとタクシーの配車アプリとかあるじゃないですか。日本の発想ではそこ止まりなんです。
Uberとかは、それにさらに空いている車をくっつけて安く提供するというほうが、うまくいっている感じがするんです。
最近、いろいろな企業がデジタルマーケティングを取り込もうとしていて、さまざまな施策をしていながら、そんなにインパクトを出せていないところはどう思っているんだろうと。
日本は古い会社が残っているじゃないですか。アメリカは、古い企業は新陳代謝でどんどんなくなっていく。イノベーションが起こっているのは、新しい企業からばかりで、古い企業からも起こっているのかなと思うんです。
**柴田:**でも、IBMはちゃんとピボットしていますよね。今までとは全然違う、コンサル会社になっている。
**西井:**確かに。ピボットするって意味だとできるんですね。
日本が逆に新しいものが出てこないというのは、なにかあるんですかね?別にピボットしたり、既存事業の中でも強みを作って伸ばしていくという。
**柴田:**極論、同じ人がずっと同じ会社にいたら、変わりづらいでしょうね。取引先の人も同じわけですよ。スイッチしづらいですよね。
FacebookがMessengerを切り離したのは絶対正解だった
**西井:**ソーシャルメディアは、日本とアメリカでの違いはありますか?
**柴田:**Snapchatが流行ってますよね。
**西井:**なんであれが流行っているんでしょうね。
**柴田:**消費者の感覚的なものじゃないですか。Snapchatが流行る前にプレゼンされても、絶対にこれはいけると思わないですよ。
でも、日本でも分かる人はいるんじゃないですか?
**西井:**あれを見ていると、ソーシャルメディアのビジネスも難しいなと思って。流行り廃りが激しいですからね。
**柴田:**コミュニティで、衰退しなかったものは今までありません。
**西井:**Facebookは結構インフラとして落ち着くのかなと思うんですが。
**柴田:**Facebookはすごく学んで上手だなと思います。素人考えですけどね。
今はもはや、ニュースをタイムラインで見るアプリになっているじゃないですか。
基本的には、Messengerを切り離したときも、最初はなんて暴挙なんだって言われてましたけど、あれは絶対正解じゃないですか。
**西井:**Messengerは切り離されてなかったら、むしろ危険ですよね。
**柴田:**すごくうまいなと思いますね。多分、あれを日本企業でMessengerを切り離すという決断をするのは無理でしょうね。
PVが減るじゃないかという話になりますよね。
**西井:**そういうのは経営者の決断なのでしょうか。
**柴田:**しがらみみたいなものに、あまり重きを置かないんじゃないですか? 無視なんですよ(笑)。
**西井:**結構いろいろなことができそうなんですけど、多分できないんだろうなというのは、多くの企業を見ていて思います。
- アプリ
- アプリとは、アプリケーション・ソフトの略で、もとはパソコンの(エクセル・ワード等)作業に必要なソフトウェア全般を指す言葉でした。 スマートフォンの普及により、スマートフォン上に表示されているアイコン(メール・ゲーム・カレンダー等)のことをアプリと呼ぶことが主流になりました。
- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
- ソーシャルメディア
- ソーシャルメディアとは、インターネット上で不特定多数の人がコミュニケーションを取ることで、情報の共有や情報の拡散が生まれる媒体のことです。FacebookやTwitterなどのほか、ホームページ上の掲示板もこれにあたります。
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