
ヒートマップに関する基礎知識と無料版・有料版のオススメツール11選
- 2017年12月13日
- ニュース
この記事は、2016年9月16日の記事を再編集したものです。
ホームページを運営する上で、 ユーザー がホームページ上のどこをよく閲覧しているのか、どのような 導線 で コンバージョン に至っているのか、といったチェックはWeb担当者にとっては欠かせない業務です。なぜなら、 ユーザー の動きから「どこに興味・関心があるのか」を知ることで、ホームページの改善を図ることができるからです。
しかし、一般的なアクセス解析では数値から " ユーザー の行動" を分析ができるものの、細かな行動までは知ることができませんでした。そこでオススメしたいのが ヒートマップ です。
今回は、訪問 ユーザー の行動を可視化し、ホームページの改善点を見付けることができる ヒートマップ ツール 11選をご紹介します。
自社に最適な
ツール
を見付けて改善に役立ててみてはいかがでしょうか。
ヒートマップ とは
ヒートマップ とは、訪問してきた ユーザー がホームページ上で、どのような行動をとっているのかを明確に色で可視化したものです。
例えば、 ページ 内でよく見られている部分は赤、そうではない部分は青というように色で示すことで、どこに注目されているかが一目でわかります。閲覧してもらいたい部分と実際に閲覧されている部分の違いを知ることで、ホーム ページ 運用ならびに改修・リニューアル時に役立ちます。
ヒートマップ
には、クリック
トラッキング
やアイ
トラッキング
、マウス
トラッキング
といった様々な種類があります。複数の
トラッキング
を扱うことで、より鮮明にユーザーの足跡を確認できます。
アクセス解析との違い
ホームページの " ユーザー 訪問数 " や "滞在時間" を計測できるツールとしては、これまで アクセス解析ツール が一般的でした。どのくらい滞在したのか、どんな経路で閲覧したのか、 ユーザー の細かな動きを数字で把握できる アクセス解析ツール は、現在も高い需要があります。
しかし、 アクセス解析ツール では、 ページ 内で ユーザー がどんな動きをしたのかを把握できず、 ユーザー 心理を掴むことは困難です。これに対して ヒートマップ は、ページごとに ユーザー の細かい動きが掴めるため、何が気になってその ページ に滞在してくれたのかなどを理解することができます。
アクセス解析ツール
がホーム
ページ
全体の状況を教えてくれる一方で、
ヒートマップ
は細かな視点からユーザーの
ニーズ
を教えてくれるのです。
ヒートマップ でわからないこと
ヒートマップ は、 ユーザー の行動が詳細にわかる便利な ツール ですが、もちろん全てが計測できるわけではありません。
例えば、 ヒートマップ で注目されている部分が可視化されても、(そこが)なぜ人気があるのかについては推測することしかできません。 ユーザー が本当に満足しているのかは、 ユーザー 本人に訊ねてみないと真意はわかりません。
ヒートマップ
を導入しても、結果からユーザーの的確な
ニーズ
を掴めなければ改善にはつながりません。
アクセス解析ツール
や
A/Bテスト
などのツールを複数組み合わせて使用することをオススメします。
ヒートマップ で知っておきたい用語
クリック トラッキング
クリック
トラッキング
では、Web
ページ
のどの部分がクリックされているかがわかります。中には誤ってクリックされてしまいがちな部分もわかるため、ホームページの改善に役立ちます。
マウス トラッキング
マウス トラッキング では、 ユーザー がどのようにマウスを動かしたかがわかります。マウスの動きだけではなく、動かす速度もわかるため、注目されがちな部分と読み飛ばされがちな部分をそれぞれ把握できます。マウス トラッキング は録画機能を駆使してマウスの動きを撮るため、コストがかかることが多く、無料で使えるものはほとんどありません。
マウス
トラッキング
の導入を検討している人は、低コストで導入できるツールを探してみましょう。
アイ トラッキング
アイ
トラッキング
では、
ユーザー
の目の動きやその速さがわかります。動きを録画するため、Web
ページ
の閲覧状況を確認できる機能です。
ユーザー
自身も意識していない目の動きを
ヒートマップ
で可視化し、潜在的な需要を解析できます。
オススメの ヒートマップ ツール 8選(有料版)
1. Clicktale
イスラエルで開発され、現在では世界で約100,000社が導入している解析 ツール です。 ユーザー の行動を可視化するために、リアルタイムモニターやフォームの解析、 コンバージョン ・ファネルなどの機能が実装されています。
