個人としてPinterestを活用した方がいい理由があるのと同様に、企業、特に中小企業がPinterestを活用した方がいい理由もあります。

全ての企業がマスメディアを使った広告を実施できる訳ではありません。現在はマスメディア以外にもデジタルメディア、ソーシャルメディアが一般化しています。多くの企業が広告予算の規模に関わらず、自社ホームページソーシャルメディアの運用を実施、もしくは実施を検討しているのではないでしょうか。

Pinterestには既存のソーシャルメディアとは異なる、Pinterestならではの4つの活用メリットがあります。

  • ホームページへのアクセスUPにつなげられる
  • ブランドエンゲージメントに貢献できる
  • 広告が好意的に受け入れられやすい
  • クリエイティブ作業に活用できる

それぞれ見ていきましょう。

ホームページへのアクセスUPにつなげられる

既存のソーシャルメディア、SNSにおけるタイムラインがフロー型(情報が時間の経過とともに流れ、その瞬間に情報の価値がある)だとすると、Pinterestはストック型(情報がストックされ、あとでも情報を見返しやすい)のプラットフォームです。

つまりコンテンツに賞味期限のようなものがなく、一度Pinterestにピンとして保存されたコンテンツは多くのユーザーの興味関心に基づいてレコメンドされ続けます。投稿するタイミングは重要ではないため、毎日決まった時間に、何回、といった運用テクニックは必要なく、たくさんピンができるタイミングでまとめて作業することができます。

また、クオリティーの良いビジュアルや、リンク先に有益な情報、正確な参照元があるピンは、Pinterestで「パフォーマンスの高いピン」になりやすく、他のユーザーにレコメンドがされやすくなります。そのため、自社のサイト上にある、もしくはサイトにアップロードできるコンテンツは、まずはPinterestにピンとして保存しておくのがおすすめです。

例えば、多くの企業はPinterestアカウントを自社で運用するだけでなく、以下のように自社ホームページに「ピン保存ボタン」を導入しています。

LIMIA_クローバー株式会社.png
画像出典:LIMIA

レシピブログ_オートミール&豆腐のパンケーキ.png
画像出典:レシピブログ

ユーザーがピン保存ボタンを押すと、そのコンテンツがユーザー自身のボードに保存され、それも一つのピン保存になります。ピン保存、つまり自社コンテンツのアップロードをユーザーに委ねるというのも一つの手法です。

ブランドエンゲージメントに貢献できる

SNSでブランドエンゲージメント(ブランドへ愛着を持っている状態)を高めるのは簡単ではありません。投稿の数やタイミング、内容、世界観など、気をつけるべき要素が多数あります。

Pinterestの魅力の一つである「ボード」を使うことで、自社がどんな会社なのか、どんなことをやっているのか、などを複数カテゴリに分けてそれぞれ、または全体として表現することが可能です。

例えば、インテリア通販「FLYMEe」のホームページには、たくさんの商品と活用スタイルの画像があり、そのほとんどをPinterest上にピン保存しています。

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出典:FLYMEe公式アカウント

ひとことで「ナチュラル系」と言っても、人によってイメージするものが違い共有が難しいテイストをPinterestのボードにまとめることで、自社商品の紹介と自社の定義する「ナチュラル」「モダン」といったテイストをわかりやすく表現しています。

また、同社はTwitterやInstagram、Tumblr、Facebookも運用しており、Pinterestのアカウント上に保存されているピンのリンク先がそれぞれのSNS投稿に紐づいていることも特徴です。

自社のブランドのフォロワーであってもプラットフォームごとにその趣味嗜好は多少なりとも異なっていることがあります。それぞれのSNS、そしてそのフォロワーに合ったテイストのコンテンツも、Pinterestがハブとなって潜在的なユーザーに届けられる可能性が高く、その仕組みをうまく活用している事例です。

広告が好意的に受け入れられやすい

企業としてPinterestを活用するのであれば、広告サービス「Pinterest アド」が利用できるのもメリットの一つです。

Pinterestは、行ってみたい場所や欲しいものを探すなど、目的を持って利用するユーザーが大半です。日本のユーザーにおいては、45%と約半数の方が広告をクリックするとの情報もあります。広告コンテンツの一部として好意的に受け入れられやすいのは、他のプラットホームにはない強みです。

伊藤久右衛門_宇治抹茶パフェアイスバー.png
出典:Pinterest Business

例えば、江戸時代から続く茶屋「伊藤久右衛門」では、ブランドの認知向上および幅広い年齢層へのリーチ拡大に課題を抱えていました。そこで、夏に向けて2022年6 月から人気商品「宇治抹茶パフェアイスバー」の 写真を駆使したキャンペーンを展開。

その結果、広告のクリック率は4%、新規ユーザー率71%と今までリーチのなかった若年層への認知向上と新規ユーザーの獲得に成功しました。

Pinterestユーザーは、具体的なブランド名や商品名といった「指名検索」ではなく、一般的なワードで検索する人が非常に多いという特徴があります。そのため、広告も企業やブランドの規模・知名度・フォロワー数を問わず、ユーザーにとって有益であれば平等に発見されるチャンスがあります。

参考:
Pinterest Business
SUNGROVE |ピンタレスト・ジャパン広告事業開始から半年、強みと成功事例をSMB日本統括責任者に聞く!

クリエイティブ作業に活用できる

自社コンテンツやブランドの発信だけでなく、自社商品の企画や社内プロジェクト、社外の方とのミーティングにおけるイメージの共有にもPinterestはおすすめです。

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出典:EcoDeco O様 | Pinterest

リノベーションコーディネートを行う「EcoDeco」では、顧客と設計士の「理想の家」のイメージを共有するためにグループボードを使ったワークショップを実施しています。顧客が理想のイメージとして集めたピンを参考に、設計士がさらに新しいピンを提案することで打ち合わせの効率化にもつながります。

まとめ

Pinterestを中小企業が活用するメリットは以下の4点です。

1. ホームページへのアクセスUPにつなげられる
2. ブランドエンゲージメントに貢献できる
3. 広告が好意的に受け入れられやすい
4. クリエイティブ作業に活用できる

まずは、自社のやりたいことを明確にして、Pinterestでどう実現できるのか考えてみましょう。