IoTの進展により、様々なモノがインターネット接続されてデバイスとなる昨今、その傾向は今後も加速すると見られています。

購買において、もはや消費者は”顧客の居場所”に縛られることなく、目的を達成することが可能です。その際、多くの消費者の顧客・購買情報というのはデータベースに蓄積され、商材・サービスを提供する側はその情報を分析・解析することでユーザーの本質的なニーズを把握することも可能です。
しかも数年前と比較しても、現在はもっと深いレベルまで情報を知ることができるようになり、顧客ニーズを読み解く精度も日々向上しています。

今回は、様々な手段で獲得した顧客情報を上手に活用して収益に結び付けた事例をご紹介します。

その中で、クリエイターやWeb担当者が身に着けるべき根本的なネットプロモーションの考え方とその実践方法について解説していきます。
  

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IoTの進展により獲得できる顧客データの量・質ともに向上

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近年のIoTの進展により、現状を上回る大量のデータが回収されることは間違いありません。しかも、これらはビッグデータマーケティングオートメーション、人工知能に大きな影響を与えると考えられています。

参考:
2015年の重要キーワード「IoT」とは?オススメ記事5選|ferret

こうした時代の背景から顧客データの入手が容易になり、新たなデータや統合されたデータが登場したことで、それらを大量の情報の中からより役立つものを取り出す方法が求められています。そして、人間が持つ先入観やバイアスが無く、思いもよらなかったような視点からモノがデバイスとなることで、よりマーケティングの精度が上がるのでは、と期待されています。

そこで、ここからは小売業の例をもとに上手な活用方法をご紹介していきます。
  

時代にあったネットプロモーションを行うには

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小売業では、店舗やECサイトだけではなく、ソーシャルメディアや雑誌、スマートフォンサイトなど、様々なチャネルからアクセスがあります。

その際、アクセスしてきた人の顧客満足度を高い状態に持っていくため、集積したデータを有益に役立てられると考えられています。

現時点でも、消費者の購入スタイルがスマートフォンやタブレットの普及・進化とともに様変わりしてきていることで、企業も今までになかった販売形態に変化しています。

流通のオンライン・オフラインを融合させた「オムニチャネル」も、このような試みの一つです。

オムニチャネルの場合

1. オムニチャネルに関する振り返り

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オムニチャネルとは
オムニとはラテン語で「全て」、チャネルは「提供媒体」で、オムニチャネルとは実店舗、ネットショップ、SNSなど、顧客とのあらゆる接点を全て統合させることを意味します。以前に流行したマルチチャネルと意味合い的には似ていますが、マルチチャネルは実店舗やネットショップなど複数のチャネルを利用していてもサービス内容は独立して存在しているのに対し、オムニチャネルは全ての顧客との接点となる場を連携させます。

参考:
知っていて当たり前!?新時代のマーケティング用語25選|ferret

2. オムニチャネルの特徴

特徴

・実店舗やイベント、ECサイトやオンラインモールなどの全ての販売チャネルを連携させて顧客にアプローチすることで、どの販売チャネルからも同じように商品を購入できる環境
 
・全ての顧客接点からストレスなく商品を注文・購入できる

・ウェブ上で注文して店舗で受け取ったり店舗で在庫がなかった商品を即座にオンラインでの問い合わせで補ったりできるよう販路を融合する点

・いくつかの販路を組み合わせて提供するマルチチャネルでなく、オムニチャネル企業が持つ全ての販路を統合することに焦点を置く

「◎◎という商品は若い女性向きだから実店舗よりECでよく売れるようにしよう」

この発想は「1つの販売方法」だけに視野が向いている状態です。
先ほどの例のように「1つの販売方法に縛られずに、顧客がどんな購入経路をたどっても満足の行く買い物ができるように」という発想が「オムニチャネル」です。

例えば、筆者の先日の体験ですが、デパートで買い物をしていた際気に入った商品の合うサイズの在庫がないという状況がありました。

その時に、店舗の店員はすぐに端末を操作し、「ネットショップに在庫があるのでお客様の家に宅急便でお送りいたしますが、いかがでしょうか?」という質問を投げかけてきました。

