SNSやコミュニケーションツールの台頭により、企業は顧客との接点を持ちやすくなっています。そこでコミュニティツールを活用する企業が増えています。

これからコミュニティ構築を進める場合、コミュニティツールの概要や選び方のポイントを押さえておくと良いでしょう。

この記事ではコミュニティツールが注目される理由メリット・デメリットを解説します。記事の後半にはおすすめのコミュニティツールを9種類紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. コミュニティツールとは
  2. コミュニティ運営が注目されている理由
  3. コミュニティツールのメリット
  4. コミュニティツールのデメリット
  5. コミュニティツールの選定ポイント
  6. コミュニティツール9選
  7. コミュニティツールの導入・運営事例
  8. ツールを活用しコミュニティを効果的に運営しよう

コミュニティツールとは

コミュニティツールとは、特定の共通点・関心事や目的をもつ人同士が交流し、活動するツールやサービスのことです。具体的には以下のように3つの種類に分けられます。

コニュニティツールの種類.png

・SNSなどのオンラインコミュニティプラットフォーム
Facebook、Instagram、Twitter、Discord、LinkedIn など

・コミュニケーションツール
Slack、Chatwork、Microsoft Teams、LINE など

・コミュニティ構築ツール
Zendesk、commune、Tailor Works、openpage など

コミュニティツールは機能や価格などに違いがあるため、特定の目的やニーズに合わせて選択する必要があります。

記事後半では、3番目の「コミュニティ構築ツール」の具体的なサービスを9種類紹介します。

コミュニティ運営が注目されている理由

近年、デジタル化によって顧客と企業の接点が増加しています。そこで最近は販売戦略やマーケティング施策の一環として、コミュニティを作って既存顧客と活発に交流を行う企業が増えています。

コミュニティによって顧客ロイヤリティやLTV向上が期待でき、自然発生的に口コミや評判が拡散されやすくなります。その結果、新規顧客へのアプローチにもつながりやすいのがメリットです。

▼コミュニティマーケティングについては、以下の記事で詳しく解説しています
カスタマーサクセスツールでLTVアップ!おすすめツール10選や成功事例を紹介

コミュニティツールのメリット

コミュニティツールにはさまざまなメリットがありますが、主要な点を3つに絞って紹介します。

コニュニティツールのメリット.png

開発なしでコミュニティが構築できる

コミュニティツールを活用することで、複雑なプログラミングなど不要でコミュニティが簡単に作れます。直感的な操作で簡単にイベントページを作成したり、デザインを変更したりできるため、サイトやアプリ制作に長けていない人でも扱いやすいのが魅力です。

ユーザーニーズを把握しやすい

コミュニティ運営によってユーザーの声が身近になるためユーザーニーズを把握しやすいのも、コミュニティツールを活用するメリットです。

コミュニティ内でより親密な距離感でユーザーと接点を持てることから、自社商品・サービスの改善にも役立つでしょう。

サポートコスト削減につながる

コミュニティツールを活用すれば、運営者が本来やるべき工程を行わずに済むことから、自ずと人的リソースが減り、人件費の削減につながるでしょう。ただし、ツール使用料が別途かかる場合には、自社の人件費とのバランスを考慮する必要があります。

コミュニティツールのデメリット

コミュニティツールのデメリットとしては、以下2つが挙げられます。デメリットもしっかりと押さえておきましょう。

運営側に負担がかかる

コミュニティを維持するためには不適切な態度をとるメンバーに対する措置や、イベントの企画、情報提供コンテンツの更新など、さまざまな対応を求められます。

特に創設されて間もないコミュニティや、大規模なコミュニティで上記の対応が多く求められ、運営側に負担がかかりやすい傾向にあります。

コミュニティの規模によっては、運営者をサポートするメンバーを募り、役割分担するなどの工夫が必要でしょう。

成果が発生するまでに時間がかかる

顧客ロイヤリティの向上や新規顧客の獲得など、コミュニティを運営する目的はさまざまです。ただコミュニティは運営してすぐに成果が出ることは少なく、ある程度の時間が必要です。

コミュニティ運営の目的を果たすためにも、コミュニティメンバーの熱量を高く維持できるよう、長期継続的な運営が必要不可欠でしょう。

コミュニティツールの選定ポイント

コミュニティツールを選ぶ際は、次の3つのポイントを押さえておきましょう。

導入目的に合っているか

ツールは種類により機能が異なるため、導入目的に合っているものを選ぶことが大切です。そのためにも、自社の課題を洗い出し、なぜコミュニティツールを導入するのか明確にしましょう。