メイン機能である ヒートマップ 機能では、マウスの動きを集計してマウス ヒートマップ として表示してくれます。訪問 ユーザー がどこに注目しているのかが可視化されるため、それをヒントにホームページの改善につなげることができます。また、訪問 ユーザー がクリックしたあらゆる場所も可視化されますので、 コンバージョン に至るまでの導線を見直す手助けにもなるでしょう。
日本語でのサポート体制も整っていますので、導入時はもちろんツールの活用法なども相談できます。
2. VWO
ヒートマップ が実装されている A/Bテスト ツール です。 HTML / CSS の知識やデザイナーがいなくても A/Bテスト を実施できます。そのほか、 A/Bテスト 以外にも、 ヒートマップ で仮説の設定が可能で、ホームページ内のどこがよくクリックされているのかを把握し、訪問 ユーザー の行動を可視化することが可能です。
また、訪問 ユーザー 別のマウスの動きをデータとして取得することができるため、 コンバージョン に至るまでの導線の最適化にも活用できるでしょう。
スマートフォンのホームページにも対応しており、 フォーム を分析してどこの項目で離脱が起きたのかというデータを抽出、そのデータをもとに フォーム の最適化、多岐にわたるセグメント機能によって細かな分析が可能です。
3. Appsee
Appseeは、 アプリ の利用状況を可視化する分析 ツール です。
アプリ 画面全てにおける、 ユーザー のタッチジェスチャーが記録されます。記録されたデータは ヒートマップ として可視化されるため、 ユーザー がよくタップしている箇所や関心を持っているエリアなどがわかり、 ユーザー 行動を理解する手助けとなります。
コンバージョン
に至るまでの
導線
でも、
ユーザー
からあまりタップされていない要素の分析や
アプリ
内のどこで
ユーザー
が時間を使っているのかなど、
アプリ
の利用分析が可能です。
アプリ
の
ユーザビリティ
向上を検討する際、活用してみてはいかがでしょうか。
4. USERDIVE
ホームページに訪問した ユーザー のマウスの動きや滞在時間などを ヒートマップ で確認できる UX 解析 ツール です。数値データだけでは掴めない、マウスの動きやクリック、スクロールなどのデータを ヒートマップ として可視化することができます。
USERDIVEの特徴的な機能は、 ユーザー の行動を動画で再現する動画分析機能が実装されている点です。ホームページ内の訪問 ユーザー 行動をありのままに可視化し、各訪問 ユーザー がどのような動きをしているのか定性的な判断もできます。
詳細な分析を行うために、19のフィルター機能が搭載されていますので、ホーム
ページ
全体の流れはもちろん、より細かな分析が可能です。
アプリ
の利用状況を分析する「USERDIVE for Apps」も提供されていますので、
アプリ
を運営している担当者の方にオススメです。
5. Mouseflow
Mouseflowは、 セッション リプレイ機能と ヒートマップ 機能が利用できるツールです。 セッション リプレイ機能では、特定の ユーザー に絞り込んでスクロールやクリックの動きを分析できます。そのため、購入まで至った ユーザー 、 広告 から流入してきた ユーザー など、それぞれの特徴ごとの分析が可能です。
ヒートマップ
機能では、クリックやスクロール、マウスの移動などを計測する「クリック・ムーブメントヒートマップ」と、
ユーザー
に良く見られた
ページ
を計測する「スクロール・アテンション
ヒートマップ
」があります。分析したい項目に応じて詳細に分析できるので、顧客の心理を深く考察できます。
6. BOOSTEC
BOOSTECは、 ヒートマップ ・ A/Bテスト ・メール分析など、様々な機能を揃えた EC グロースハック システムです。特徴としては、 EC (ネットショップ)に特化した機能であることです。BOOSTECでは、 コンバージョン の数だけではなく、 コンバージョン 後の来訪まで分割して分析でき、ネットショップが抱える課題、常連の方や数回しか購入いただけていない方の行動等を可視化することが可能です。
例えば、運営するネットショップのカートと直接連携することで、
コンバージョン
の件数だけではなく、"どの商品" が "いつ売れた" のかまで分析できます。
7. MockingFish
MockingFishは、 ヒートマップ 機能や A/Bテスト を通じて、Web ページ を最適化できるツールです。ほかにも、多変量テストやスプリットテスト機能も利用できます。
全ての使いやすいエディタも用意されており、コーディングの知識がなくても
ページ
を変更できるので、Mockingfishの分析をもとにした改善もスムーズに行えます。
ユーザー
解析だけではなく、効果的なリンクやボタンなど、Web
ページ
の改善のための機能も揃っているため、ワンストップで
PDCA