この例のように、「店舗・商品中心」から「顧客中心」の視点にシフトすることで、顧客の購買機会や「統合する」ための購買データを喪失させることが少なくなります。関連する全てのチャネル上において、スムーズで一貫性のあるリアルタイムな顧客体験が提供できるか否か、各企業の能力が問われるところでしょう。

また「統合させたデータ」を利用して、Web上で商品購入についてのコンシェルジュがアドバイスするサービス。そのほかにも位置情報を利用したオリジナルアプリが楽しめるなど、競合他社と差別化を図るプロモーション展開も可能ということです。
  

【成功事例】 オムニチャネル戦略

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グループにおけるオンラインの売り上げ規模は全体の売り上げのわずかだが、オムニチャネルの体制を整えるスピード感や、顧客がECでの便利な消費行動と実店舗での接客の良さのリンクによる売り上げの向上が見られました。

企業が実行している例では、国内にてモール型ショッピングセンターやオンラインショッピングで成功しているC社が進めているO2O・オムニチャネル戦略を例に解説していきます。

例) 総合スーパー・モール型ショッピングモール等を運営するC社

C社は商品やセールスの情報を集めたポータルサイトを活用し商品のプロモーションを行うことで、マスメディア、ネット、店頭と顧客の動線を実現しました。

C社のプロモーションの狙い
・顧客の行動バリエーションをデジタルを用いて拡張することで、快適な購買体験を顧客に提供しブランディングを図る

・様々なWeb窓口からの流入を増やし、販売チャネル、情報提供チャネルの連携をすることで顧客の購買意欲や機会を削ぐことなく、相乗的な売上を上げる

・システムの一元管理からオンラインとオフラインの顧客とポイントデータを統合し、顧客履歴を基にユーザー毎に最適化されたセールスを行う

「C社オリジナルブランドの食品 "揚げ物商品 コロッケ等"」のプロモーション例では、下記のとおりです。

プロモーション例
・ テレビで商品CMを放映。それを見た人が"C社" "揚げ物商品 コロッケ"等のキーワードでインターネット検索し、C社のポータルサイトを訪れるようにする
・ "揚げ物商品 コロッケ等"のページでは"牛肉" "男爵いも"などキーワードが紹介され、店頭で購入するか、そのままネットスーパーで買うことができるようにする

結果的に得られた成果
・ 顧客の体験と評価による、顧客ニーズの把握、分析
・ 店頭在庫の圧縮
※実店舗の来店客に最適な商品をECからその場でお薦めできるモデルの構築

ほかにも、C社が進めるO2O・オムニチャネル戦略では来店動機を高め、来店後も楽しく便利に過ごせるアプリの開発も行われています。

開発したスマートフォンアプリでは、店舗内にあるPOP、ポスター、商品パッケージ等をスマートフォンで撮影すると、アプリが画像を認識し、関連商品を扱ったレシピや情報等を見られ、ユーザーから公表いただいています。

このように、欲しいものを、欲しいタイミングに入手できる環境が整備されることで、マーケティングのアプローチはさらに広がります。流通の利便性やコミュニケーション等の切り口から顧客へ新たな価値を提供する機会を創出する期待が高まっていくでしょう。

まとめ

マーケティングにおけるこの変化に応じ、エンジニア、マーケターともに広い視野で変化に対応していかなくてはなりません。

技術に近いエンジニアは、新技術への距離感も近く、アイディアを生み出しやすい環境にある可能性が高いと考えられます。
さらに、マーケターは顧客へのITサービスを提供するにあたり、様々なITサービスに精通しお客様の要望に最適な商品、サービスを提供することへの期待と需要が高まるでしょう。

マーケティング業務に携わるクリエイターやWeb担当者の方は、多様なユーザーデータの中を読み解き、消費者の次の動きを予測し価値を提供し続けていくことが求められています。そのためにもエンジニアリングの仕組みを理解することも求められている要素の一つです。