CRMツールとMAツール・SFAツールのメリット・デメリット

営業活動を効率化するこれらのツールですが、それぞれメリットとデメリットがあります。それらについて詳しく解説します。

CRMツールのメリット・デメリット

CRMツールのメリットは、これまで個別で管理していたものを一括管理できるようになることです。また、複数人が同時に情報にアクセスできるので、情報の属人化を低減し、効率的に必要な顧客情報を探せるようになります。わざわざ顧客情報を集めるために複数の人に聞いて回る必要がなくなるというわけです。

くわえて、情報を一括管理して可視化できるようになります。顧客が今どのような状態にあるのかを把握できれば、これからどんな施策を行うのかという戦略を立てるときのヒントになります。

一方、デメリットとして挙げられるのは、導入コストです。システム自体の費用はもちろん、営業フローの構築やシステムの使い方の教育などに関する費用もかかります。月額制のCRMツールを導入した場合には、ランニングコストも無視できません。

MAツールのメリット・デメリット

MAツール導入のメリットは、業務の工数削減です。現在は顧客に対して個別にコミュニケーションを取ることが前提となっています。顧客が増えれば増えるほど、個別のコミュニケーションは取りづらくなるものですが、MAツールを使うことで一人の担当者が多くの顧客とコミュニケーションを取れるようになります。

もうひとつのメリットが、ヒューマンエラーの低減です。MAツールで行えることは、基本的に人力でも行えますが、人が作業することでエラーが起こる確率が高くなります。しかしMAツールを導入すれば、ヒューマンエラーを減らし、業務全体の効率をアップすることが可能となります。

また、選択するMAツールによってはコスト削減も期待できます。膨大な顧客に対するアクションを人力で行えば、それだけ人件費がかかりますが、MAツールを使用することで人件費が削減できる場合があります。

デメリットとしては、利用頻度にかかわらずコストが発生することです。月額制のMAツールを契約した場合、利用頻度がそれほど高くなくても一定の費用がかかることになります。また、導入後MAツールを使いこなせるようになるまで、担当者の教育に時間が必要であったり、費用がかさむということも考えられます。

SFAツールのメリット・デメリット

SFAツールのメリットは、各自がどれくらいノルマを達成しているかといった営業の進捗状況を可視化し把握しやすくなることです。

各自の状況や情報をチーム全体で確認できるので、状況把握に関する時間を短縮することが可能です。また、進捗状況をリアルタイムで知ることができるので、敬遠戦略の見直しや現場への指示を迅速に行うことできます。

つまり、営業活動を可視化し、営業面で発生するムダを削減できるというメリットがあるのです。

一方デメリットですが、CRMツールやMAツールと同様、導入コストがかかることが挙げられます。ツールの費用、担当者の教育費など、一定のコストがかかることは念頭に置いておきましょう。

CRMツールで失敗しないために

CRMツールはただ導入すれば効果が出るわけではありません。上手く活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

目的をしっかり把握する

目的を明確にしないままCRMツールを導入しても、その後のビジネスに活かせるとは限りません。何のために導入してどのような課題点を解決するのか、しっかりと把握しておくことが重要です。

操作性は問題ないか

CRMツールは、一般的なパソコンのソフトなどに比べ操作性が複雑なものがほとんどです。そのため、誰もが簡単に使えるというものではありません。そこで気を付けたいのが操作性です。導入にあたり、使いやすいと思えるものを選ぶ必要があります。

いくら機能が豊富でも、操作性が悪ければ使わなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。

セキュリティ対策は万全か

CRMツールには、顧客情報などの重要なデータが集約されます。そのため、ツールのセキュリティ対策は必須です。ほとんどのCRMツールはセキュリティ対策が施されていますが、それだけではなく定期的にアップデートされているか、有事のときに迅速に対応できるようになっているかはチェックしておきましょう。

サポート体制は整っているか

CRMツールは、自由度が高い反面、使いこなすのは少々難しい面があります。そんなときに頼りになるのが、メーカーのサポートです。サポートの有料/無料についてはもちろん、電話、メール、チャットなどのサポート手段、対応時間、質問から返答までの期間などは確認しておきたい項目です。

機能は自社に最適か

CRMツールと一口に言っても、価格や機能はそれぞれ異なります。「安いから」という理由だけで選んでしまうと、自社で使いたい機能が備わっていないということもあります。逆に、高価であっても自社にとって必要のない機能ばかりでは、意味がありません。

ツール選定の際には、自社にとって必要な機能が入っているかをチェックしましょう。

拡張性や連携性を兼ね備えているか

CRMツールはそれ単体でも活用できますが、オプションを追加することで機能を拡張したり、他のツールと連携させることでさらに使い勝手がよくなるものもあります。

特に、すでにMAツールやSFAツールを導入している場合、それらと連携させると業務全体がスムーズになる可能性が高くなります。

CRMツール導入にあたっては、拡張性や連携性もチェックし、現状のシステムと比べて業務効率がどのくらい上がるのかを意識しましょう。