無料トライアルがあるか

一度コミュニティツールを導入すると、「使いづらい」「こういう機能が欲しかった」などと思っても、別のツールに移行するのは手間がかかります。

このように導入してから後悔しないよう、無料トライアルがある場合は積極的に利用することをおすすめします。実際に使ってみて使い勝手はどうか、自社が求めている機能を備えているか、などの点を確認しましょう。

適正価格か

コミュニティツールは種類によって費用に差があるため、自社の予算に合っているものを選びましょう。導入する際に月額料金以外の初期費用の有無や、求める機能に価格が見合っているか確認し、人件費なども含め総合的に導入ツールを決定してください。

コミュニティツール9選

ここでは、おすすめのコミュニティツール9選を紹介します。

commmune(コミューン)

commmune.png
出典:commune

● 満足度・認知度が高い製品の最高賞を3期連続6部門で受賞 

commmuneは、カスタマーサクセスに必要な顧客コミュニティを、ノーコードで構築・運用・分析まで一気通貫して実行できるコミュニティサクセスプラットフォームです。

コミュニティ施策の戦略検討から運用まで、サポート体制も万全なので、初めて導入する企業も安心して使えます。CRM/SFA/MAなど各種ツールとの連携も可能です。

  • 料金:要問い合わせ(ライト・スタンダード・プロフェッショナルの3タイプあり)
  • 無料トライアル:なし

Tailor Works(テイラーワークス)

Tailor Works.png
出典:Tailor Works

● 地域活性化や地方創生に関連するコミュニティ向け

Tailer Worksは、地域・業界・業種・テーマなどを超えて全国のコミュニティとつながる、共創コミュニティプラットフォームです。

自治体や地域に根付いた事業を行う団体・企業での導入事例が多いのが特徴で、実際にTailor Works内で運用されているコミュニティを介し、協業に向けたお付き合いが始まるケースも少なくありません。

メンバー同士のトークルームや相談投稿、イベント、コンテンツマガジンなど、コミュニティ運営に必要な機能が充実しています。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:なし

coorum(クーラム)

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出典:coorum

● 顧客単位のデータ収集・分析で、ロイヤル顧客を生み出す

coorumは、既存顧客の分析から施策実行までをワンストップで行える、ロイヤル顧客プラットフォームです。コミュニティ内の顧客データを分析し、ロイヤル顧客を増やすトリガーを特定します。

特徴的なのはロイヤル顧客を始め、あらゆる顧客データを顧客単位で収集できる点にあります。そのため、顧客ごとに最適なコンテンツを提供しやすくなり、PDCAを回すことで顧客満足度向上を実現可能です。

  • 料金:要問い合わせ(ライト・スタンダード・エンタープライズの3プランあり)
  • 無料トライアル:なし

Experience Cloud

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出典:ExperienceCloud

● 世界トップシェアのCRMを活用し、顧客とのやり取りを実現

Experience Cloudは、セールスフォース・ドットコム社が提供する、オンラインソーシャルプラットフォームです。

世界でトップシェアを誇るCRMツール「Salesforceの機能やデータを活用して、顧客や外部パートナーとつながり、情報共有や意見交換が行えます。

Salesforceでは社内のみでの情報共有に限定されますが、Experience Cloudを利用することでコミュニケーションの幅を広げ、主要なビジネスプロセスを拡大することが可能です。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:あり(30日間)

Zendesk

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出典:zendesk for service コミュニティプラットフォーム

● 機能が豊富でカスタマイズも自由自在

Zendeskが展開する「Zendesk for service」には、顧客同士でつながって情報共有ができるユーザーコミュニティ構築ソフトウェアがあり、顧客のニーズに沿ったコンテンツによって、顧客同士で情報を交換ができる場を構築可能です。

さらに、ヘルプセンターも加えてコミュニティを構築することで、セルフサービス型のサポートも行えます。このようにZendeskのさまざまな機能を組み合わせることで、より付加価値の高いコミュニティを構築しやすく、顧客満足度やロイヤリティ向上が期待できます。

  • 料金:月額$49/名 〜
  • 無料トライアル:あり

openpage(オープンページ)

