2017年6月19日 本文中に一部誤った表記がありましたので、修正いたしました。

ホームページなどを運営している方にとって、アクセス解析は必須の業務です。
しかしアクセス解析のみにフォーカスしてしまうと特にホームページの成長が鈍化したタイミングで原因が見当たらず、悩んでしまうことはないでしょうか。
このような場合には数値にフォーカスする「定量分析」だけではなく、ユーザー行動などの数値に現れない部分にフォーカスして原因究明を行う「定性分析」もあわせて行う必要があります。

今回は、Web担当者が悩みがちな「定量分析」と「定性分析」の違いをご紹介します。
似ているようで異なる両者の違いやそれぞれの分析で把握できることを理解しておけば、より明確な分析を行うことができるようになるため、原因究明の突破口となります。
特にWeb担当初心者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

定量分析とは

定量分析とは「数値データ」をもとに行う分析のことです。
アンケートの中で選ばれた性別や年齢といったような選択肢の数や、Google アナリティクスで分析できるPV数やセッション数といった数値として可視化された結果を基準として、そこからどれくらいの成長が見込めるのかを数値で表して設定したKPIにあわせて改善を行います。

定量分析を行う際の手法としては、アクセス解析や選択式のアンケート、などがあります。
また、A/Bテストで得られた結果の一部も定量データとして扱われることもあります。
ユーザー行動のプロセスを数値で分けられるセグメントで算出することができるため、コンバージョンの多いランディングページを把握する、直帰率や離脱率などユーザーがホームページから離れるボトルネックとなっている箇所を探し出す、新規・リピーターのどちらが多いのかや流入経路を把握するなどが可能で、ここから改善点を探ります。

定量データは数値ですので、誰が見ても同じように認識できるというメリットがあります。
ただし確実性を担保するためには、少しでも多いサンプル数が必要となりますので注意してください。

定性分析とは

定性分析とは「質的データ」をもとに行う分析のことです。
数値を結果とする定量分析とは対称的に、数値だけで表しきれない、ユーザーの心情を読み解きます。

定性分析を行う際の手法としては、インタビューや自由回答の記述式アンケート、行動観察などがあります。
また、基準値があらかじめ設けずに優先順位だけを選んでもらい、比較したものを結果とするカードソーティングで得られた結果も、定性データとして扱われるほか、A/Bテストで得られた結果の一部も定性データとして扱われることもあります。
ユーザーがなぜその行動をとったのか」を中心に調査を行うため、よりユーザーの寄り添った具体的な改善案を検討することができます。

定性データは数値ではないため、同じチーム内でも見方によっては認識が異なる場合があります。
そのため意見がわれてしまうこともありますが、それだけ改善ポイントを多く洗い出しやすいというメリットにもなります。
また、定量分析では多くのサンプル数が必要となりますが、定性分析ではユーザーの心情を具体的に調査できるため、少ないサンプル数でも一貫した傾向をつかみやすくなります。

定性分析を行う主な手法3つ

1.ヒートマップ調査

ヒートマップ調査は、あらかじめ設定されている指標にもとづいてユーザーアクションの大小を、サーモグラフィーのように色で表示することができるツールを使用した調査です。
ユーザーページ上のどこを主に見ているのかをマウスやスクロールの動きで解析することができます。
主に、クリックヒートマップ・マウスヒートマップ・スクロールヒートマップ・ルッキングヒートマップの4種類のヒートマップがあります。
ユーザーの動きを把握できれば、運営側が意図している動きがとられているのかを確認できますので、改善案を模索しやすくなります。

無料で使用できるヒートマップツールについて、ferret内の以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。

参照:無料でも十分使える!ユーザー行動の分析に最適なヒートマップ4選|ferret

2.ソーシャルリスニング/自由回答型アンケート調査/ユーザーテスト

SNS上でユーザーの意見を拾い上げるソーシャルリスニング、ユーザーの生の声を自由に記述してもらう自由回答型のアンケート調査、ホームページのリリース前に一部のユーザーにテスト使用してもらうユーザーテストなど、ユーザーにも協力してもらって分析を行う手法です。
協力してくれるユーザーを探すことに苦労しやすい、本当に遠慮なく意見を述べてくれているかを判断できるか、など少しハードルの高い調査手法ではありますが、より具体的な意見を聞くことができるため改善案を検討しやすくなります。

協力してくれるユーザーには、なにかしらのインセンティブを発生させられると、比較的協力者を集めやすいです。
また、インターネット上で匿名でアンケート調査を行うことができるサービスや簡単にアンケートを作成できるツールなどもありますので、利用してみてはいかがでしょうか。

無料で簡単にアンケートを作成することができるツールについても、ferret内の以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。

参照:無料から使える!簡単ですぐ使えるアンケート作成ツール14選|ferret

3.DMP

DMP(デジタルマーケティングプラットフォーム)を使用して分析を行う手法です。
DMPではアンケート調査や購入データ、ユーザー情報など、インターネット上以外で取得したユーザーデータも1つにまとめて管理できるため、過去の情報を今後の展望を見据えるための材料として活用できます。

DMPに関する詳しい解説についても、ferret内の以下の記事でご紹介していますので参考にしてください。

参照:DMPって何なの?気になる基礎知識とこれからの活用法を解説|ferret

定量分析と定性分析を組み合わせて改善案を導こう

ホームページの改善案を検討する際、定量分析または定性分析のどちらかのみ行えばよい、ということはありません。
一見、数値データを算出できる定量分析ばかりに集中しがちですが、基本的には自社ホームページの情報しか得られない、過去・現在のデータしか得られないため今後どのように改善すればユーザーに好まれるのか把握しきれない、といったデメリットがあります。
ここで競合他社のホームページの利用状況も含めたアンケートを行ったり、今後ユーザーが期待することはなにかヒアリングしたりすることで実際のユーザー行動を把握できます。

定量分析と定性分析を組み合わせた分析は、Webマーケティングだけで活用されているものではありません。
例えば、日本女子プロ野球の普及・啓発の場においても、チケットの売上数や観客数などの定量分析はもちろん、ファンが好きなものはなにか、どのような場面で感動するのか、といった定性的な分析が行われています。

参考:女子スポーツの挑戦[後編]――日本スポーツ市場拡大の鍵は女子にあり|Insight for D

定量分析で算出した数値情報の足りない部分を、定量分析を行って得られたデータと組み合わせることで、よりよい改善案を導き出しましょう。

まとめ

定量分析と定性分析は、言葉は似ていますが分析の内容は大きく異なります。
まずは定量分析は数値、定性分析は心情をもとに分析する、ということを念頭においておきましょう。
どちらの分析も、よりよい商品やサービスを提供していく上で欠かせません。
特にWeb担当初心者の方は改善を行う際にどこから手をつけていいか迷ってしまいがちですが、定量分析で得られたデータと定性分析で得られたデータを整理して可視化してみると、原因を見つけやすくなります。
そのうえで仮説検証としてユーザーテストを繰り返すと、ただやみくもに改善案を検討するよりも効率的に結果を出すことができます。

まずは両分析でどのような分析が可能化を把握して、データを揃えることから始めましょう。