を回していきたい方にオススメです。
8. UX Cam
UX Camは、スマートフォン アプリ 向けの分析 ツール です。 ヒートマップ だけではなく、 ユーザー の全ての行動を把握した上での分析・改善が可能です。
月に10,000セッションまで無料で利用でき、有料版では最適化のための
コンサルティング
や専用
アカウント
マネージャーなども利用可能になります。まずは無料版で試してみるのをオススメします。
オススメの ヒートマップ ツール 3選(無料版)
1. User Heat
無料で使用できる ヒートマップ 解析 ツール です。訪問 ユーザー がホームページ内のどこをクリックしたのかや、どこを閲覧しているのかといった基本機能が利用できます。
導入も簡単で、解析したいサイトの URL を入力し、発行された解析用のタグを埋め込むだけで使用できます。「熟読エリア分析」「クリックエリア分析」「終了エリア分析」等の観点で ヒートマップ を利用できます。
無料で30万
PV
/ 月まで分析することができ、30万
PV
を超えた場合は計測が止まるシステムになっています。
2. Ptengine
メールアドレスと簡単な情報を登録するだけで利用できます。スマートフォン・PC・ タブレット に対応しており、25,000 PV まで無料です。
サイト内で今見られているページや訪れている
ユーザー
情報を、リアルタイムで見ることができるが特徴です。また、分析レポートも
URL
で簡単にシェアできるため、チームのメンバーと連携して改善を行う際に便利でしょう。
WordPress
の
プラグイン
も用意されています。
3. SiTest
人工知能が搭載された解析 ツール です。人工知能が A/Bテスト を行ってホームページを自動最適化してくれるほか、比較分析機能によって施策前後の ヒートマップ を照らし合わせ、ネックがどこにあるのかを判断します。 ページ 上で ユーザー がどのように動いたかを録画・再生できる「マウスムーブ」という機能も用意されており、無料で利用することができます。
無料で計測できる PV 数は、3,000 PV とほかと比較すると少なめですが、 ページ 数は無制限のため多くのページを解析したい場合は特にオススメです。
ヒートマップ ツール と併用したい ツール
アクセス解析ツール
アクセス解析ツール を使用することで、Web ページ の訪問者数、滞在時間、 セッション 、クリック数といった多くの指標を解析できます。
ページごとの閲覧状況を細かく分析できる ヒートマップ とは対照的に、ホーム ページ 全体の数字が打ち出せるため、 ヒートマップ と一緒に使うと、マクロ・ミクロ両方の視点からサイトの状況がわかります。
アクセス解析ツール の数は非常に多く、機能も提供会社によってまちまちですが、 アクセス解析ツール 初心者からは Google が提供する無料の「 Googleアナリティクス 」が最も一般的です。
ユーザー テスト
ヒートマップ のデメリットは、 ユーザー の本音や心理までわからない点にあります。なぜこのページへのアクセス数が少ないのか、 ページ 上の情報に本当に満足しているのかどうかなど、数々の疑問は ユーザー に聞いてみない限り、正解には辿り着けません。
ユーザー のリアルな声を知りたい時は、 ヒートマップ ツール と一緒に ユーザー テストの導入をオススメします。実際の ユーザー にアンケートをとる ユーザー テストは、これまでコストと手間がかかると敬遠されていました。しかし、近年ではWeb上で行えるリモートテストの開発が盛んで、需要も高まっています。
参考:
サービス成功の鍵を握る!テストマーケティングの基本的な手法を解説|ferret
A/Bテスト
Web ページ のデザイン案で、複数のパターンの中から1つを選ぶ作業というのは、なかなか骨が折れるものです。皆さんもこうした経験あるのではないでしょうか。
この場合、一度、2つのデザイン案まで絞って、最終的に残った2案を採用してテストを行います。そして、結果として、 ユーザー の反応がよかったデザイン案を本採用するテストのことを A/Bテスト といいます。
Web マーケティング を行う時にホームページや インターネット広告 、 ランディングページ など幅広い分野で使われている、信頼性の高いテストです。
参考:
A/Bテストを行う時に知っておきたい基礎知識・事例厳選4選|ferret
まとめ
訪問 ユーザー の行動を可視化する ヒートマップ ツール を使用することで、ホームページの改善点を発見しやすくなります。また、数値上では気が付かなかった コンバージョン への障害が見付けやすく、訪問 ユーザー のニーズを把握する上でも有効です。
Googleアナリティクス
などのアクセス解析と併せて
ヒートマップ
ツール
を使用し、定量的・定性的に分析してみてはいかがでしょうか。