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出典:openpage

● 顧客とのあらゆるタッチポイントをDX化し、営業・CS業務を効率化

openpageは、カスタマーサクセスに特化したCMS構築サービスです。

通常のCMSとの大きな違いは、DXやAIを活用したコミュニティ機能を備えている点にあります。それにより営業・CSにおける案内業務の自動化が可能なことから、テックタッチ支援に役立つツールといえます。

営業やCSの現場で活用できるWebサイトを簡単に構築し、顧客とのコミュニケーションをDX化できるので、業務効率化にもつながるでしょう。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:あり(30日間)

QON(クオン)

QON.png
出典:QON

● ソーシャルメディアを組み込んだファンコミュニティを育成

QONは、ソーシャルメディアのファンコミュニティクラウドです。自社のWebサイトソーシャルメディアを組み込むことで、企業と消費者が双方向でつながり、ファンコミュニティを育成します。

コミュニティはAIによって予測された3年間の運営シナリオをもとに運営されるのが特徴です。ソーシャルメディア型であることから、料金は長期継続に向いているサブスクリプション方式を採用しています。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:なし

OSIRO(オシロ)

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出典:OSIRO

● コアファンが集まるクリエイター向けコミュニティを構築

OSHIROは、コアファンと直接つながり、クリエイターとの共創を生み出すコミュニティプラットフォームです。グループやチャット、ブログ、イベントなどのコミュニティ運営にまつわる機能が備わっています。

コミュニティ立ち上げから運営まで、専任のプロデューサーがサポート。デザイン性の高いホームデザイン機能によって、独自の世界観を実現できます。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:なし

CRAYON

CRAYON.png
出典:CRAYON

● エンタメに特化したコミュニケーションの場をアプリで提供

CRAYONは、音楽アーティストやスポーツ選手、インフルエンサー、声優、アニメ、キャラクターなど、あらゆるエンタメのファンコミュニケーションの場をアプリで提供できる開発サービスです。

タイムラインでの発信やコンテンツ提供、スケジュール、グッズ販売など、エンタメ業界に特化したファンコミュニケーション機能が充実しています。アプリに最適化したデザインで、独自の世界観を表現することも可能です。

  • 料金:要問い合わせ
  • 無料トライアル:なし

コミュニティツールの導入・運営事例

ここでは、実際にコミュニティツールを導入・運営している事例を2つご紹介します。

熊本放送|地域活性化に活用

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株式会社熊本放送は、視聴者と地域社会との共創を目指し、共創コミュニティプラットフォームのTailor Works上にオンラインコミュニティ「土曜クラブ(仮)」を開設しました。

熊本放送は視聴傾向が多様化する時代において、番組ファン・新たな視聴者との関係構築・強化に課題を感じていました。

視聴者との新たな関わりの場として、Tailor Worksの多様な取り組みが評価され、プラットフォーム構築のパートナーに選出。

熊本放送とTailor Worksは「土曜クラブ(仮)」を通して、コミュニティで共創されたIPの活用や、新規事業による熊本地域の文化・産業の活性化に貢献しています。

参考: 熊本放送が「 Tailor Works 」に番組発・IP創出プラットフォーム開設 視聴者・地域社会との共創で熊本を活性化

スマートキャンプ|インサイドセールスに特化

BALES インサイドセールス キャンパス.png

SaaS領域で複数の事業を展開するスマートキャンプ株式会社は、インサイドセールス従事者やインサイドセールスに関心のある人向けのコミュニティ「BALESインサイドセールスキャンパス」を開設しました。

最近日本でもインサイドセールスを導入する企業が増加しているものの、インサイドセールスに関する情報は入手しづらいのが現状です。

そこでスマートキャンプは業務を行う中で培ったノウハウをもとに、コミュニティ内でインサイドセールスに携わる個人のキャリアアップの仕組みづくりを目指しています。

参考: スマートキャンプ、インサイドセールスに特化したコミュニティ「BALES インサイドセールス キャンパス」をオープン

ツールを活用しコミュニティを効果的に運営しよう

自社と顧客との良好な関係を構築し、ビジネスを拡大させるには、顧客のニーズを汲み取り、商品やサービスを提供することが大切です。

コミュニケーションツールを使うことで、顧客との接点をより多く持てるようになり、売上アップにつながる可能性があります。

コミュニティツールにはさまざまな種類があるため、自社の事業戦略を明確にし、導入を検討してみましょう。